その巨大な船体を初めて目にした時、海上に壁が浮かんでいるのか!?と錯覚したのを今でも鮮明に覚えています。この大型原油タンカーVLCCと呼ばれる船を動かし、日本へ安全に原油を届けることが私たちの仕事です。他にプロパン・ブタンを運搬するLPG船への乗船機会もあります。
さて、この巨船を動かす動力源となるのは出力3万馬力のディーゼルエンジンです。 このエンジンを中心に、様々な関連機器によって形成される1つのプラントが、機関士の活躍する主な舞台となります。現在私が担当する主な機器は補助ボイラー、油清浄機などで、これらの機器について定期的な整備を行い日々の運転維持に努めています。
また、急なトラブル発生に対して迅速な対応を迫られる場面もあります。そんな時に備えて日頃の見回りや、問題解決のシミュレーションをしておく事も重要な仕事のひとつです。そうして障害を乗り越えた時に味わう達成感は、堪らなく魅力的です。エンジニアの最大の醍醐味ではないでしょうか。夕食時のビールの味わいも格別です。