カーボンニュートラル、気候変動対応
考え方
出光興産は、カーボンニュートラル(CN)・循環型社会の実現に向けて、自社グループの強みである「社会実装力」を発揮し、「人々の暮らしを支える責任」と「未来の地球環境を守る責任」を果たすことを目指しています。気候変動関連対応の取り組みに関しては、2020年に賛同署名したTCFD提言に沿った形での情報開示を継続しつつ、IFRS S2/SSBJのフレームワークでの開示を念頭に、開示拡充を進め、ステークホルダーの皆さまのご理解と協働のもとで取り組みを加速させていきたいと考えています。
「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」提言への賛同署名
当社は、2020年2月14日に、気候関連財務情報開示タスクフォース(Task Force on Climate-related Financial Disclosures、以下TCFD)提言に賛同し、署名しました。
※TCFDは2023年10月に解散し、提言はISSB(国際サステナビリティ基準審議会)へ移管
本ウェブサイトにおける気候変動関連開示
本ウェブサイトにおける、TCFDフレームワーク各項目の掲載ページは、下表に記載の通りです。
| 領域 | TCFD提言 | 当社の開示 |
|---|---|---|
| ガバナンス | ① 気候関連のリスクと機会についての、取締役会による監視体制を説明する。 | ガバナンス |
| ② 気候関連のリスクと機会を評価・管理する上での経営の役割を説明する。 | ||
| 戦略 | ① 組織が識別した、短期・中期・長期の気候関連のリスクと機会を説明する。 | 戦略 |
| ② 気候関連のリスクと機会が組織のビジネス戦略および財務計画に及ぼす影響を説明する。 | ||
| ③ 2℃以下シナリオを含む、様々な気候関連シナリオに基づく検討を踏まえて、組織の戦略のレジリエンスについて説明する。 | ||
| リスク管理 | ① 組織が気候関連リスクを識別および評価するプロセスを説明する。 | リスクマネジメント |
| ② 組織が気候関連リスクを管理するプロセスを説明する。 | ||
| ③ 組織が気候関連リスクを識別・評価・管理するプロセスが、組織の総合的リスク管理にどのように統合されているかについて説明する。 | ||
| 指標と目標 | ① 組織が、自らの戦略とリスク管理プロセスに即して、気候関連のリスクと機会を評価するために用いる指標を開示する。 | 指標と目標 |
| ② Scope1、Scope2および組織に当てはまる場合はScope3のGHG排出量と関連リスクについて説明する。 | CO₂排出量(Scope1、2、3)実績推移 | |
| ③ 組織が気候関連リスクと機会を管理するために用いる目標、および目標に対する実績を開示する。 | 指標と目標 |
(補足項目)
| 領域 | TCFD提言 | 当社の開示 |
|---|---|---|
| 温室効果ガス排出 | Scope1、2、3の絶対排出量、排出原単位 | CO₂排出量(Scope1、2、3)実績推移 |
| 移行リスク | 移行リスクに対して脆弱な資産または事業活動の量と範囲 | リスクと機会 |
| 物理的リスク | 物理的リスクに対して脆弱な資産または事業活動の量と範囲 | リスクと機会 |
| 気候関連機会 | 気候関連の機会につながる収益、資産、事業活動の割合 | リスクと機会 |
| 資本配備 | 気候関連リスク・機会に向けて配備された資本支出、資金調達、総額 | 投資意思決定体制 |
| ICP | 組織内で使用されるCO₂排出量1t当たりの価格(内部炭素価格) | 戦略 |
| 報酬 | 気候配慮に連動する役員報酬の割合 | 役員報酬 |
ガバナンス
当社のコーポレートガバナンス体制概要は、以下リンク先に記載の通りであり、気候変動対応に関する補足情報は以下の通りです。
気候関連ガバナンス体制
取締役会は、当社の最重要経営課題の一つである気候変動に対応するために、本課題を様々な角度から多面的に捉えて経営方針を定めるとともに、その方針に基づいたアクションが、迅速かつ着実に実行されることを監督する役割を担っています。気候変動関連の主要な議案は経営委員会に付議され、特に重要な議案は、取締役会に報告されます。これにより、取締役会は全社方針に基づいた執行が着実に行われているかを監督する体制としています。
取締役会を構成する10名の取締役は、環境・資源循環・国内外のエネルギートランジションの動向・関連する先進技術・サステナビリティなど、様々な分野において経験と実績および知見を有する者で構成しています。
また、CN社会の実現に向けた全社戦略の立案・遂行は、専門部署(CNX※戦略部)が中心となって推進しています。CNX戦略部は全社CN戦略立案やGHG削減目標設定、CNX人財育成を社内関係部門と連携し主導しています。
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CNX : Carbon Neutral Transformation
※1 気候変動課題を踏まえた経営方針の制定方針に基づいたアクション実行の監督
※2 気候関連主要議題の審議
※3 シナリオ分析、全社投融資方針策定・管理
※4 全社CN戦略立案、GHG削減目標設定、各部門戦略進捗モニタリング
※5 GHG排出量捕捉・モニタリング
※6 事業部門別CN戦略立案・実行
気候変動対応と役員報酬の連動
当社の取締役(非常勤取締役および社外取締役を除く)および上席以上の執行役員の報酬体系は、①固定報酬、②業績連動賞与、③業績連動型株式報酬により構成しており、③業績連動型株式報酬には、カーボンニュートラル・循環型社会の実現に必要不可欠なCO2削減指標も含まれています。
戦略
シナリオ分析
2050年に向けた長期エネルギー事業環境シナリオ
シナリオ分析の実施にあたり、日本及びアジア太平洋地域のエネルギー需要、石油・天然ガス・再生可能電源を含む電力需要・供給予測、経済社会インフラの電化・電動化の進展予測、バイオ燃料・CCUSなどの低/脱炭素技術の確立速度及び需要予測といったインプットおよびパラメータを考慮しました。また、IEA※1の「World Energy Outlook 2024」(以下「WEO2024」)および「World Energy Outlook 2025」(以下「WEO2025」)、IPCC※2の第5次・第6次評価報告書(AR5・AR6)の複数シナリオ、ならびに資源エネルギー庁の石油製品需要想定検討会の公表データなどを参照しています。中期経営計画(2026~2030年度)において、幅広い不確実性に対応するため、当社グループは以下の2つの気候シナリオを考慮しました。なお、2050年までの日本及びアジア太平洋地域におけるエネルギー関連領域を対象としています。
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IEA(International Energy Agency):国際エネルギー機関
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IPCC(Intergovernmental Panel on Climate Change):気候変動に関する政府間パネル
碧天+
各国が気候変動問題への取り組みを強力に推進することで、経済・社会の低/脱炭素化が急速に進展する未来。IEAのWEO2024及びWEO2025におけるNZE(Net Zero Emissions by 2050)に類似。最新の国際的合意であるパリ協定の1.5℃目標及びCOP30「グローバル・ムチラオ決定(1.5℃目標達成に向けた緩和の取り組みの呼びかけ)」と整合的なケース。
むら雲
各国がエネルギー安全保障を重視し、現行政策を維持することで、堅調な経済成長が続く一方で、気候変動問題への対処が停滞する未来。IEAのWEO2024におけるSTEPS(Stated Policies Scenario)、WEO2025におけるCPS(Current Policies Scenario)及びSTEPSに類似。
リスクと機会
当社グループは、マテリアリティ評価により識別された重要課題の中から特に大きな影響を及ぼす可能性がある気候関連のリスクと機会について、下表のとおり識別しました。本表では、識別された気候関連のリスクと機会の内容および区分と、その影響が顕在化すると合理的に見込まれる時間軸および対応策について説明しています。
| 区分 | リスク・機会の内容 | 顕在期間※ | 当社の対応 | |||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 短期 | 中期 | 長期 | ||||
| 移行リスク | 技術・市場 | 社会の低/脱炭素化に伴う国内化石燃料需要の減少 | ● | ● | ● | CN事業基盤の拡充(化石代替燃料の供給)、富士石油との事業統合シナジー創出などによる国内製造・供給最適化、モビリティサービス事業(スマートよろずや)などによる特約販売・SSネットワークの堅持、海外トレーディングの強化によるグローバルでの燃料油事業の強化 |
| 政策・法規制 | 国内外における温室効果ガス排出規制の強化への対策コストの増加 | ● | ● | ● | CO₂排出量の削減、政策動向の注視、カーボンクレジットの調達検討 | |
| 評判 | 化石燃料事業に対する金融機関の選好の変化による資金調達コストの増加 | - | - | ● | 金融機関、投資家などとのエンゲージメント強化 | |
| 物理的リスク | 急性 | 風水害による浸水が招く沿岸拠点の一時的な操業停止および輸入網の停滞 | ● | ● | ● | 堤防の増強工事、装置保全の計画的強化、供給維持に向けたサプライチェーンの強靱化など |
| 慢性 | 慢性的な海面水位の上昇による沿岸拠点の浸水リスクの増大 | - | - | ● | ||
| 機会 | 製品およびサービス | 低/脱炭素化製品・サービスの需要拡大 | - | ● | ● | バイオ燃料(SAF・バイオ軽油/重油)・出光グリーンエナジーペレット・バイオ化学品・水素・アンモニア・合成燃料などのサプライチェーン構築、出光カーボンオフセットfuelの供給・販売拡大、天然ガス事業の拡大、LNG事業への参入、リチウム固体電解質の事業化、再生可能エネルギー事業(地熱発電の開発・運営など)の推進 |
| 資源の効率性 | 資源循環型社会の進展 | - | ● | ● | ケミカルリサイクル事業の推進(使用済プラスチック) | |
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顕在時期に印を記載
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発生時期の定義
短期(~2027年):当社グループの2030年ビジョン「責任ある変革者」に基づく中期経営計画(2026~2030年度)の初期段階
中期(~2030年):当社グループの2030年ビジョン「責任ある変革者」に基づく中期経営計画(2026~2030年度)の対象期間
長期(~2050年):当社グループの2050年ビジョン「変革をカタチに」に基づくカーボンニュートラル達成年
トランジション戦略
上記のリスクと機会に対して、当社は、2030年までの社会実装を視野に入れ、燃料油、基礎化学品、高機能材、電力・再生可能エネルギー、資源の5つの事業セグメントにおいて、これらの社会実装テーマを推進しています。
具体的には、ブルーアンモニアやカーボンフリーアンモニア、ブルー水素やカーボンフリー水素、合成燃料・合成化学品、CCUS、SAF(持続可能な航空燃料)やバイオディーゼル、出光グリーンエナジーペレット、バイオ化学品・潤滑油など、脱炭素社会および循環型社会の実現に貢献する分野への事業展開を進めています。
加えて、リチウム電池材料、環境対応型農畜産資材、高速通信および次世代ディスプレイ関連材料、ソーラーパネル等の資源循環・リサイクル、モビリティの軽量化・強靭化に資する素材など、次世代産業を支える技術・素材の社会実装にも注力しています。
さらに、Type別サービスステーションの高度化、超小型EVやMaaS、EV充電・メンテナンス、分散型電源など、エネルギー・モビリティ分野における新たなサービスの創出を通じて、社会やお客さまに新たな価値を提供していきます。
投資意思決定体制
CNに資する新規事業拡大に向けた投資は、2030年までに累積8,000億円規模を計画しています。
CN社会の実現に向けた全社課題の立案・遂行を加速させる必要があるという認識の下、2021年7月にCNX※戦略室(現 CNX戦略部)を新設、更にはグループ内での情報共有と迅速な意思決定に向けて2023年12月にCNX※戦略本部を設置しました。下図に記載の体制の下、各事業部門の人員を250名規模で配置し、CNに資する各プロジェクトについて、新規事業テーマとして掲げた16のプロジェクトから、市場の蓋然性、既存アセットの活用度、有力事業パートナーや当社の技術優位性の有無などの観点からスクリーニングを進めた結果、2050年のCNに向け取り組むべき投資(CN投資)として、ブルーアンモニア、e-メタノール、SAF、リチウム固体電解質の4事業を重点事業に選定、すでに具体的な取り組みに着手しています。
なお、新規プロジェクトに係る投資は、プロジェクト前後でScope1、2、3排出量、ならびに他者の削減貢献量の変化を確認のうえ、内部炭素価格(インターナルカーボンプライシング、100$/t-CO2)を用いて感度分析を実施し、投資案件評価の際の参考としています。
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CNX:カーボンニュートラルトランスフォーメーション
当社トランジション戦略の外部評価
当社のトランジション戦略は、経済産業省が主導する、クライメート・トランジション・ファイナンスのモデル事例として採択されています。
リスク管理
指標と目標
指標設定の考え方
中期経営計画(2026‐2030年度)においては、国際的な脱炭素の取り組みの進展速度に不確実性が存在しているとの認識から、目標を一部見直しました。
カーボンニュートラル社会の実現に向けては、事業遂行に伴う自社の直接・間接排出量(Scope1+2)の削減と、新たな製品・サービスの提供を通じた他者排出量削減への貢献(Scope3削減、削減貢献量創出)の両面からの取り組みが必要と考えています。この考えの下、当社は2つの指標を設定して、関連活動の進捗をモニタリングしています。
指標の目標値と進捗
各指標に関する目標値(目指すレベル)と2025年度実績値は、以下に記載の通りです。
CO₂排出量(Scope1+2)
・2030年:30~46%削減(2013年比)
・2050年:カーボンニュートラル
・2025年実績:19.2%減(2013年比)
Carbon Intensity
・2040年:20~50%削減(2020年比)
・2025年実績:0.5%減(2020年比)
取り組み
バリューチェーン全体でのCO₂排出量の削減
CNXセンター化構想
当社が掲げるCNXセンター化構想とは、化石由来のエネルギー製造拠点として長年操業してきた製油所・事業所の特徴・強みを活かしながら、新たにCN燃料・製品の供給拠点として生まれ変わらせることです。その際、各拠点が所在するコンビナートの特色や需要に応じた新たなサプライチェーンを構築し、コンビナート全体でのCN化に貢献します。
●CNXセンター化構想イメージ
徳山事業所・周南地区におけるアンモニアサプライチェーン構築
東ソー(株)、(株)トクヤマ、日本ゼオン(株)とともに、2030年までに周南コンビナートにおける年間100万t超のカーボンフリー燃料アンモニアの供給体制を確立することを目的とした共同検討を開始しております。
また、2024年2月、(株)IHIおよび(株)IHIプラントの協力を得て、徳山事業所内のエチレン装置ナフサ分解炉などにアンモニア燃焼設備を設置し、国内初となるアンモニア混焼実証を行い、十分な燃焼性および操業安定性を確認しました。
今後も本設備を活用して、アンモニア燃料の実用化に向けたデータやノウハウを蓄積するとともに、クリーンアンモニアの製造・調達から供給までのサプライチェーン構築を目指し、様々なステークホルダーの皆さまと協同して検討を進めてまいります。
千葉事業所におけるATJプロセス技術によるSAF製造
当社は、世界初の10万kL級ATJ実証設備の開発に取り組み、2025年度に千葉事業所内にATJ技術によるSAF製造装置を建設し、2026年度から供給を開始します。原料となるバイオエタノールについては国内外からの調達の多角化を進めて国内初の大規模サプライチェーンを構築し、SAFの早期社会実装を目指します。2030年には年間50万kLの生産体制を構築します。
省エネルギー・消費電力ゼロエミッション化の推進
重油直接脱硫装置の効率化改造工事の実施
2020年5月に千葉事業所において、重油直接脱硫装置(RH装置)の効率化改造工事を実施しました。この工事はIMO(国際海事機関)が定める船舶用燃料の低硫黄分規制へ対応を図るものです。
旧型ナフサ分解炉を高効率ナフサ分解炉へ置き換え(徳山事業所)
徳山事業所では2021年に高効率ナフサ分解炉を新設しました。この分解炉は、原料であるナフサを短時間で熱分解することでエチレンの得率を高め、熱効率を向上させます。
従来型分解炉と比べて約30%の省エネルギーを実現し、年間約16,000tのCO₂削減に貢献しています。
ナフサは粗製ガソリンとも呼ばれる石油製品の一つで、分解炉で熱分解されることで、エチレンやプロピレンなどの石油化学製品の基礎原料となります。
生産されたエチレンやプロピレンは、主に周南コンビナート(山口県周南市)に供給されます。
本分解炉の導入に伴い、旧型ナフサ分解炉2基を停止し、高効率分解炉1基に置き換えることで、環境負荷の低減を図っています。
再生可能エネルギー由来電力の利用拡大
2020年度から国内の油槽所17拠点他にて、当社のCO₂フリー電力(契約電力3,732kW)を使用しています。
海上油田への再エネ電力供給
当社持分法適用会社の株式会社INPEXノルウェーはノルウェー現地法人INPEX Idemitsu Norgeを通じ、権益を有するスノーレ油田において、浮体式洋上風力発電導入の開発計画をノルウェー政府に提出し、同政府から承認を得ました。2023年5月には、スノーレ油田へ浮体式洋上風力発電による送電を開始しました。当開発計画は、ノルウェー西部ベルゲン市の沖合約200kmの位置に、定格8千kWの浮体式洋上風力発電設備11基(計88千kW)からなる洋上ウィンドファーム(名称:Hywind Tampen floating wind farm)を建設し、石油ガス生産設備へ直接接続するというもので、世界初の試みです。当社は今後も、先進的な技術を積極的に取り入れ、資源事業における環境負荷低減を推進していきます。
環境配慮型製品・サービスの供給
ボイラ制御最適化システム「ULTY-V plus AT」は、発電所や工場で使用されている石炭、重油、バイオマス等を燃料とする既存のボイラに接続するだけで機能します。
AI(人工知能)を活用して学習し、一連の制御「計測」、「分析」、「判断」を自己完結型で行うことによりボイラ効率を向上します。これにより、燃料使用量の削減とCO₂排出量の削減を実現します。
当社、郵船商事株式会社、日本郵船株式会社の出資会社である郵船出光グリーンソリューションズ株式会社が販売しています。
日本以外にも台湾・インドネシアなど東南アジアへ販売を行っています。
| 仕組み |
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| 販売先 |
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再生可能エネルギー発電の拡大
徳山バイオマス発電事業の取り組み
当社グループは、再生可能エネルギー活用によるCO2削減やエネルギーの地産地消に資する取り組みとして、バイオマス発電事業に取り組んでいます。現在までに、高知県の土佐グリーンパワー(株)、福井県の(株)福井グリーンパワーへの出資や、製油所跡地を活用した京浜バイオマス発電所を展開してきました。
2023年1月には、グループ4カ所目となる徳山バイオマス発電所の営業運転を開始しました。当発電所は、2014年に閉鎖した徳山製油所(現:徳山事業所)の跡地の一部と既存のインフラを活用しています。日本の国土面積(3,780万ha)の約7割は森林であり、そこで未使用のまま放置されている間伐材などの活用が長年の課題となっています。当社は、当面の間は、輸入木質ペレットとパーム椰子殻(PKS)を使用※しますが、中長期的には国産の間伐材や製材端材などを使用することで、環境保全に配慮した持続可能な森林づくりと林業振興、国内森林資源の循環利用に貢献します。
また当社は、山口県周南市が2021年1月に発足した、木質バイオマス材利活用推進協議会に発足当時から参画しています。豊富な森林資源とバイオマス発電設備を併せ持つ地域の特性を生かし、自治体と一体となって国産の木質バイオマス材利活用を推進し、エネルギーの地産地消と林業振興を通じて、循環型経済の構築と発展に貢献していきます。
※木質ペレット、PKS共に、供給元にて第三者認証を取得し、生産・製造などの工程における持続可能性やトレーサビリティが担保され、地球環境や生物多様性、労働環境などに配慮していることが認められた材料を使用。
●森林資源の循環利用イメージ(林野庁 令和3年度森林・林業白書の掲載図を基に当社で作成)
秋田県湯沢市における地熱発電所の建設
地熱事業拡大の一環として、当社は、(株)INPEX、東京電力リニューアブルパワー(株)と共同で秋田県湯沢市における地熱発電所(名称:かたつむり山発電所、出力:1.5万kW)設置計画について建設段階への移行を決定しました。発電所は、蝸牛山(かたつむりやま)に建設し、運営は3社が出資する小安地熱(株)が行い、2027年の運転開始を目指しています。2021年に実施した噴出試験(生産能力評価のための実証試験)の結果、約1.5万kWの出力に相当する地熱流体(蒸気と熱水)の安定した生産が長期的に可能となる見込みであり、発電した電気は再生可能エネルギーのFIT(固定価格買取)制度活用等を検討します。また、かたつむり山発電所は、環境や景観にも配慮した設計を行うことで地域に貢献する発電所の建設・運営にも取り組んでいきます。地熱発電は、太陽光発電などの再生可能エネルギーとは異なり、天候に左右されずに安定的な電力供給が可能なエネルギーとして近年益々期待が高まっています。当社は今後も積極的に再生可能エネルギーの普及・拡大を推進し、日本のエネルギー・セキュリティと低炭素社会の実現へ貢献していきたいと考えています。
マッセルブルック石炭鉱山跡地における揚水型水力発電の事業化検証
当社はオーストラリアにおける事業基盤を活用し、採掘跡地を様々な再生可能エネルギーの拠点として活用する検討を進めています。2022年に終掘する、オーストラリアのマッセルブルック石炭鉱山の採掘跡地を利用した揚水発電プロジェクトの事業化検証を同国の電力会社AGLエナジー社と共同で開始しました。オーストラリアは風況・日照など気候条件が良好で国土が広く、再生可能エネルギーの可能性に富むことからオーストラリア政府も脱炭素化に向けたエネルギー転換を推進しています。特に揚水発電によるエネルギー貯蔵は電力系統安定化に寄与し、再生可能エネルギーへのトランジションに必要不可欠な調整役となることが期待されています。今後もオーストラリアのエネルギー転換に積極的に対応していくとともに、低炭素・脱炭素事業の創出に取り組んでいきます。
バイオマス燃料の供給拡大
出光グリーンエナジーペレット
革新的技術の開発・社会実装
北海道苫小牧エリアにおけるCCUS実施に向けた共同検討
当社、北海道電力(株)、石油資源開発(株)の3社は、北海道・苫小牧エリアにおいて、3社の事業拠点や強みを活かしたCCUS(Carbon dioxideCapture, Utilization, and Storage:CO2の回収・有効活用・貯留)の実現に向けた共同検討を開始しました。苫小牧エリアの複数の地点をつなぐCCUS事業を2030年度までに立ち上げることを視野に、CO2排出地点とCO2回収設備、CO2輸送パイプラインに係る技術検討、CO2貯留地点の適地調査などを中心に、具体的な調査・検討を進めます。また、CO2を貯留するだけでなく、資源として活用し合成燃料製造にも挑戦していきます。
削減貢献量の創出
カーボンニュートラル の実現には、事業遂行に伴う自社の直接的な排出量の削減だけでなく、新たな製品やサービスの提供を通じて、社会全体の排出量削減に貢献する「削減貢献量」(Avoided Emissions)※1の創出が必要であると考えています。削減貢献量の見える化のため、国内外で発行されているガイドライン※2を参考にしたCO₂削減貢献量の算定を開始しました。
2024年度は、再生可能エネルギー、ボイラ制御最適化システム(ULTY-V plus AT)のCO₂削減貢献量を算定しました。
当社は、引き続き算定対象の拡大に取り組むとともに、削減貢献量の創出により社会の脱炭素化に貢献していきます。
●2024年度 CO₂削減貢献量実績
算定方法:ストックベース(単年)
再生可能エネルギーの削減貢献量については、2024年度の稼働実績に基づき、単年度分の排出量を算定しています。
| 評価対象 | 削減貢献量 (千t-CO₂) |
算出式※3 |
|---|---|---|
| 太陽光発電 | 134 | 発電量実績(kWh)×(各国またはエリアの電力のCO₂排出係数 (t-CO₂/kWh)ー再生可能エネルギーのCO₂排出係数(t-CO₂/kWh))×当社持分比率(%) |
| 風力発電 | 19 | |
| 地熱発電 | 14 | |
| バイオマス発電 | 173 | (発電量実績(kWh)×日本平均の排出係数(t-CO₂/kWh)-燃料種ごとの年間投入量実績(MJ)×燃料種別のGHG排出係数(t-CO₂/MJ))×当社持分比率(%) |
算定方法:フローベース(製品ライフタイム)
ボイラ制御最適化システムULTY-V plus ATの削減貢献量については、2024年度に販売した製品について、耐用年数を乗じることにより製品ライフタイムでの削減貢献量を算出しています。
| 評価対象 | CO₂削減貢献量 (千t-CO₂) |
算出式※3 |
|---|---|---|
| ボイラ制御最適化システム ULTY-Vplus AT |
1,207 | 販売先のULTY-V plus AT導入前のボイラ燃料消費量(t/年)×ULTY-V plus AT導入による燃料削減率×燃料の単位発熱量(GJ/t)×燃料燃焼時の排出係数(t-CO₂/GJ)×耐用年数(年)×当社持分比率(%) |
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CO₂削減に資する製品・サービス等が提供されることによる、従来の製品・サービス等が提供される場合と比較したCO₂排出削減への貢献分を定量化したもの
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参考とした主なガイドライン:経済産業省「温室効果ガス削減貢献量定量化ガイドライン」、日本LCA学会「温室効果ガス排出削減貢献量算定ガイドライン」、GXリーグ「気候関連の機会における開示・評価の基本指針」、WBCSD「Guidance on Avoided Emissions」
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各国の平均電力排出係数はIEA(2019)を、その他の排出係数は環境省の資料などの文献値を参照