現在の
仕事内容について

研究所や製造、販売部門が抱える
困りごとを解決。

解析技術センターは、次世代技術研究所や機能材料研究所などの研究所をはじめとして、出光グループの製造、販売現場が抱える技術課題に対し、分析・解析技術の側面からの解決に取り組んでいます。不具合を起こした製品の原因究明や、製品改良のアプローチを考えるための分析データを提供することで、様々な困りごとの解決に貢献することが解析技術センターのミッションです。
私の主担当技術は、材料中の複数成分を分離することで組成を明らかにする分離分析と、分子をイオン化して測定することで分子構造を解析する質量分析であり、樹脂の構造解析や添加剤などの組成分析などを担当しています。また新規樹脂材料の開発に分析メンバーとして参画しており、樹脂に含まれる成分の構造解析や定量を行うことで、材料の機能発現メカニズムの解明に貢献しています。課題解決のために、日々、材料の開発担当者とデータをもとにしたディスカッションを行い、時には社外の学会などで世の中の技術トレンドの調査も行います。出光グループは多種多様な材料を取り扱っているため、分析を通して様々な知見が得られます。ある材料の分析・解析で得られた知見が、新材料開発に役立つことも多々あり、発見とやりがいに満ちた仕事です。

私の
挑戦と失敗

開発者が分析・解析に求めるものを
常に意識し続けることが重要。

入社4年目に、潤滑油の性能発現メカニズム解明に向けた解析を手がけたことがありました。自身が専門とする分析技術を駆使して、時間をかけて解析し、発現メカニズムの詳細を解き明かすことができたのですが、開発担当者からは自分が思ったような反応がいただけませんでした。その時は「理解してもらえなくて悔しい」と思いましたが、今振り返ると独りよがりだったのでしょう。求められていたことはスピードと多方面からの分析アプローチでした。専門とする分析手法にこだわるあまり、材料や開発状況を理解した取り組みになっていない部分もあったと感じています。以来、その反省を活かし、材料の開発方法やテーマ状況を理解するために開発担当者と密にコミュニケーションをとり、幅広い解決策を提示するよう努めています。
現在は、研究所で新たに開発を始めた樹脂の分析技術開発や、課題解決に取り組んでいます。ラボレベルの検討から徐々にスケールアップするにつれて、製造面の課題や性能発現のメカニズム解明といった難題も増えてきています。だからこそ、私は開発担当者だけでなく、同じチームや部署のメンバーを交えて議論をし、「本当に課題解決に必要な分析は何か?」を考えて業務に取り組んでします。時には実際に材料が作られる場面に立ち合うことで、現場での課題や解決策のヒントを見出すようにも努めています。「開発担当者が分析に何を求めており、問題解決に分析の立場からどう貢献すべきなのか」を常に意識し続けることが解析技術者にとって、最も重要なことだと思います。

将来の目標・
キャリアビジョン

様々なハードルを乗り越えて
新製品の上市までを見届けたい。

現在担当している新規樹脂について、研究開発や製造の課題を分析という立場から解決して、少しでも早く上市することが目標です。商品開発は「千三つ」と呼ばれるように、新規開発品が世の中に送り出されるのは一握りで、ラボスケールから手がけた製品の上市を見届けられる機会はそう多くありません。新規樹脂が製品化されれば社会に大きなインパクトを与えられますが、上市までにはたくさんのハードルがあります。これらを乗り越えて、自分が携わった材料が社会で使われているところまで見届けたいです。
キャリアビジョンについてはまだ明確ではありませんが、今後も高機能材料の分析に携わっていきたいと考えています。分離分析、質量分析という自分の専門性をさらに磨き、第一線で活躍する技術者として成長していきたい。そのためにも知見を深め、今後は学会発表を通じた社外専門家とのディスカッションや技術交流などにも積極的に取り組むつもりです。

質問・回答 Q&A

Q 学生時代に学んだこと、注力したことは?

学生時代は有機合成を学びました。課題も多く、多忙な日々でしたが、貴重な学生時代だからこそ、やりたいことは全てやりきろうと、他大学のサークルでグラフィックデザインに打ち込んだり、夏休みにはアメリカへの短期留学に参加したり、充実した日々を過ごしました。

Q 出光の志望理由と入社の決め手は?

有機化学や合成の知識を活かして、有機EL材料の開発に携わりたいと思い、出光興産を志望しました。就職活動を進める中で、出光興産が石油に限らず多分野の研究開発をしていることを知り、また気さくに話をする社員の方々に触れて、自由な社風を感じたことも大きな理由です。

Q OFFの過ごし方は?

夫婦共働きで平日は忙しいので、休日は一緒に買物に出かけ、美味しい惣菜とちょっと高級なワインを買って帰り、ゆったり自宅でくつろぐことが一番の楽しみです。

同僚からの声

リーダーとして引っ張ってくれます。

先輩:M.S

MURAKAMIさんとは、2年間同じチームで仕事をしています。我々のミッションは分析目的に適合したデータと開発側の課題に対するソリューションを提供することですが、MURAKAMIさんは分析の対象とする材料が変わってもすぐにキャッチアップし、現在では組成分析のリーダーして我々を引っ張ってくれています。また、学会の委員や共同研究など社外との交流も活発にこなし、とても頼もしい存在です。
これからもみんなで協力して頑張っていきましょうね!よろしくお願いします。

1日のスケジュール例 SCHEDULE

07:45
出社
メールチェック・TODOリストの作成。
08:30
朝礼
室員、チームメンバーの業務確認。
09:00
実験
樹脂サンプルの前処理を実施。合間に前日の分析結果の解析。
12:00
昼食
事業所内の食堂でランチ。
13:00
資料作成
分析結果を関係者に報告するための資料を作成。
15:00
打合せ
開発テーマの打合せに参加。分析状況の進捗を報告。
17:00
退社
午前の分析結果を確認し、退社。