オイルロード超大型タンカー12,000kmの旅「一航海の軌跡」Vol.3 ペルシャ湾~シンガポール海峡 4/4
船内休日とレクレーション
図書(雑誌、文庫など)
船内休日の前日は、毎回パーティーを行います。日本人は、鍋や鉄板を囲んで、古い紅白歌合戦もしくは歌番組のビデオを見ながら、賑やかにビールや日本酒等を飲むのがパターンです。フィリピン人は、食事の後にビールを飲みながら、カラオケ大会、これがパターン。彼らは、毎回パーティーに名目を付けたいようで、今日は誰かの誕生日パーティー、と言った感じで楽しんでいます。
船内休日と言っても、船は24時間走っていますので、乗組員全員が同時に休むことはできません。当直航海士は休日も航海当直があり、また機関部も機関室の見回りがあるので、朝の10時から2時間、見回りや点検を行います。休日の過ごし方は、人それぞれです。内地出港後の楽しみの一つは、新しく積み込まれた雑誌、図書、DVD等を見ることです。(世間から遠く離れた船内で過ごしている乗組員には新鮮な情報が不足しているのです。)人によっては全てに目を通し、逆に情報で満たされている陸上で生活している人よりも芸能通であったり、映画マニアであったりします。
娯楽室
体操室
若い乗組員は夕方からバスケットボールで汗を流し、その他、ひたすら寝る人もいれば、勉強をする人もおり、皆、思い思いに過ごしています。
船内休日を利用して船内レクレーションも開催されます。陸でいう運動会のようなものですが、フィリピンクルーは夜明け前から試合コートの水打ちや、観客席の準備に余念がありません。演目は、綱引き(Tug of War)に、デッキビリヤード。日頃の友も、上司も、部下も、プレー中はみんな敵、敵…と思いきや、笑い声さざめく中で和気藹々とゲームも進行し、大いにリフレッシュした一日でした。
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綱引き
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デッキビリヤード
次回は日本寄港の様子を紹介します。