多様な社員の活躍推進
考え方
女性活躍の考え方
出光興産は「人が中心の経営」を実践し、多様な社員が力を結集して活き活きと働き、成長できる環境づくりを基盤としています。すべての社員に公平・公正な成長機会を提供し、挑戦を後押しするとともに、成果や成長に応じた適正な評価を行い、一人ひとりが活躍できる企業を実現します。
戦略
女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画
当社は、DE&I推進の重要施策の一つとして女性活躍を位置づけ、以下のとおり行動計画を策定しています。女性社員一人ひとりの状況に応じた体系的な施策を展開し、女性役職者の着実な増加に結び付く実効性の高い取り組みを推進するとともに、社外に向けては当社で活躍する女性社員の姿を具体的にイメージできるよう情報発信を強化し、女性活躍の認知度向上を図っています。
| 計画期間 |
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|---|---|
| 目標と取り組み内容、実施時期 |
【目標1:管理職の女性比率を5%※とする(※2026年7月1日時点)】 <目標達成のための取り組み> 取り組み1:役職女性の育成計画作成およびモニタリング(2023年4月~) 取り組み2:社内外メンター制度の拡充による育成・成長機会の確保(2023年4月~) 取り組み3:社員同士の情報交換・ネットワーク形成支援(2023年4月~) ・女性同士のネットワーク 【目標2:学卒以上採用者の女性比率を50%とする】 <目標達成のための取り組み> 取り組み1:採用広報活動の推進(2023年4月~) 取り組み2:理系学部を中心とした大学との連携強化(2023年4月~) 取り組み3:キャリア採用の戦略的活用(2023年4月~) (2)職業生活と家庭生活との両立に資する雇用環境の整備 【目標:有給休暇取得率を85%以上とする】 <目標達成のための取り組み> 取り組み:有給休暇取得促進に向けた取り組み強化(2023年4月~) ・有給休暇奨励日の設定および情報発信 ・有給休暇消化率の見える化 ・勤務管理の徹底 |
指標と目標
女性活躍の数値目標
| 実績 | 目標 | |||
|---|---|---|---|---|
| 2022年度 | 2023年度 | 2024年度 | ||
| 女性採用比率※ | 39.5% | 47.3% | 38.7% | 50%以上(2026年4月) |
| 女性役職者比率 | 2.7% | 3.6% | 4.6% | 5%以上(2026年7月) |
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新卒+キャリア採用(どちらも学卒以上)
取り組み
女性活躍の取り組み
・女性の健康セミナー:外部専門家を招き、女性特有の健康課題(月経や更年期など)、上司や同僚への正しい理解・コミュニケーション促進に繋がるよう職場風土醸成も重点テーマとして実施。当社全従業員およびグループ会社社員を対象に、2024年度は年2回実施。
・従業員向けの多様性に関する理解促進研修(年代別研修など)
・役職者向け研修(新任役職者向け研修でのDE&I理解など)
・女性社員のキャリア支援を目的としたメンタリング:クロスメンタリング(他社とのメンター・メンティーの組み合わせ)、社外メンタリング(社外の女性役職者がメンター)、社内メンタリング(社内の役員・部室長がメンター)
・外部コーチ伴走型のコーチング
・女性リーダー育成を目的とした外部研修
出光興産×帝人×東京海上日動×リコーの4社によるクロスメンタリング
クロスメンタリングは、メンター(支援者、助言者)とメンティ(支援・助言を受ける立場)が他企業同士となるメンタリングです。経営幹部がメンター、女性役職者がメンティとなってメンタリングを行い、女性役職者の自律的キャリア形成と、多様な人財が企業を超えて学び、 育て合うことによる、ジェンダーギャップ解消の加速を目的としています。
本取り組みは2023年度より実施しており、2025年度は当社と帝人(株)、東京海上日動火災保険(株)、(株)リコー4社で実施しています。各社からメンター、メンティ各7名ずつ、計56名が参加し、28組のペアとなり集合研修やメンタリングを実施します。
製造現場における女性活躍推進の取り組み
2023年度より、当社事業所および精製グループ会社で働く女性技術者の活躍推進を目的に女性キャリアフォーラムを実施しています。2023年度には徳山事業所、2024年度には東亜石油(株)にて開催し、それぞれ50名程度の女性技術者および女性部下をもつ上司が参加しました。本取り組みでは、意見交換を通じて、仕事やキャリアへのモチベーションアップやネットワークづくりにつなげています。
シニア世代の活躍推進
当社は、社員が年齢にかかわらず活躍することを目的に、2021年度より60~65歳の退職年齢選択制度を導入しました。60歳以上のシニア世代の社員は59歳以下の社員と同様の等級・評価・報酬体系で活躍しています。シニア世代の経験・知見を活かした後輩の育成、知識・技術の伝承と、「マインドセット」のアップデートや「リスキル」を通じた、新たな活躍の場へのチャレンジを後押ししています。
| 退職年齢 | 60-65歳までの退職年齢選択制度※(自身で年齢選択) |
|---|---|
| 就業条件 | 60歳未満と同様の制度 |
| 等級 | |
| 評価 | |
| 報酬 | |
| 福利厚生 | |
| 退職金 | 退職金60歳以降の積み増しなし |
キャリア採用者(経験者採用者)の活躍推進
当社はキャリア採用者を「即戦力」として位置付けており、2024年度は91名を採用しました。採用区分による登用目標などは設定していませんが、多様な人財に能力を発揮していただくために、国籍、入社区分などに関係無く、公平な目で能力・成果を評価し、役職への登用を行っています。
LGBTQ+に関する取り組み
当社は、「人権基本方針」および「DE&I方針」に基づき、LGBTQ+に関するあらゆる差別を認めず、性的指向や性自認における多様性を理解し、互いの個性を尊重し、高め合い、チームの力を最大限に発揮できる職場環境づくりに取り組んでいます。
2023年度から導入した同性パートナー婚制度の運用や、従業員へのeラーニングによる周知に加え、2024年度には有志による会社公認のネットワーク活動「出光アライコミュニティ」を立ち上げ、“すべての人が、ありのままの自分で、自分らしく輝ける場所を創る”ことをビジョンに、従業員が主体となって活動しています。
これらの取り組みが評価され、LGBTQ+に関する取り組みの評価指標である「PRIDE指標2025」において、最高ランクである「ゴールド」に3年連続で認定されました。

障がい者の活躍推進
当社は、障がいの有無にかかわらず能力を発揮して働くことのできる環境を整え、活躍する機会を提供する取り組みを行っています。
本社各部室や全国の各拠点で、個別に障がい者が働ける環境を整え受け入れると同時に、本社、千葉事業所、次世代技術研究所、徳山事業所では、特例子会社の仕組みによらない「チーム就労」型の障がい者雇用も展開しています。
「チーム就労」型とは、社内各部室からの業務を請け負い、全社の生産性向上にチームとして寄与する働き方です。特例子会社制度※に依らず、日々の業務でのふれ合いを通じてDE&Iを具現化することを目指しています。
なお、2024年7月より人事部障がい者就労推進グループを新設し、障がい者のさらなる活躍推進に取り組んでいます。
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事業主が障がい者に配慮した子会社を設立、雇用し、かつ一定の要件を満たす場合、特例としてその子会社に雇用されている労働者を親会社に雇用されているものとみなして、実雇用率を算定できる制度(特例子会社制度)
外国籍の従業員包摂の取り組み
世界の約20ケ国にわたるグループの海外拠点に勤務する従業員との一体感醸成を目的に、短期来日研修など、相互理解促進のための活動を行っています。
評価
なでしこ銘柄への選定
当社は、女性活躍推進に優れた企業として、経済産業省と東京証券取引所が共同で選定する令和6年度「なでしこ銘柄」に選定されました。当社が選定されるのは3年連続となります。
経営層が製造部門の女性比率向上に向けて責任を持って取り組むなど、女性起用にも意欲的である点や、女性管理職を対象とした他社との「クロスメンタリング」を実施している点などが評価されました。
えるぼし認定の取得
当社は、女性活躍の取り組みが優れた企業を厚生労働大臣が認定する制度「えるぼし」認定(2段階目)を、2024年に初めて取得しました。女性の管理職比率や採用比率等において、認定基準基準を満たし、今回の取得に至りました。