シリカゲルPSA法VOC回収技術の実績紹介

当社のVOC回収技術

VOC回収技術は、旧来より吸着剤に活性炭を用い、加熱昇温によって脱着再生する活性炭TSA法が知られています。特に、1973年に工業化された太さ10~20μmの繊維状活性炭を採用することにより、装置のコンパクト化と安全性の向上が図られました。以来、数多くの実績を上げています。
繊維状活性炭を用いたTSA法は、大風量に適用が可能であるという点で優れた技術です。その一方で、脱着に蒸気を用いること、さらに、吸着熱による温度上昇を抑制するため、原料VOC含有ガスの希釈が必要です。そのため排出条件によっては適用が困難、あるいは、不可能となる場合があります。
また、活性炭は可燃性のため、着火の危険性を回避する必要があります。

出光エンジニアリング(株)では、蒸気使用の欠点を克服するため、1999年に吸着剤にシリカゲルを用い、真空引きにより脱着再生するシリカゲルPSA法(IDESORB)を実用化しました。それ以降、納入実績が増加し、2011年には30基となりました。これらの実績と実機の設計と運転から得られた能力決定方法の一例を紹介します。

当社のVOC回収技術

回収VOC種の実績は以下の通りです。

ベンゼン、トルエン、メタノール、ジクロロメタン、アセトン、シクロヘキサン、二硫化炭素
粗軽油ベーパー(ベンゼン70~75%のほかC4~C10炭化水素混合物、重質分を含む)、ガソリン、混合VOC(アセトン、THF、ヘキサン等)
他に、クロロフォルム、EDC、ジオキサン等をテストし回収条件を把握しています。
標準仕様で適用可能な沸点範囲は40~150℃程度と考えています。

処理風量とVOC濃度を示します。

IDESORB実績(風量、濃度)

最大風量:500~1000m3/hr
高回収率(99%以上)且つ、経済的に実現可能な装置規模としての限界値と考えています。技術上の制約ではありません。

最大濃度:制約ありません。
温度が高く、高濃度である場合は冷却して、常温での飽和濃度とします。

IDESORBの主な特長

能力決定方法(例)

ガス排出が非定常的である場合の設計風量は、実測と工程の組み合わせから設計値を設定します。バッチの真空引き溶剤留去、常圧蒸留に伴うガス排出パターンを把握していますので、系の容量と組み合わせの想定により、設計風量を決めることができます。

貯蔵タンクの呼吸に伴う排出風量とVOC濃度については実験値、経験値から精度の高い予測が可能です。

VOCを取り扱う上での安全確保、圧力スイングに伴う上流系の圧力変動防止、負荷の高低による省エネルギー等で、排出系の特性に応じた種々のノウハウを有しています。

豊富な実装置経験によって、適切な設計前提の設定と最適設計を行うことができます。是非、ご相談ください。

お問い合わせ先

ページトップへ遷移