自然界で微生物に分解される生分解油圧作動油(VG32,46)
生分解性作動油ビオスハイドロSEの概要
ダフニービオスハイドロSEは酸化安定性に優れる合成エステルを用いた生分解性兼難燃性作動油です。
優れた生分解特性を有するため、万一漏洩したとしても、一般作動油(例えば鉱物油系作動油)より自然界に与える影響は少なく、屋外でご使用される機器に適した環境にやさしい作動油です。
また、合成エステル系作動油は高引火点を有するため、難燃性作動油としてご使用することも可能です。引火点は250℃以上であり、消防法危険物に該当せず、可燃性液体類に分類されます。
ダフニービオスハイドロSEの特長
ダフニービオスハイドロSEはNETIS登録製品です。

- NETIS登録番号
- :KT-200096-A
- 技術名称
- :環境対応油圧作動油
- 登録日
- :2020年9月24日
NETISとは
民間企業が開発した新技術の情報を共有・提供するためのデータベースであり、国土交通省により運営されております。
※新技術:公共工事に使用される技術において、従来技術に比べ、活用の効果(コスト削減・整備する施設の性能や機能の向上、環境負荷の低減等)が同程度以上の技術又は同程度以上と見込まれる技術。施工法などの技術そのものだけでなく、活用の効果が高い「材料」も登録されています。
NETIS登録製品を活用するメリット
公共工事の入札において、総合評価方式の場合、NETIS登録技術の活用を提案すると、評価値に加点されます。

ダフニービオスハイドロSEの特長
1.優れた生分解特性
ダフニービオスハイドロSEは社団法人日本環境協会が定める生分解性作動油の基準(エコマーク認定基準)を満たした合成エステル系生分解性作動油です。
ISO VG | エコマーク認定 | 登録日 |
---|---|---|
46 | 第04110015号 | H16.12.6 |
32 | 第05110010号 | H15.9.21 |
NETIS登録番号:KT-200096A(環境対応油圧作動油)

エコマーク認定基準値と第三機関による試験結果
エコマーク認定基準には、最終生分解度および生体影響が定められています。ダフニービオスハイドロSEは同基準を満たしています。
項目 | 試験法 | 基準値 | 試験結果 |
---|---|---|---|
生分解度 | OECD 301B、301C 又はASTM D5864 |
28日以内の生分解度: 60% 以上 |
60%以上 *1 |
生体影響 | JIS K 0102 JIS K 0420-71シリーズ 又は、OECD203 |
96時間LC50値: 100㎎/L 以上 |
100㎎/L 以上 *2 |
*1)OECD 301C
*2)JIS K 0102
生分解度
有機物は微生物により分解され、最終的には二酸化炭素と水に分解されます。生分解度はその難易度を示しており、エコマーク認定には28日以内の最終生分解度60%以上が必要です。


生態影響
人の健康と生態へのリスクを評価するため、藻類、ミジンコおよび魚類等を用いた生態影響試験があります。エコマーク認定には魚類による急性毒性試験で96時間LC50値100㎎/L以上が必要です。
注) LC50値:50%致死濃度


2.優れた潤滑性
シェル四球試験
合成エステル系作動油は基油自身が油性効果をもたらすため、後部油系作動油(R&Oタイプ)と比較した場合、優れた潤滑性を示します。



ベーンポンプ試験
耐摩耗性油圧作動油の評価に用いるベーンポンプ試験において、Zn系作動油と同等以上の耐摩耗性を有します。


ピストンポンプ試験
高圧ピストンポンプによる1000時間耐久試験において、ポンプ性能の低下(吐出流量の低下)や、各修道部の焼付き・異常摩耗等は確認されておらず、優れた潤滑性を有していることが確認されます。


3.優れた酸化安定性
油中気泡の断熱圧縮による作動油の参加劣化をシミュレートしている高圧循環劣化試験において、スラッジの生成は確認されず、また触媒として用いている銅コイルの腐食も確認されません。


4.シール材との適合性
一般的なオイルシール材質であるニトリルゴムやウレタンゴムに対して、市販生分解性作動油と同等以上の適合性を有しています。

