THEME & TALK
DIVERSITY
多様な働き方を語る
出光興産では、多様な従業員が成長・活躍し、イノベーションを創出し続けるため、D&I推進を経営戦略の一つと位置付けています。多様なバックグラウンドを持つ社員が自分らしく働いていけるよう、様々な制度を設けるとともに、制度を活用しやすい企業文化の醸成にも取り組んでいます。
ここでは、制度を使いながら仕事と家庭を両立している社員や、自分らしいライフキャリアを模索している社員に、それぞれが感じている「働きやすさ」について聞いてみました。
TALK MEMBER
自己啓発休職でMBA取得
需給部 製品課
K.IWAI
2014年入社
経営学修士(MBA) 修了
2度の出産・育児休業を取得
経理財務部
R.MATSUMOTO
2010年入社
法学部 法学科 卒業
6カ月の育児休業を取得
デジタル・ICT推進部
S.SAKURAI
2014年入社
理工学研究科 総合デザイン工学専攻 修了
MODERATOR
人事部 DE&I推進課
T.KIMURA
工学研究科 応用精密化学専攻 修了
WorkとLife。どう両立している?
MODERATOR 当社には多様な働き方を支援する制度が用意されています。みなさんがこれまでに利用した制度や利用した感想、メリットについて教えてください。
K.I. 海外MBAに挑戦するため、自己啓発休職を1年半利用しました。海外MBAへの挑戦は、人生でやりたかったことのひとつでした。学問のみならず、何事も広く深く理解するためにはまとまった時間が必要だと思います。社会人になると時間を確保することが難しい中、年単位で自分の挑戦に時間をかけられることが、この制度の魅力ですね。周囲の話を聞くと、意外とこのような自己啓発休職に関する制度を設けている企業は少なく、社員の自己実現を後押しする良い制度と感じています。
R.M. 留学中の生活はどのようなものでしたか?
K.I. 授業を1日あたり2〜3コマ履修しました。各授業1コマ3時間半あり、かつ授業外での予習・復習、グループでのプレゼン準備など、かなり多忙な時期もありました。休みの日は街に友達と食事に行ったり、学校のプールで過ごしたりすることが多かったです。
S.S. 休職してMBAに挑戦しようと思ったきっかけは何ですか?
K.I. MBAに特別こだわっていたわけではありません。ただ、漫然と何ごともなく過ごしていくことに抵抗があったのかもしれません。自分の人生に彩りを加えたい、そのような想いがありました。先に姉がMBAを取得しており、面白そうだなと思ったこともきっかけの一つです。準備には2〜3年ほどかけて実行に移しました。
T.K. MBAを取得して、考え方や見方が変わった。あるいは自身が成長したと感じる点はありますか?
K.I.これまでの人生で当たり前だった感覚が通用しない環境に身を置いたことで、自分の可能性が広がったと感じます。自分はもっと自由でいいのだと感じましたし、やりたいことにチャレンジすべきなのだと思うようになりました。一方で、周囲の方々への感謝の気持ちがより一層芽生えた経験でもありました。このチャレンジができたことは、職場の上司・同僚、友人、家族の理解があってこそだと思いますし、ここまで成長させてくれた周囲の皆には深く感謝しています。
また、スキルという点では、広く経営学を学んだことで、留学前の担当業務で習得した知識や経験が結びつき、各分野が繋がっている感覚をつかむことができました。マーケティングや人事、財務、会計、リーダーシップ、ネゴシエーションなど多角的に学び、会社人生だけでは得られなかったであろう分野について、包括的に知見を得られたことは大きな財産です。
T.K. MATSUMOTOさんは、産休・育休を2度取得されていますね?
R.M. はい、第1子の時に1年間、第2子の時も同様に1年間、産休・育休を取得しました。周囲の理解もあり、産休・育休制度は気兼ねなく利用できました。
T.K. 他に、育児との両立のために利用した制度はありますか?
R.M. 子どもがそれぞれ異なる保育園に通っていたため、第2子誕生後は時短制度を利用していました。最近は、フレックスとテレワーク制度をフル活用して、平日の夕方に子どもを習い事に通わせています。習い事が終わるまでの時間はテレワークをすることで、時間を有効に使えるようになりました。
T.K. SAKURAIさんも育休利用者ですね。取得したきっかけを教えてください。
S.S. 制度を利用したきっかけは、義理の兄が1年間の育児休業を取得していたからです。身近に長期育児休業取得者がいたことでハードルが下がりました。また、取得にあたって上司に相談した際、「いいね、是非取得したほうがいい」と後押ししていただき、決意が固まりました。
R.M. 周囲の反応はどうでしたか?
S.S. 以前から「育休を取りたい」と宣言していたこともあって、意外とすんなり受け入れられました。後任にも3カ月かけてじっくり引継ぎできましたので、混乱は少なかったと思います。
K.I. 育休中はどのような過ごし方を?
S.S. 妻と家事・育児を分担しながら過ごしました。子どもを寝かしつけた後の少しの時間を自分の趣味に充てていました。また、自己研鑽のために社外のセミナーに通ったりしていたため、仕事をしていた時よりも睡眠時間が短かったくらいです。
T.K. 育休を利用した率直な感想を聞かせてください。
S.S. あっという間の半年間でしたが、取得してよかったと感じています。会社人生でこのような長期の休みを取得することはあまりできないと思いますし、妻や子どもと向き合う時間は何ものにも代えがたいものです。私は生後6カ月から1歳にかけての時期に育休を利用したのですが、その頃に一緒に過ごす時間が多かったせいか、子どもにも早くから顔を覚えてもらえました。
R.M. 生後半年から1歳の期間の育児を分担できるのは、ありがたいですね。生後半年なら夫婦で分担できることが色々とありそうです。第2子なら上の子どもを見てもらえるだけでも随分違います。
S.S. そうですね。第2子が誕生したら、やはり同じ時期に育休を活用するつもりです。
K.I. なるほど、参考になります。
多様な働き方を支える風土とは?
MODERATOR 休職前と復職後で、自身が成長したと感じる点はありますか?
S.S. 休職前と比較して、家族との時間を一層大切にするようになりました。平日はどうしても子どもと顔を合わせる時間が短くなるので、出社時は早く帰宅するよう努めています。正直なところ、仕事の勘所が戻るには少し時間が必要ですが、それはいずれ解決されるもの。パパとしては非常に成長したと感じています。育児休暇を取ることで、父親としての自覚を早めに得ることができたと思います。
R.M. 私の場合は、物理的に働ける時間が限定され、勤務時間以外は育児家事に追われる日々となったことで、仕事の進め方や考え方が大きく変わりました。以前は時間をかけても自分の仕事を完遂したい思いが強く、自ら仕事を抱え込む傾向があったのですが、復職後は属人化しないようマニュアルを作成したり、できるだけ多くの関係者に早い段階で共有したりするなど、自分がいなくても業務に支障がないように心がけています。
T.K. MATSUMOTOさんから、働き方の変化というお話がありましたが、育児にしても、自己啓発にしても、多様な生き方を可能にするのは、個々の価値観を認め合う環境が必要です。みなさんの職場の風土や、職場での関係性はそれぞれいかがですか。
K.I. 私は復職後、初めてサプライチェーンの世界に飛び込みましたが、周囲の理解・サポートにより日々モチベーション高く職務に取り組むことができています。同僚には本当に恵まれており、他者に協力的で出し惜しみすることなく知見を共有してくださる方が多いです。またテレワークも非常に進んでおり、部全体としてオンラインでのコミュニケーションにも慣れてきていると思います。自律的に働く風土が醸成されており、働きやすい環境だと感じます。
R.M. 復職後はチームメンバー間で業務詳細を共有されるようになっており、バックアップ体制がしっかり用意されていました。ワーキングマザーが多いこともあって、仕事と育児の両立に対する理解も深く、限られた時間の中で生き生きと仕事をさせてもらえていると感じています。
ぜひ利用したい、こんな制度
MODERATOR 今後利用したいと思っている制度、あったらいいなと思う制度はありますか?
S.S. 第2子が生まれたら、また育休を取得したいと思っています。また共働きなので妻が海外赴任になったら、帯同できる休職制度を利用したいと思います。あるといいなと思うのは、2週間程度の長期休暇制度です。日本の企業は夏休みでも長くて1週間程度ですが、海外などは2週間近く休みを取ります。遠出もできるので、何かの節目でとれる制度があってもいいなと思いました。
T.K. 家族との時間を大事にするSAKURAIさんらしい希望ですね。育児は夫婦で協力しながら行うという意識の方が増え、男性で育休を取得する方が増えています。
K.I. 他業界を見回すと、副業を認める会社も増えてきている印象です。各々の人生の選択肢を広げるという意味で、副業はひとつの選択肢だと思います。当社にも副業制度はありますか?
T.K. はい、制度化しています。すでに利用されている方もいます。それ以外にも自律的なキャリア形成支援としてキャリアプランセミナーなども、会社として用意しています。
R.M. 私が活用したいのはライフキャリアサポートセンター(LCSC)です。今後、キャリアに迷った時に相談してみようと思います。
T.K. LCSCでは、キャリアコンサルタントの国家資格をもったスタッフが、専門的な視点から自律的キャリア形成を支援してくれます。社内の組織ですので、ぜひ気兼ねなく、積極的に活用してくださいね。