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2025.11.21

「合成燃料」の普及に向け、Z世代の学生×役員×現場担当者が未来の社会を考える② 合成燃料のマーケティングプラン立案を通じて学生の目に映った、出光興産の素顔とは

  • 一歩先のエネルギー
学生チーム

(左から)北村さん/中嶌さん/斉藤さん/黒岩さん

【学生チームインタビュー】
“自分ごと化”の切り札は、オリジナルキャラクター!?
「おいでビーム!」で場内を沸かせたBチームのメンバーに聞きました

業界・企業イメージのbefore・after
—デカボチャレンジ参加前、エネルギーやインフラ業界への関心度合いはどれくらいでしたか? また合成燃料のことは知っていましたか?
黒岩さん:もともとエネルギー分野への関心はあって、関連企業のインターンに参加したこともあります。ただ、合成燃料についての知識はなく、出光興産がクリーンエネルギーに取り組んでいることも知りませんでした。
斉藤さん:自分も大学院で洋上風力発電について学んでいますが、合成燃料については無知でした。さらに言うなら、「idemitsu」は知っていたものの、正直、「漢字の社名『出光興産』」と結びついていませんでした。
中嶌さん:エネルギー政策や環境問題には関心があり、合成燃料のことは知ってはいました。ですが、大学の研究室レベルのテーマなのかな、と。出光興産のような企業が、社会実装に向けて取り組んでいるというのは初めて知りました。
北村さん:私は「エシカル消費」の切り口で環境問題にアプローチする取り組みを大学1年生の時にしていて、環境分野の話題にはアンテナを張っていたつもりでしたが、合成燃料については見落としていました。
北村さん
アイデア創出の難しさと、乗り越え方
—デカボチャレンジからGreen Premium戦略会議に至る一連の取り組みを通して、特に難しかったのはどんなところでしたか?
北村さん:合成燃料の「価格の壁」をいかに克服するのかという部分ですね。ここを突き詰めて考えた結果生まれたのがオリジナルキャラクターの「オイデミツ」です。生成AIを活用して作りました。
斉藤さん:10分間のプレゼン向けに発表をまとめ上げるのも、結構大変でした。デカボチャレンジが終わってから、出光興産やEarth hacksの方にフィードバックをいただきながら企画をブラッシュアップしてきましたが、どこを重視して話すべきなのか、かなり悩みました。
黒岩さん:このメンバーで会話をしていると施策をどんどん思いつくので(笑)。より消費者の共感を得るためには施策と施策のつながりも大事だよね、ということで、取捨選択して今日の内容になりました。
中嶌さん:誰か一人に偏ったりせず、みんなで意見を出し合えたのは良かったと思います。
中嶌さん
親身なフィードバックが、ブラッシュアップの励みに
—出光興産の社員との関わりの中で印象に残っているやりとりなどがあれば教えてください。
北村さん:「この企画をより良いものにしたい」と本気で思ってくれているな、と感じるフィードバックをたくさんいただきました。
中嶌さん:社員の方からのフィードバックを通して、自分たちにない着眼点に気づかされることも多かったです。自分たちがそこまで重視していなかった部分を評価してもらって、それをふまえて施策に大きく取り込んでみたりもしました。
黒岩さん:オイデミツのカラーリングは赤が基調ですが、中間発表の時に執行役員の田中さんが「エコな特徴を打ち出すならグリーンとかブルー系もいいんじゃない?」とおっしゃったのがすごく印象に残っています。キャラクターとしての実装をリアルに思い描いていないと出てこない質問だと思うので。コーポレートカラーの赤がいいと思ったけど、社員の方も柔軟に考えてくれるんだなという気づきも含めて、面白かったし嬉しかったです。
斉藤さん:初期の頃に、「課題」として掲げたテーマのうち「解決策」がどこにも示されていないものがある、というフィードバックを受けた時はハッとしました。全員その視点がなかったので、すごく納得しました。毎回、「こう変えてみたらどうかな」という前向きなフィードバックを多くもらえたので、すごく励みになりました。
北村さん:Green Premium戦略会議で、副社長の澤さんが「実現できたら面白いね」と言ってくださったのはすごく嬉しかったですね。
黒岩さん
今回得た気づきや手応えを、自身と社会を前進させるための糧にして
—今回の経験を通して学びにつながったと感じる点や、嬉しかったことをお聞かせください。
黒岩さん:「環境に優しい」だけで人を動かすのは難しい、というのは今回一番の学びでした。合成燃料の良さや魅力を発信することも大切だけど、その前に共感を呼ぶことが大事なんだな、と。今回の経験を活かして、脱炭素に向けて合成燃料を実装するような仕組みを世の中に宣伝したりPRする仕事を通して、社会に貢献できたらいいなと思うようになりました。今回のプランは、自分もZ世代の一人として、実現できたら参加したいと思う内容が詰まっているので、実現した暁にはぜひ参加したいです。
斉藤さん:学生である自分たちのアイデアに対して、このテーマの当事者である企業の方々からお褒めの言葉をいただけたことが、率直に嬉しかったです。正直、初めは合成燃料に対して「こんな高いもの買わないでしょ?」「車は液体燃料を必要としないEVになるのでは」と思っていましたが、航空機や船のように電化が難しい領域も含め必要になるだろうと認識を改めました。それから、チームワークの大切さを実感しました。出会った初日に4人でご飯に行って一気に距離が縮まって、すごく仲良くなれた。多い時には1日2回のオンラインミーティングをしていましたから(笑)。
中嶌さん:人が集まってしっかりコミュニケーションをとると、新しいアイデアや意見がたくさん出てくるのだと感じました。自分自身の変化でいうと、環境問題への関心が以前にも増して深まりました。合成燃料は、「燃料を使うところ」だけではなく、「燃料を作る過程」の脱炭素も含めて検討が必要だと思うので、いつか、トータルで「カーボンニュートラル」を実現できるようになれば、と思います。合成燃料が普及するためには、やっぱりもっと価格を抑える必要があると思うので、その技術が確立されるまでの間に、「オイデミツ」によって合成燃料の知名度だけでも浸透させられたらいいなと思います。
北村さん:難しいお題でしたが、この先絶対に克服すべきテーマだという共通認識が皆にあったので、ポジティブに考え続けることができたと思います。将来、当たり前のようにみんなが合成燃料を選択できる社会になればいいなと思います。自分のキャリアを考える上でも、今回学んだことを何らかのかたちで活かしたい、という思いが強くなりました。
斉藤さん
「異なる背景や知識・経験を持つ人が交流し化学反応を起こすことで、新たな価値を生み出す」「既存の価値観に縛られることなく、継続的にイノベーションを生み出す」ことは、出光興産が常に目指し、実践しているもの。学生との共創企画は初めての試みながらも、私たちらしく実施することができました。互いの交流を通して得られた今回の大きな収穫を、今後の活動に活かしていきます。
学生と役員、担当社員が議論を交わした「Green Premium戦略会議」のレポートはこちらから。
【イベントレポート】「合成燃料の普及」という難題にZ世代とともに挑む!
Z世代