対象チューブの位置および機器構造を考慮して、流速、流れ方向および減衰率を設定します※。
熱交換器チューブ振動解析
概要
熱交換器の設計または条件変更の際に、チューブ振動を回避することは、プラントの安全操業の面で重要となります。従来のチューブ振動解析手法はHTRI(Heat Transfer Research, Inc.)の伝熱計算プログラム(Xist)を用いているため、一般的に安全サイドな評価となります。それが原因で装置稼動ロスを招く可能性があるため、精度の高い評価方法の確立が求められていました。当社では、より精度の高いチューブ振動評価を実施するために、HTRIの振動解析プログラム(Xvib)を用いたチューブ振動解析手法を採用しています。
特徴
Xvibの長所はFEM(有限要素法)を用いた厳密解析により、チューブ振動強度が大きいFluidelastic Instabilityおよび、Vortex Sheddingを精度良く計算できる点です。更に、チューブ一本ごとの振動解析を行えるため、損傷の可能性が高いチューブおよび位置をより明確にすることが可能です。以下にXistとXvibの振動解析評価の違いを比較表の形で示します。
表1. XvibとXistの振動解析機能の違い
| Xist | Xvib | |
|---|---|---|
| 適用振動形態 | ・Fluidelastic instability ・Vortex shedding ・Turbulent buffeting ・Acoustic vibration |
・Fluidelastic instability ・Vortex shedding |
| 固有振動数の計算方法 | スパン長さに基づく算術計算 | 有限要素法に基づく計算 |
| 振動モード | 1次モードのみ | 1~15次モード |
| 解析対象チューブ | シェル内を3分割 (Inlet/Central/Outlet) |
チューブ1本ごとに解析 |
| 総括 | ・振動ダメージの発生確率を簡易的に評価 ・ダメージ発生チューブのスクリーニングに有効 |
振動ダメージの最も大きいFluidelastic instability、Vortex sheddingを精度良く計算可能 |
チューブ振動の評価方法

詳細解析(Xvib)の評価方法
図1に示す熱交換器を例に、Xvibを用いたチューブ振動評価方法(手順2)について解説します。

図1. 熱交換器(TEMA TYPE:BEM)
1. 対象チューブの選定
Xvibは、FEM(有限要素法)に基づくチューブ振動解析を実施するので、まず振動に対して条件の厳しいチューブを選定することになります。
例えば図2に示すように、流速、チューブスパン等の観点から対象チューブを選定することとなります。
- 1:Impingement Baffle近傍のチューブ(Inlet部:流速MAX)
- 2・3:Baffle tip近傍のチューブ( Central部、Outlet部:流速&Tube Span MAX)

図2. 振動評価実施チューブの選定図
2. 解析条件の設定
3. 評価方法
得られた解析結果について、Fluidelastic Instabilityについては臨界速度、Vortex Sheddingについてはチューブの振幅の観点から、チューブ振動による損傷の可能性を評価します。
例えば「3. Baffle tip近傍チューブ」の場合、図3から分かるようにAの部位で振幅が大きくなり、この近傍において損傷の可能性があると評価されます。

図3. チューブ振動の振幅(Xvib)
※XvibはXistと比較して、構造解析面では飛躍的に精度が向上していますが、流動解析面ではあまり向上していません(ただし、Xistでは設定できなかった「流速、流れ方向」を部位ごとに設定することが可能となりました)。
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Needs
ニーズ
熱交換器の開放検査を実施した際にチューブに振動が原因と考えられる減肉が確認された。振動を抑えるための対策を講じたい。
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solution
ソリューション
Xvibによる振動解析を実施し、振動を抑える対策(サポートプレートの挿入)を行う。