変革ストーリー ~現場から未来を変える挑戦者たち~
「変革」の実現に挑む、出光グループの挑戦者たちをご紹介します。
2030年・2050年ビジョン
当社は、今必要とされるエネルギーと素材を安定して届ける使命を果たしながら、カーボンニュートラル・循環型社会への貢献を目指し、新しいエネルギーや素材、ソリューションの社会実装に挑んでいます。
2030年には「責任ある変革者」として、そして2050年には「変革をカタチに」する存在として、未来への歩みを進めています。
担当者コメント
セグメント(燃料油)
燃料油セグメントは、経済活動に欠かせないエネルギーの安定供給を使命とし、精製・製造拠点の競争力強化や海外事業拡大、国内販売戦略を推進しています。全国約6,000カ所のサービスステーションでは「スマートよろずや」への進化とDrive Onの拡大を通じ、地域ニーズに応じた多様なサービスを展開。その一環として、給油を行わないモビリティサービス専門店「apolloONE」では、地域に寄り添った唯一無二の店舗づくりに挑戦しています。
販売部 YOROZU推進課
S.Takano
(2025年6月時点)
地域ニーズに合わせた「apolloONE」展開への挑戦
SSをご利用のお客様と親和性の高いサービスとして、給油をしないモビリティサービス専門店「apolloONE」を展開しています。車検、コーティング、中古車販売、レンタカー、シェアリングサービスなど各地域のニーズに沿った店舗で、2030年には250店舗の展開が目標です。出店場所で最も適したサービス、特約販売店や現場スタッフの意向、実際の現場の状況という様々な「人」と「情報」を踏まえた提案が必要で、唯一無二の店舗づくりに非常にやりがいを感じています。
各地域に住む人・暮らし方、特約販売店の経営ビジョン、スタッフの想いなどの多様なニーズにお応えすべく、「apolloONE」のさらなる進化に取り組んでいきます。
セグメント(高機能材:潤滑油)
高機能材セグメントは、燃料油や基礎化学品といった基盤事業に加え、安定した収益基盤を持つ潤滑油事業と、成長期待の高い素材を有する事業をグローバルに展開しています。創業以来110年以上にわたり培ってきた分子・材料設計、有機合成、評価・解析の技術は、ものづくりの現場を支える潤滑油製品にも息づいています。潤滑油事業では「The Heart of Technology」を掲げ、お客様が安心して生産に集中できる環境を潤滑油を通してサポートするとともに、販売と開発が一体となり、現場の声を取り入れた製品づくりに挑戦しています。
出光ルブアジアパシフィック
T.Okano(左)
潤滑油二部
セールス&マーケティング課
R.Shinozaki(右)
(2025年6月時点)
販売と開発の強固な連携×お客様に寄り添った潤滑油の製品開発
昨今、多くの企業でカーボンニュートラルの意識が高まっており、実際に生産現場で働く方々の声を反映させながらカーボンニュートラルにも貢献できる製品を作りたいという想いから、ダフニーアルファクールNVシリーズを開発しました。
本製品の開発において、実際に利用するお客様や販売に携わる特約販売店の皆さまの声から、課題を徹底調査し、使用量削減と環境・生産性向上を両立できる処方を、お客様との試作検証を重ねて実現させました。発売を開始して以降、作業環境の改善や使用量の削減につながったという多くの好評をいただいています。このように現場の生の声を活かして課題を解決したことが、“超”モノづくり部品大賞(主催:モノづくり日本会議、日刊工業新聞社)の受賞につながったと考えています。
出光潤滑油(中国)有限公司
Q.Fang(左)
D.Takekawa(右)
(2025年6月時点)
世界No.1のEV市場におけるe-Axle専用オイルの開発
我々ILCは研究開発、製造、販売の機能を有した製販一体の拠点です。中国全土のマーケットを管轄していますが、中でもEV分野が主戦場となっています。
中国のEV市場は急激に成長しており、その規模は今や世界No.1です。当社はEVの駆動ユニットであるe-Axle専用オイルをいち早く開発し、競争が激化する中国において高いシェアを誇っています。e-Axle専用オイルはユニットの様々な部品に適合する必要があり、多くの試行錯誤を繰り返しながらお客様とともに開発を進めました。その結果、中国の大手自動車メーカーに採用され、中国発の製品が中国のみならずグローバル市場にも展開しつつあります。
私たちは今後も先進的な研究開発と安定的な製造・供給を両立させ、総合潤滑油メーカーとして価値提供に努めていきます。
セグメント(電力・再生可能エネルギー)
電力・再生可能エネルギーセグメントは、火力やバイオマス、風力、太陽光など多様な電源を保有し、安定した供給と再生可能エネルギーの普及を推進しています。全国の販売ネットワークと発電事業の強みを活かし、価格の安定性や環境性に優れた電力を提供。一般家庭向けブランド「idemitsuでんき」では、カーユーザー向けの特典や再生可能エネルギーオプションなど、環境と経済性を両立する多彩なプランを展開し、お客様と地球環境に新たな価値を届けています。
電力・再生可能エネルギー事業部
販売企画課
S.Hata(左)
E.Fujii(中)
S.Kuroda(右)
(2025年6月時点)
「idemitsuでんき」を通じてお客様、地球環境へ新たな価値を提供
「idemitsuでんき」は、一般的な家庭向けのほか、オール電化の家庭向けのプランがあります。当社ならではの特徴として、ガソリン2円引きまたはEV向けの電気料金値引きを選択できる「クルマ特割」や、節電やEV充電でポイントが貯まるプログラムのほか、再生可能エネルギーの電力を選べるオプションもご用意しています。さらにご家庭で余った太陽光発電を買い取るサービス※も用意しています。多様な電源をバランスよく組み合わせて環境性と経済性の両立を目指すとともに、当社グル-プのシナジーを最大限に活用して、カーユーザーのお客様を中心に魅力ある電気料金プラン・サービスを提供しています。また、お客様へのサービス提供を通じ、再生可能エネルギーの活用や普及にも取り組んでいます。
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固定価格買い取り制度が終了した太陽光発電が対象
イノベーション(研究開発)
イノベーション(研究開発)分野では、1957年の工業化研究開始以来培ってきた材料開発からプロセスエンジニアリングまでの技術力を基盤に、次世代電池材料や革新的な半導体の開発など、新たな事業創出に挑戦しています。2025年のイノベーションセンター発足を起点に、2027年の統合研究所設立を見据え、社内外共創とマネジメントを強化し、研究開発から社会実装までを一貫して推進しています。
さらに、MIや量子コンピュータなどの最先端技術を活用し、材料開発を加速させる取り組みを進めています。
次世代技術研究所 解析技術センター 第一解析技術室
A.Hamano
(2025年6月時点)
MI・DX 最先端技術で挑む材料開発の加速
イノベーションセンターが中心となり、リスキリングによる育成を行ってきたことで、材料に精通した各部門の研究者自らがMIを実装し、活用できることが当社のR&Dにおける大きな強みとなっていると感じます。
私はイノベーションセンターの一員として、MIに続く技術として期待されている量子コンピュータをはじめとした最先端技術にいち早く触れ、各部門においてどう活かすかを探求しています。材料の理解に加えて各課題に適した技術にするべく、時に独自開発が求められ、入社4年目でさらなるスキル向上を目指して北米コンサルティング企業にて3週間の研修に参加しました。現地エンジニアや研究者とも協働し、生成AIを用いて所望の物性を持つ合成可能な分子を生成する技術を確立しました。未踏の領域で苦労も多いですが、材料開発を加速するため挑戦を続けています。
イノベーション(知的財産)
イノベーション(知的財産)分野では、特許や技術情報を戦略的に活用し、事業の成長や新規分野への展開を支えています。事業企画段階から技術や市場を分析し、その成果を事業部門や研究者に提供することで、強みの強化と方向性の検討を後押ししています。さらに、知財を経営に活かせる人財の育成にも注力し、社内教育や副業制度を通じて全従業員の知財リテラシー向上に取り組んでいます。
ベトナム事業室 総務経理課
C.Kamada
(2025年6月時点)
社内副業制度を通じ、知財活用による企業価値向上の可能性を再認識
過去に当社が恩賜発明賞を受賞したこと、昨今メディアで知的財産が話題になっていることから自社の知的財産について理解を深めたく副業制度に応募しました。参加前は、燃料油事業が売り上げのほとんどを占める当社において知財の戦略的活用は難しいと考えていましたが、他社との事例比較を行うことで、当社が他社に遜色ない知財の戦略的活用をしていることを認識しました。加えて、燃料油という基盤事業を持つ当社には、他事業の技術開発を安定して育てる土壌があり、その中で組み立てる知財戦略は将来的な企業価値向上につながると感じました。こうした社内副業の機会を通して知財の活用方法を学んだ仲間が社内に増えていくことで、投融資判断などの事業経営で知財活用が進み、さらなる価値創出ができると思います。
DX
「変革をカタチに」を合言葉に、データ活用とデジタル技術による生産性向上とビジネスモデルの変革に取り組んでいます。データ基盤の整備とデジタル人財育成を土台に、業務効率化から新たな価値創出までを3ステップで推進しています。AIや数理最適化などの先進技術を現場の知見と融合させることで、業務プロセス改革やコスト削減を実現しています。
原油・海外事業部 外航課
S.Hara(左)
H.Oguri(右)
(2025年6月時点)
業務プロセス改革事例:原油外航船の配船計画立案に数理最適化システムを導入
当社は、海外からの原油輸送に用いる外航船の配船計画立案業務に、数理最適化を組み入れた新たなシステムを導入しました。これまでは、熟練した担当者が複雑な制約条件を満たすよう膨大な時間をかけて計画を立案していましたが、本システムの導入により、輸送コストを最小化する配船案を短時間で作成することが可能となりました。
実証試験では、作業時間を最大40%削減でき、年間で数億円規模のコスト削減を見込んでいます。特に、担当者の経験および知見を丁寧にモデル化してアルゴリズムに落とし込む過程は、現場とデジタルの協働による「変革への挑戦」となりました。
今後もさらなる機能強化を通じて、石油製品の安定供給と物流の効率化の両立を目指していきます。
サステナビリティ(生物多様性)
生物多様性保全活動は、1957年の徳山製油所建設時に始めた緑化への取り組みから受け継いでいます。創業者の「産業と自然の融和」への思いは、全国の製油所や事業所に引き継がれ、現在も緑地保全を続けています。北海道製油所や愛知事業所はSEGES最高位認定や自然共生サイト登録を受けるなど高い評価を得ています。地域の自然と共生するため、各地で行政や団体と連携し、生態系保全と交流の場づくりを進めています。
北海道製油所 総務課
T.Matsushima
(2025年6月時点)
自生地の保全と交流の場づくりで、地域との価値共創を実現
北海道製油所は厳しい自然環境下で構内緑化の思いをつなぎ、操業50年超の今ではとても豊かな緑地に成長しました。多様な動植物の営みは所員の憩いとなるとともに地域貢献活動の素晴らしい舞台となり、親子向け環境教室「出光生きもの調査隊」や八重桜並木の一般公開で毎年たくさんの市民の皆さまにお楽しみいただいています。左の写真は満開の桜並木で撮りました。
地域特性を活かした活動では「ハスカップバンク」への参画があります。ハスカップは当所所在地の苫小牧市東部が国内最大の原生地で独特の風味が特徴の果実ですが、近年自生地が大変少なくなっており、ハスカップバンクでは行政と民間が一体となって自生種の保護・育成や文化継承の活動をしています。当所は構内に自生種ハスカップ園を持っていたことでご縁をいただき、剪定講習や収穫体験の場の提供で協力しています。地域とともに活動し生の声を聴くことは大きな励みとやりがいにつながっています。
サステナビリティ(循環型社会)
大量生産・大量消費・大量廃棄の社会を変革し、天然資源の消費を抑制して環境負荷を可能な限り低減する循環型社会の実現を目指しています。化学物質のリスク評価に基づく有害物質の排除や代替、汚染予防の自主的な取り組み、廃棄物削減と資源の有効利用を進めています。再生可能資源の活用と資源循環への挑戦を通じて、持続可能な社会づくりに貢献しています。
ケミカルリサイクル・ジャパン(株)
T.Kusama
(2025年6月時点)
油化ケミカルリサイクル事業の立ち上げと拡大に向けて
私は、事業環境の調査・分析および渉外業務を担当しています。資源循環分野を取り巻く事業環境は日々変化しており、その動向を素早く把握し事業計画へ反映することや、官・学の方々との折衝・関係構築が主な業務となります。
地球環境に貢献する油化ケミカルリサイクル(油化CR)事業を立ち上げ、拡大していくために、仲間とともに知恵を絞り、実行していく瞬間が何よりも私の原動力となっています。世界においても資源循環への取り組みは黎明期であり、不確実な要素が多くあります。こうした環境下で、資源循環社会の実現に向けて事業のあるべき姿を描き、法規制や制度を紐解いて働きかけを行うことで、油化CR事業の拡大を推進していきます。