人財戦略

考え方

人財戦略を考えるにあたりベースとなる価値観は、多様な人財が個性を発揮し、仕事を通じて成長することです。出光興産の2050年ビジョン「どのような未来が来ても、しなやかに、逞しく、未来を切り拓く人財集団」の実現を達成するため、「企業理念・ビジョンの体現」「DE&Iの深化」「個々人の能力・個性の発揮」という3つの視点からそれぞれに紐づく各種施策を展開しています。
当社が推し進める事業構造改革への道のりは変数が多く、最適解が見えにくい状況です。そんな状況下でも、失敗を恐れず挑戦し、企業理念の「真に働く」を体現する人財を一人でも多く輩出することが極めて重要です。当社は多様な人財が集い、チーム一丸となって何かを成し遂げる集団であり続けたいと考えています。

人的資本の価値向上(人事管掌役員メッセージ)

●人材戦略の3本柱

人材戦略の3本柱

方針

主力製品の内需減少は経年の課題であり、慢性的な供給過剰に陥った業界構造を打開すべく2019年、出光興産・昭和シェル石油は経営統合しました。人事制度および行動指針は、経営統合時にどちらかの会社の制度に片寄せするのではなく、新しいコンセプトを打ち出すという方針のもと策定・制定されました。しかし、行動指針などで使われた用語が汎用的であるために当社らしい価値観が反映されていない、評価の際の基準が曖昧になりやすいという問題点を抱えていました。
そこで、2021年4月に成文化した企業理念「真に働く」に基づき、当社らしさにこだわり、新たな行動指針を制定しました。
この行動指針をもとに人事制度を刷新し、社員が日常業務を通じて企業理念を体現し、持続的な成長を遂げることを目指します。

●新たな行動指針

行動指針/評価項目 定義
基本姿勢 徹底的当事者意識 関わる事柄を自分事として捉え、責任を持って最後までやり遂げる姿勢
飽くなき成長意欲 常に自らを顧みて、あらゆることから学ひ成長し続けようとする姿勢
誠実・相互信頼 社内外で関わる人の立場を想像し、お互いに尊重して高め合う姿勢
能力 大胆に挑み続ける 前例に捉われず、また失敗にくじけることなく果敢に高い志を掲げ、高い目標・課題を設定し、挑み続けるカ
常に考え決断する 多角的な視点で考えぬき、ゆるぎない信念と覚悟を持ってタイミングを逃さず決めるカ
相違を乗り越える 相手の立場を理解しながら折衝・調整し、立場の違いや対立する価値観を乗り越えて難しい局面を打開するカ
人を活かす すべての人の可能性を信じ、他者の価値観や持ち味を受容・包摂して、人の力を引き出しながら、その力を最大限に活かすカ

指標と目標

当社の人的資本経営に関するKPIおよび中間指標は、下図のとおりとなります。
このKPIは、2030年基本方針に則して、当社グループが貢献していく社会課題として特定した7項目のマテリアリティ(重点課題)にも紐づくものです。
今回、新たに出光エンゲージメントインデックス向上につながる中間指標「出光成長スコア」を設定しました。
現状開示を行っている出光EIはゴール指標として継続的に開示を行い、出光EIの向上につながる先行プロセスであり、喫緊の重要組織課題達成のための中間指標である出光成長スコアを経営上の重要指標として追跡し、かつ社員全員で向上のためのムーブメントを起こしてまいります。この取り組みは、結果的に既存事業の成長にもつながっていくものと考えています。

>出光グループのマテリアリティ(重要課題)

●当社のKPIおよび中間指標

当社のKPIおよび中間指標
当社のKPIおよび中間指標
当社のKPIおよび中間指標

取り組み

企業理念・ビジョンの体現

タウンホールミーティングの開催

経営層と従業員の直接対話の場として全社タウンホールミーティング(THM)を対面・オンラインのハイブリッドで2024年度は2回(6月・11月)開催し、録画視聴を含めると延べ約5,000名が参加しました。会社とは独立した専任組織である出光社員会が企画運営を担い、従業員を代表して経営への提言や対話を行っています。6月は足元の経営状況や今後の戦略の方向性を経営層から説明し、従業員からの質疑応答も活発に行われました。それを踏まえ部室単位で行った意見集約、またやりがい調査アンケートの結果から、今の当社における全社課題を追求し11月のTHMで経営層に提言しました。4月には具体的なアクションとともに経営層から会社回答を出し、今後は課題解決に向けた具体策実行のフェーズに移っていきます。これら全社THMと並行して事業所・部室別THMも定期的に実施しており、その往復運動で会社としての一体感および貢献意欲の向上に努めています。引き続き出光社員会は、THMでの提言と対話を行うとともに、2025年度は新たな取り組みとして各種制度提言(既存制度の改定および新制度提案)や、従業員発信の社内外コミュニケーション活動にも取り組んでいく予定です。

タウンホールミーティング

●経営層への提言・経営層からの回答

経営層への提言・経営層からの回答

ヒューマンギャラリー リニューアルオープン

当社の理念や歴史を伝える「出光興産ヒューマンギャラリー」が、2024年10月にSIビル青山8階(東京都港区北青山1-3-6)でリニューアルオープンしました。本ギャラリーでは、100年を超える当社の歩みを物語る貴重な史料を展示するとともに、現在挑戦している事業についても紹介しています。社員や株主の皆さまをはじめ、多くのご来館者から高い評価をいただいており、半年で約800名が来館されています。今後も社内外の皆さまと交流を深め、当社の使命と当社の歩みを発信する場として進化を続けていきます。

ヒューマンギャラリー
ヒューマンギャラリー
ヒューマンギャラリー

出光社員会の創設

当社は、「会社の未来は私たちでつくろう」をキーメッセージとして、2024年4月に一般社団法人出光社員会を創設しました。出光社員会の目的は、全従業員が主体的に「より良い会社、より良い組織風土」を創っていくための議論に参画する「場」を創り、部門や年代、階層など、既存の関係性を超えた活動を通じて、経営参画意識を醸成し、かつ、一人ひとりの自律的な成長につなげていくことです。
当社では従業員一人ひとりが主役です。自由な発想で活動・交流し、OFA (Open・Flat・Agile) 風土の醸成や個々の成長促進の両面で施策を展開し、会社をより良く変えていけるように活動を進めていきます。

出光社員会の体制と特徴
・ 会社とは独立した組織で専任の理事(担当職)が活動の企画・運営
・ 全従業員が活動に参加
・ 既存の活動(経営との対話や各種座談会、部門間交流企画、やりがい調査アンケートなど)を集約
・ 各職場の代表者(活動推進委員)が職場活動を推進

出光社員会の体制と特徴
Actibities of the Idemitsu Employee Association

・ 専任の理事を設置することで、労力がかかる会社全体の意見集約・提言がよりいっそう可能に
・ 社員会は会社から独立しているため、従業員のための自主的な活動が可能
・ 社員会活動は役職者も含むため、役職者の声を反映した提言も可能

人的資本の価値向上(副社長メッセージ) DE&Iの深化 DE&Iの深化—多様な社員の活躍推進 DE&Iの深化ー多様な社員の活躍を支援する制度 DE&Iの深化ー多様で柔軟な働き方の推進 やりがいの最大化