THEME & TALK
GLOBAL
REPORT
グローバルの現場を語る
当社グループは、60カ所以上の海外拠点を持ち、世界各地で事業を展開しています。3000人以上の海外従業員と協働しながら、事業規模・領域の拡大を目指しています。
ここでは、海外で事業に挑んでいる社員に登場してもらい、その土地ならではの課題や難しさ、やりがい、働き方などを語ってもらいました。
世界を舞台に挑戦をしたいという皆さん、ぜひ、ご覧ください。
※所属等掲載内容は取材当時のものを含みます。
Idemitsu Lube (Thailand) Co.,Ltd.
IDEMITSU LUBE(MALAYSIA)SDN.BHD.
IDEMITSU CHEMICALS EUROPE GMBH
Idemitsu Lube Europe GmbH
IDEMITSU ASIA PACIFIC PTE.LTD.
IDEMITSU CHEMICALS SOUTHEAST ASIA PTE LTD
IDEMITSU INTERNATIONAL(ASIA) PTE. LTD.
Idemitsu Americas Holdings
IDEMITSU APOLLO CORPORATION
Freedom Energy Holdings Pty Ltd
IDEMITSU Q8 PETROLEUM LLC
出光ベトナムガス開発株式会社
IDEMITSU ENGINEERING VIETNAM COMPANY LIMITED
Idemitsu Chemicals (M) Sdn. Bhd.
Petrochemicals (Malaysia) Sdn. Bhd.
Idemitsu SM (Malaysia) Sdn. Bhd.
Idemitsu Advanced Materials (Malaysia) Sdn. Bhd.
出光電子材料韓国株式会社
Idemitsu OLED Materials Europe AG
出光電子材料(上海)有限公司
出光電子材料(中国)有限公司
台灣出光石油化學股份有限公司
出光复合工程塑料(广州)有限公司
IDEMITSU CHEMICALS (HONG KONG) CO., LIMITED
IDEMITSU CHEMICALS U.S.A. CORPORATION
Plaloc Asia (Thailand) Co.,Ltd.
Apollo (Thailand) Co.,Ltd
出光复合材料(上海)有限公司
出光复合材料(香港)有限公司
IDEMITSU FINE COMPOSITES (THAILAND) CO.,LTD.
IDEMITSU FINE COMPOSITES (INDIA) PRIVATE LIMITED
台化出光石油化學股份有限公司
台塑出光特用化学品股份有限公司
Idemitsu Lubricants America Corporation
出光潤滑油(中国)有限公司
Idemitsu Lube Asia Pacific Pte. Ltd.
PT. Idemitsu Lube Techno Indonesia
PT. Idemitsu Lube Indonesia
Idemitsu Lube India Private Limited
Idemitsu Lube Middle East & Africa FZE
Idemitsu Lube South America Ltda.
Idemitsu Lubricants RUS, LLC
Idemitsu Lube Vietnam Co., Ltd.
Idemitsu Lubricants Mexico S.A. de C.V.
IDEMITSU LUBRICANTS PHILIPPINES INC.
恵州出光潤滑油有限公司
IDEMITSU LUBE PAKISTAN (PVT.) LTD
PT NTG INDONESIA
國宏股份有限公司
Idemitsu Petroleum Norge AS
Idemitsu Australia Pty Ltd
IDEMITSU COAL MARKETING AUSTRALIA PTY LTD
出光能源諮詢(北京)有限公司
Idemitsu Canada Resources Ltd.
PT. IDEMITSU ENERGY INDONESIA
Nghi Son Refinery and Petrochemical Limited Liability Company
-
NORWAYインペックス出光ノルゲ
(資源)
K.TAKAHARA -
SINGAPOREIdemitsu Asia Pacific
(デジタル・ICT推進)
K.TODOROKI -
KOREA電子材料韓国 CS部
R.MAEDA -
USAIdemitsu Apollo Corporation
(燃料油/需給)
B.YOSHIDA -
MALAYSIAIdemitsu SM Malaysia
(基礎化学品)
M.YAMAZAKI -
UAE原油海外事業部
中東事務所
T.TAKAHASHI -
AUSTRALIAIdemitsu Australia
(石炭・環境)
T.MUTOH -
MEXICOIdemitsu Lubricants Mexico
(高機能材/潤滑油)
S.KITA
ノルウェー
NORWAY
ノルウェー領北部北海油ガス田の探鉱・開発
インペックス出光ノルゲ
K.TAKAHARA
学生時代から地学を学び、地球を相手にできる石油開発に興味を持つ。出光を志望したのは、インターンシップがきっかけ。海外に生産油ガス田や探鉱プロジェクトを保有していること、そして社員との交流を通じて感じた、先輩後輩に関係なく議論ができる環境に惹かれて入社を決意。入社後は英国への赴任や資源部での業務を経て、入社12年目よりノルウェーに赴任している。
この拠点のミッションとご自身の仕事内容は?
ノルウェーにあるインペックス出光ノルゲで、ノルウェー領にある北部北海油ガス田の探鉱プロジェクトのチームリーダーをしています。現在私が担っているミッションは、ノルウェー政府からライセンスが付与された鉱区における発見済みの油ガス田や、未発見の有望構造に対する埋蔵量評価、探鉱リスク評価を行うというものです。こういったプロジェクトは複数の企業が共同で行うもので、幹事会社が中心となって運営します。そのため、探鉱や開発が最適な方向に進むよう、幹事会社の提案や評価を精査しながら自社からの評価も常に発信し、関係する全社が合意できるように進めることが重要です。私はチームリーダーとして、油ガス田評価に関わる専門家スタッフに業務を割り振り、それぞれの解析結果を取りまとめ一つの評価に仕上げて、幹事会社をはじめとする関係各社に発信しています。いろいろな立場や考えがあるからこそ、自分や自社の考えを丁寧に説明し、議論し合うことを常に心がけています。
海外ならではの苦労や日本との違いとは?
チームにはローカルスタッフが多数いるのですが、日本とは異なる文化や仕事の進め方、それぞれのメンバーの個性があるので、赴任当初は勝手が分からず苦労したこともありました。オンラインも駆使しながらスタッフそれぞれと面と向かって話をする時間を設け、仕事のことだけでなくプライベートな話もすることで、各個人の性格や考え方などを理解するよう試みました。結果として、メンバーそれぞれの特性に合わせて仕事の割り振りができたり、メンバーと深い技術的な議論をする機会を増やすことができるようになったと感じています。それによってチーム全体がうまく回り、解析結果や提案内容にも各専門家の意見がうまく取り込めるようになりました。
駐在を通して成長できたことと今後の展望は?
ノルウェーは石油開発の最先端を走る国の一つです。そのような国で、油ガス田の現場に近い拠点で自分たちの評価や提案がプロジェクトに反映されることは、大きなやりがいになっています。また、様々な国の出身者が関わる国際的な舞台で責任を伴う発言や提案をできることは、人生において貴重な経験になっていると感じています。ノルウェーは膨大な地下データがきちんと整備されていることもあり、より“地下の真実”に近づけることも、この拠点ならではの面白さですね。
昨今、世界的な脱炭素の流れによって油ガス田開発の意義が改めて問われています。今後は、原油からクリーンな天然ガスへのシフト、地熱の開発といった世界的なニーズや課題に対し、自分の経験を活かしていくことが目標です。特に、ノルウェーで得た国際基準のビジネス感覚やチームマネジメント経験を、次の資源事業の場に還元していきたいです。
シンガポール
SINGAPORE
アジア・オセアニア地域のIT担当
Idemitsu Asia Pacific
K.TODOROKI
学生時代は制御工学を専攻。東日本大震災を機に動力源をつくるエネルギー会社で働きたいという思いが芽生える。社員の情熱と社風が、言葉だけでなく実際に根付いている文化を感じて出光を志望。ITを通じて全事業、全従業員に携われるという思いから、情報システム部を志望した。本社での業務を経て、入社9年目よりIdemitsu Asia Pacific(IAP)へ。
この拠点のミッションとご自身の仕事内容は?
私が赴任しているIAPは、2018年に設立されたアジア・オセアニア地域のグループ会社に対し、財務、IT、人事などの専門分野サービスを提供している会社です。IAPには各専門分野のプロフェッショナルが集まっており、日々出光グループ全体のコーポレートガバナンスの向上と業務改善活動を推進しています。私はIT担当チームのマネージャーとして、地域内各社の業務システムやネットワーク環境の導入、改善を主に担当しています。出光興産のルールやツールを各社に展開しながら、統括会社としての目線で気づいたことを出光興産に連携し、すべての会社が業務に集中できる環境をつくることが私のミッションです。この業務には、これまでのキャリアの中で得た、現場担当者の声をきちんと聞き、全体を俯瞰しながら課題解決を図るスキルが役立っていると感じています。
海外ならではの苦労や日本との違いとは?
やはり最初はシンガポールの文化やルール、言語に慣れることに苦労しました。特に新型コロナウイルス感染拡大の渦中は、めまぐるしく変わる規制に対応することはとても大変でした。そのため、ローカルスタッフと密にコミュニケーションを取り、生活のために必要な情報を集めるようにしていました。この頃に、分からないことはその場で理解できるまで聞くという逞しさが身についたように思います。また、シンガポールは多民族国家であるため、異なる民族や宗教を尊重することがとても重要です。合理的な考えを持つ人が多いのも特徴で、自身のキャリアアップのために転職することが当然という文化もあります。そういった背景をきちんと理解しつつ、メンバーの成長に繋がるようなタスクを割り振り、サポートすることを心がけています。まだ試行錯誤していることも多いですが、メンバーの視座を高めつつ、私も一緒に成長できるよう奮闘している最中です。
駐在を通して成長できたことと今後の展望は?
IAPにはITに限らず各国の人事、財務、内部統制に関する相談が寄せられるため、常に新鮮で幅広い課題に触れることができます。小規模で運営されていることもあり、課題解決に向けたアプローチの方法は各担当に委ねられているため、思い立ったことをすぐに提案、実行できることもやりがいに繋がっています。出光が今後もグループとして成長を続けるためには、海外における事業拡大は必須です。IT環境の構築や維持管理は企業の成長を支える大きな柱の一つだと考えています。そのなかで私は世界の最新技術を常に調査し、グループ全体に適用することで職場環境を向上させていきたいと思っています。そのためにも、IAPで培った経験や人脈を生かしながら、グローバル規模で活躍できる人材として成長していくことが今後の目標です。
韓国
KOREA
有機EL材料の技術営業・顧客支援
電子材料韓国 CS部
R.MAEDA
小学生の頃、植物の光合成を勉強したことがきっかけとなりエネルギー問題に取り組む科学者を志す。大学院では有機系太陽電池の研究に取り組んでおり、研究室を訪れた出光社員と出会い、その社風や社員の人柄に惹かれる。旧中央研究所や先進技術研究所(現次世代技術研究所)での勤務を経て、現在は韓国にて有機EL材料の技術営業、顧客支援に従事している。
この拠点のミッションとご自身の仕事内容は?
私が所属する電子材料部は、当該領域において世界トップレベルの技術と人材を保有する部署です。私たちのミッションは、産業や暮らしに必要不可欠な素材を世の中に届けること。そのために先進マテリアルカンパニーの一翼として、電子材料分野で新しい価値を模索し、創造し続けています。出光興産に入社してからは主に研究所に所属し、有機系太陽電池材料の開発や研究開発テーマの新規企画などに従事してきました。入社11年目より電子材料部にて、有機EL材料に関する業務に携わっており、現在は韓国で現地の大手ディスプレイメーカーに対する技術営業や顧客支援を行っています。有機EL材料はTVやスマートフォンのディスプレイに使用されるため、毎年発売される新しいモデルに採用してもらえるよう、技術面から提案をすることが私の仕事です。新製品の発売に至るまでには様々なトラブルや課題に直面しますが、社内はもちろんお客様とともにそれを乗り越え、世の中に製品をお届けできたときは格別の喜びを味わえます。
海外ならではの苦労や日本との違いとは?
私が最初に戸惑ったのは食文化の違いでした。韓国料理は基本的に辛味が強く、赴任するまであまり馴染みがなかったこともあり、慣れるまでは少し苦労しました。しかし、日本と違うことは当たり前。郷に入っては郷に従えの精神で、その土地ならではの文化に寄り添い、今では辛い方が美味しいと思えるまでになりました。仕事においても現地顧客やローカルスタッフと“同じ釜の飯を食べる”という気持ちで、密に接することで信頼関係が築けるようになると思っています。そうして信頼関係を築くことでプロジェクトの過程で起こるトラブルも乗り越えられるのではないでしょうか。異国の地でプロジェクトが完遂したときの達成感は、技術者冥利につきるかけがえのない特別な時間として、今でも記憶に残っています。
駐在を通して成長できたことと今後の展望は?
これまでのキャリアで研究開発から技術営業、製品化サポートまで一気通貫で経験することができました。また、海外赴任の経験から国境を超えた人との繋がりや多様な価値観を得たことも、自身の成長に繋がったと感じています。今後はこれまでに得たスキルを活かし、新しい素材を世の中に届け続けることに挑み続けたいです。それによって、幼い頃に志したエネルギー問題に取り組むという夢の実現に近づけるのではないかと考えています。また、「人と人がつながるエネルギー。」という出光のスローガンを、仕事によって体現することも大きな目標の一つです。
アメリカ
USA
低炭素商材の確保・販路開拓
Idemitsu Apollo Corporation
B.YOSHIDA
入社当初は派遣社員として、石油関連情報の取りまとめやレポーティングを担当。その後、出光の社風や社員の人柄に惹かれ、他業務にも携わりたいと正社員にキャリアチェンジ。アジア領域の原油調達や新規事業開発などの経験を重ね、2018年よりIdemitsu Apollo Corporation(IAC)に赴任している。
この拠点のミッションとご自身の仕事内容は?
IACのミッションは、北米における事業基盤の維持や強化、そして世界的に重要度を増している、石油製品から低炭素商材への転換を推進していくことです。低炭素商材は世界的な需要増に加え、供給ソースが限られていることもあり、調達の確保が最重要課題です。私は、現地のスタッフと連携し契約関連の支援や投資の検討、実行を行っています。また、既存の石油事業の収益を向上させることも重要な役割なので、現地のお客様と信頼関係を築きながら、新たな商流を開拓することに努めています。
海外ならではの苦労や日本との違いとは?
IACは2010年に現地の卸売会社をM&Aしたこともあり、マネージャーを始めとするスタッフはローカルの方が大半を占めています。彼らは業務においてシビアに評価するところがあるため「この人は信頼できる」と認めてもらうまでは、様々な苦労がありました。例えば、彼らはメールの宛先に信頼するごく少数のメンバーしか加えないため、今何が起きているのか、どんな取引がなされているのかといった情報が一部のメンバーにしか共有されず、業務の全体像を把握することが容易ではありません。そのため彼らの信頼を得るべく、業務をスムーズに行えるよう、これまでに培った経験を活かして案件管理の方法を整備したり、積極的な情報発信やローカルスタッフの育成を行ったりして業務改善を実施してきました。そうした取り組みが効果を発揮し、現在では業務やプロジェクトに関連する情報がきちんと共有されるようになり、新たな案件や業務を任せられるまでになりました。
駐在を通して成長できたことと今後の展望は?
赴任前は、アメリカのビジネスに対して「契約書がすべてのドライな世界」というイメージを持っていました。実際、評価に対してシビアな面はありますが、それ以上に人間関係が重視されるシーンも多くあります。特にIACではお客様との関係性を重視しており、数十年にわたって取引がある企業もたくさんあります。そこで私が大切にしているのは、顧客をパートナーと捉え、いかに両社が成長できるかという視点を持つことです。その結果、深い信頼関係が構築されプロジェクトがスムーズに運用できたときの達成感は格別なものがあります。ここで培ったビジネス感覚やコミュニケーションスキルを大いに活かし、今後は低炭素商材の製造プロジェクトや取引先の拡大を実現していきたいですね。それによって出光を、地球環境により貢献できる企業へと成長させていきたいと考えています。
マレーシア
MALAYSIA
プラスチック製品の原料調達・販売
Idemitsu SM Malaysia
M.YAMAZAKI
技術営業を志し、様々な企業のインターンに参加するなかで、ダイナミックな仕事ができそうだと感じたこと、さらにIT分野を専攻していた自分として新しいフィールドに挑戦したいと思い、エネルギー業界を志望しました。当時、他社からも内定をいただきましたが、社員一人ひとりの成長を考え仕事の裁量権を与える企業文化が根付いていることが、当社への入社の決め手となりました。若手のうちから仕事を任せる文化のある当社での仕事はやりがいがあり、自身の選択は間違っていなかったと感じています。入社4年目よりマレーシアへ赴任し、業務に邁進しています。
この拠点のミッションとご自身の仕事内容は?
Idemitsu SMマレーシアは、出光とマレーシアの国営石油会社であるペトロナスの共同出資により作られた、マレーシア国内唯一のスチレンモノマー(SM)メーカーです。SMとは、様々なプラスチック樹脂などの原料となるもので、当社は両親会社から供給された競争力ある原料でSMを製造しています。マレーシアにある子会社含めアジア・オセアニア圏内各域の顧客に販売しており、出光のアジアにおける化学品バリューチェーンの要として、大きな供給責任と社内外からの期待を背負っています。私はサプライチェーン課に所属し、原料の調達と製品販売を主に担当しています。また、パシルグダン事業所は出光SMマレーシアを含め4つの会社が所在し、約350名が働く大規模な事業所です。事業所そのものを発展させるべく、各社を横断した事業所の施策推進や課題解決を行っています。
海外ならではの苦労や日本との違いとは?
マレーシアは多民族国家で、それぞれの民族が別々の母国語を持ち、宗教も習慣も様々です。特にマジョリティであるマレー系住民はイスラム教徒で、食べ物や習慣、仕事への考え方などが日本人とは異なります。時には思い通りに仕事を進められないこともありますが、異文化に興味を持ち理解すること、またシンプルかつ明快に言語化することを意識してコミュニケーションを取っています。また昨年から事業所内で日本とマレーシアお互いの文化や価値観を学ぶ講座を主催し、多くのナショナルスタッフ・駐在員とともにお互いの習慣や価値観、そして南国特有の“なんとかなるさ”というマインドを学び、仕事にも活かしています。
一方で、日本国内で培ったきめ細やかな対応力を活かせる場面も多々あります。特に親会社の一つであるである国営石油会社ペトロナスは、マレーシアの国としての歳入のうち約30%を占めるほどで、マレーシアでの石化ビジネスにおいて重要な存在です。トラブル対応や交渉において良好な関係性を継続するためにも、常に相手の価値観を尊重してコミュニケーションを取るよう心掛けています。
駐在を通して成長できたことと今後の展望は?
マレーシア経済は現在も成長を続けており、SMの需要も拡大しています。また、東南アジアからインド、オセアニアに至るまで幅広い国に出荷していることもあり、グローバルビジネスの最前線で働けているという実感は大きなやりがいに繋がっています。また今後、製造装置・製造現場への理解を深めるとともに、グローバルビジネスを進める上での屋台骨となるブレないマインドや胆力、推進力・企画力を着実に積み上げ、このパシルグダン事業所が出光グループの中でさらにプレゼンスを発揮できるよう、事業所の発展に貢献していきたいです。更なる経験を積んだのち、チャンスがあれば新たな海外拠点の設立やビジネス初期から関わるようなプロジェクトにも挑戦したいと考えています。
アラブ首長国連邦
UAE
中東エリアでの新エネルギー事業拡大
原油海外事業部 中東事務所
T.TAKAHASHI
石油業界は世界的にも影響力が大きく、グローバルな活躍ができるとの期待を持ち、就職活動を行う。面接官の人柄に惹かれて出光に入社。入社後は大学院で学んだ工業化学の知識が活きる石油精製の製造現場に配属された。国内で経験を積みながら、その後、海外プロジェクトの推進に主軸を移し、現在中東事務所(UAEアブダビ)にて勤務している。
この拠点のミッションとご自身の仕事内容は?
中東事務所では、原油や粗製ガソリンとも呼ばれるナフサの原料調達に加えて、当社の将来に向けた戦略の一環として新エネルギーなど様々なビジネスを展開する使命を担っています。私は現在、中東事務所の副所長を務めており、メインの業務として水素やアンモニアなどの新エネルギーや機能化学品ライセンス事業の参画調査・検討や、現地の製油所の技術支援の業務構築を行うとともに、事務所全体の運営をリーディングしています。
海外ならではの苦労や日本との違いとは?
入社後、アメリカやイギリス、アジア、中東といった複数の国や地域に赴任し経験を重ねてきました。その中で、苦労することはもちろん、悔しい思いをしたことも多々あります。イギリスで仕事をしていた際には、ミーティングの場にいたインターンシップの学生と先方の担当者に、英語のレベルについて皮肉を言われたことがあり、反論できない自分がとても悔しかったことを覚えています。直近で赴任していたカタールでは、仕事の進め方の違いに苦労しました。会議の際に資料準備などをほとんどせず、様々な国の社員たちが口頭のみで納得するまで話し合う文化があります。会話の展開も早く、内容を把握することにとても苦労しました。日本では、資料やメールを主体として業務を進めることに慣れていたため、国・地域によっての感覚の違いを学ぶことができましたね。
駐在を通して成長できたことと今後の展望は?
中東はなんといっても石油産業の中心となるエリアです。その石油産業の勢いや資金力をもとに、世界が求める新規エネルギー開発を進めるスピード感や規模感は日本では味わえないダイナミックさがあります。今後、社会はカーボンニュートラルにシフトしていきます。ここで得たビジネスの進め方やスピード感を活かして、新規ビジネスの拡大を世界中で実現していきたいと考えています。
オーストラリア
AUSTRALIA
石炭鉱山の操業と新規事業の推進
Idemitsu Australia
T.MUTOH
日本の役に立ち、未知の挑戦ができる仕事がしたいという2つの軸で就職活動を実施。数多ある企業の中から、社員の人柄に惹かれて出光を選択。入社後は主に炭鉱プロジェクトに携わり、石炭鉱山操業の知見を習得した。
この拠点のミッションとご自身の仕事内容は?
Idemitsu Australia(IA)は、主に石炭鉱山の運営や操業を行っています。この事業では、自社鉱山の競争力強化や現有埋蔵量の確保がミッションとなります。また、近年は世界的に脱炭素の動きが加速していることもあり、オーストラリアにおける新規事業の推進も重要課題として取り組んでいます。私もこれまでは鉱山操業をメインに携わってきましたが、現在は副社長補佐としてIAの中期計画策定や改善、重要案件の遂行が主な業務となっています。中でも、レアメタルなど新たに事業の核を担うプロジェクトへの参入準備として、社内外の関係各所と取り組みの調整に注力しています。
海外ならではの苦労や日本との違いとは?
海外では一般的ではありますが、オーストラリアは完全な契約社会です。契約した職務以外のことをすると、相手の仕事を奪うことになるという考え方のため、あまり他部署との連携や協力もありません。その分、部署内での決断が早く、効率が良いというメリットもあるのですが、プロジェクトや企業の全体像を掴むには大きな苦労がありました。また、日本の本社では精緻に経営的視点で収支分析を行うことが当然となっていますが、オーストラリアでは実務的視点での収支分析で日本で実施するほどの詳細な収支分析は行われていないという状況がありました。国内部門と同等に詳細な報告要請を本社から受ける中、ローカルスタッフに意図を理解し受け入れてもらうことは至難の業でしたね。私も含め、両国の仕事を知る駐在員とともに現地と本社で何度も話し合い、お互いにとってベストな方法を模索しました。5年近くの時間をかけてフォーマットの改定や集計方法の変更などを試行錯誤し、最近になってやっと両者が満足できる管理体制に落ち着きました。
駐在を通して成長できたことと今後の展望は?
資源ビジネスである鉱山操業は非常にスケールが大きく、探鉱から閉山まで長期的な視点が必要になります。さらに、国際情勢やオーストラリアの国内の政治、経済の影響もダイレクトに受けるため、幅広い視野と対応力を身につけることができたと感じています。また、駐在員は規模の大きな仕事に関わるチャンスが多いことも魅力の一つです。私自身それにチャレンジする過程で、誰の協力が必要なのか、どんな情報が必要なのかを常に考えて、周囲を巻き込むスキルを得ることができました。これまでの経験を糧に、入社当時に目標としていた日本の役に立つ仕事はもちろん、世界規模で役に立つ仕事に挑み続けていきたいです。
メキシコ
MEXICO
中南米での潤滑油ビジネスの拡大
Idemitsu Lubricants Mexico
S.KITA
人々の豊かな暮らしの根幹を支える石油業界で働きたいとの思いを持ち、就職活動を展開。学生時代に培った化学の知識を生かせること、複数分野が融合している点に面白さを感じ、出光の潤滑油部門を志望した。海外展開が進んでおり、世界を舞台に活躍できるという点も入社の決め手に。
この拠点のミッションとご自身の仕事内容は?
メキシコをはじめとする中南米での潤滑油ビジネスの拡大を目指すIdemitsu Lubricants Mexico(ILMEX)でマネージャーを務めています。私たちの使命は、主に自動車関連の企業に対し、潤滑油を用いて生産性の向上やコストダウンを図り、より良いものづくりに貢献することです。そのため、ローカルスタッフとともに実際にお客様の生産現場に赴き、自分たちの目で現場の状況を確認してからソリューションを提案するようにしています。また、今後の潤滑油製品の安定供給やコストダウンに向け、現地製造の推進にも取り組んでおり、原材料の調達や委託製造先との調整といった業務も行っています。マネージャーとしては、ローカルスタッフの管理や、コスト分析、価格管理などの収支改善も重要な任務です。
海外ならではの苦労や日本との違いとは?
業務においてはやはり、意思疎通の面で苦労することが多いです。日本人同士であれば、考え方のベースが似ているので「一を聞いて十を知る」でやってもらえていたことが、ローカルスタッフには通用しません。そのため、自分の考えや要望を一つひとつ丁寧に明確に伝え、認識のズレがないかを逐一確認するよう工夫しました。初動に時間はかかりましたが、それが結果としてお互いの考えを理解し合うことにも繋がり、今ではスムーズな意思疎通ができるようになりました。バックグラウンドの異なるローカルスタッフと協力しながら共通の目標に挑むという経験によって、日本では味わえない達成感を得ることができました。生活面では、メキシコシティの標高が約2,250メートルと富士山の五合目と同じ状態で暮らしているため、身体が慣れるまで時間を要しましたずに辛い思いをすることもあります。一方で、マヤ文明を代表とする歴史遺産やカンクンなどの美しい景色に触れられることは、メキシコならではの魅力だと感じています。
駐在を通して成長できたことと今後の展望は?
ILMEXは企業規模が小さいため、調達から製造、販売まで幅広い業務に携わることが可能です。それによって多くの知識を身につけることができました。また、海外で働いたからこそ出光の技術力や品質の高さ、サポート体制の充実度合いを実感し、自信を持って世界にアピールできるようになりました。現在、当社の潤滑油販売シェアは、グローバルマーケットにおいて8位の位置づけです。今後、様々な国でお客様のメリットに繋がる提案を続け、その国に住む人々の暮らしを支えることで、出光という存在をより一層世界に知らしめていくことが私の目標です。