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2025.11.21

「合成燃料」の普及に向け、Z世代の学生×役員×現場担当者が未来の社会を考える①「Green Premium戦略会議」を開催

  • 一歩先のエネルギー
参加した学生と当社役員

参加した学生と当社役員の記念撮影

【イベントレポート】「合成燃料の普及」という難題にZ世代とともに挑む!
デカボチャレンジ出場者を招き、「Green Premium戦略会議」開催

2025年11月7日、出光興産の本社28Fに、Z世代の若者11名が結集。11名は、学生と企業・自治体が、脱炭素(デカボ)をテーマに新規事業アイデアを共創するビジネスコンテスト「デカボチャレンジ2025 Summer」(Earth hacks株式会社主催)の出場者です。9月に行われたこの催しに、出光興産のCNX戦略部は「Green Premiumを克服し、価値を創る ~価格の壁を突破し、合成燃料の市場浸透を加速させるマーケティング&ビジネスモデルを構築せよ~」をテーマに初参加。学生3チームが、CNX戦略部のメンバーとともにビジネスプランをまとめ上げました。
デカボチャレンジの終了から1か月余り。出光興産はEarth hacks社の協力のもと、3チームのメンバーを招き、「Green Premium戦略会議」を開催しました。学生たちとの対話を通じて、Z世代の柔軟な発想力から刺激を受け、ビジネスプランの実現に向け建設的な議論を行うことをねらいとした出光興産のオリジナル企画です。戦略会議には、CNX戦略部をはじめ販売部や販売企画部など、合成燃料の普及に関わる部門の社員たち、さらに酒井社長・澤副社長・森下常務・田中執行役員も出席。3チームはそれぞれ、1か月の間にビジネスプランにさらに磨きをかけ、11月7日の舞台に臨んでくれました。
「共創空間」

会議室ではなく、自由な発想が生まれることを狙いとしたスペース「共創空間」で開催

難題に「ワクワク」で切り込む、“3チーム3様”のプラン

「Green Premium」とは、脱炭素化に寄与する製品やサービスを選択・購入する際に、従来の製品・サービスと比較して発生する追加費用のこと。合成燃料のコストは従来の燃料よりも割高になる見込みで、「当たり前に使用してもらう」ためには高い壁が存在します。重点事業の一つに合成燃料(e-メタノール)を位置づけ、事業化に向けた投資を進めている出光興産のみならず、この壁をいかに乗り越えるかという「解」は誰も持ってはいません。この難しい問いに挑んだ学生の皆さんは、以下のようなプランを披露してくれました。
<各チームのビジネスアイデア>
■Aチーム(篠原さん・松浦さん・大久保さん・佐藤さん〈当日欠席〉)
『サンライズフューチャープロジェクト』
大学生が燃料を身近に感じる場面として「旅行先のレンタカー」を想定。環境より価格面を重視する大学生に選ばれるきっかけを生むため、合成燃料を無料で提供する北海道旅行のプランを構想。出光興産の公式アプリ「Drive On」を通じて提携先自治体の観光体験を選択すると、燃料費無料でレンタカーを借りられるという仕組み。大学生・自治体・出光興産のWin-Win-Winな関係を構築できると、プランへの自信を覗かせました。
idemitsuカラーのネクタイとバインダーでチーム力をアピール

idemitsuカラーのネクタイとバインダーでチーム力をアピール

▶発表後、「無料期間の終了後にいかにマネタイズするか。自治体・学生・出光興産が負担を分け合うことで、燃料代も含めたレンタカープランとしても発展可能ではと感じた」(販売企画部・節原さん)という感想が。酒井社長からは、「製油所、サービスステーションなど、実現にあたり必要なアセットが出光にはほとんどそろっている。とてもワクワクした。より低コスト化できるよう我々出光が頑張っていかないといけないね」とCNX戦略部メンバーを鼓舞するコメントが飛び出しました。
戦略部メンバーを鼓舞
■Bチーム(北村さん・黒岩さん・斉藤さん・中嶌さん)
『~合成燃料の世界においで~ オイデミツ プロジェクト』
Z世代の特徴として「体験価値を重視」「映え好き」の2点に着目。合成燃料の魅力を伝えるオリジナルキャラクター「オイデミツ」を起用して、①合成燃料の魅力普及ブース(若者に人気のイベントへの出展)、②原料・燃料に合成燃料を用いた製品に付けられる認証(eFCマーク)の施策を立案。価格差の出にくいペットボトルの原料に合成燃料を使い、認証を付与することでGreen Premium克服の第一歩とするアイデアをまとめました。オイデミツの得意技「おいでビーム」が飛び出すと、場内には笑顔が広がりました。
「おいでビーム」で会場を笑顔にするBチーム

「おいでビーム」で会場を笑顔にするBチーム

▶「合成燃料のキャラクターという発想に驚いた。何を原料に作られているかという特徴も含め、とても分かりやすく表現されている。かわいらしく、もはやファンです」(CNX戦略部・足立課長)という声や、「燃料としての利用を連想しがちだが、合成燃料を原料にした製品にeFCマークを付与するというアイデアは画期的」(田中執行役員)といったコメントが。澤副社長からは、「出光の合成燃料に関する取り組みの認知度が低い(学生調べ)という結果が悲しくて、赤かったシャツが青くなってしまった」と“オイデミツジョーク”が飛び出した後、「キャラクターもeFCマークもとても良い提案。実現できたら面白いね」と販売部門メンバーに呼びかける一幕もありました。
オイデミツジョークに盛り上がる
■Cチーム(平野さん・池上さん・豊田さん・望田さん)
『MIX PROJECT』
合成燃料の真の価値を、既存の車やガソリンスタンドなどのインフラがそのまま使える点にあると分析。また、出光興産が「過去と未来の融合を通じて、古き良きもの・今あるものを再び輝かせる企業」であることに言及。「レトロ」や「性格診断」を好むZ世代の興味を喚起するため、Phase1では、「新しい×懐かしいが交わるとき、未来が動き出す」がテーマのPOPUPイベントを、Phase2では、独自の合成燃料性格診断の体験者に、合成燃料で走るクラッシックカーの乗車体験を提供する施策を立案。クラシックカーの乗車体験はおしゃれでSNS映えすることから、Z世代への拡散も狙えるというもの。プロジェクト名は、M(みんなと)・I(出光)・X(トランスフォーメーション)の頭文字から。

服の一部にidemitsuカラーの「赤」を取り入れているCチーム

▶「リッターいくらであれば合成燃料を使ってみようと思いますか?」(CNX戦略部・片桐次長)との問いに、学生が「200円」と応じると、場内からはどよめきが。さらに、「SNSで投稿すれば、環境によいことを志向する自分の価値観の発信にもなると思う」と学生が続けた言葉に頷きながら耳を傾けていた酒井社長は、「合成燃料は“未来のもの”というイメージがあったが、そこに“上品”とか“おしゃれ”という付加価値を掛け合わせたところにとても新規性を感じた。若い世代ならではの感性だと感じ入った」とコメントしました。
コメントをする酒井社長

Z世代の発想×エネルギー企業の本気が交わる時、未来が変わる!?

当日は複数のメディア取材が入り、戦略会議の終了後には囲み取材が行われました。酒井社長は「我々の発想だと、どうしても製品そのものに目が向きがちだが、将来的なメインユーザー層となるZ世代の普段の生活に着目しながら、合成燃料の価値をうまく掛け合わせるようなアイデアを数多く出してくださり、多くの気づきがあった。今後も、大学生の方に限らず、今の若い世代の方々の感性や価値観に触れられる機会を持ちたいと思う」と、戦略会議への手応えを述べていました。
酒井社長

「おいでビーム」で会場に笑顔をもたらしてくれたBチーム4名へのインタビューはこちらから。
【学生チームインタビュー】
“自分ごと化”の切り札は、オリジナルキャラクター!?
「おいでビーム!」で場内を沸かせたBチームのメンバーに聞きました