



2025.06.24
SAF(持続可能な航空燃料)の原料確保に向け前進!「ポンガミア」の苗木植え付けをオーストラリアで開始
- 一歩先のエネルギー

世界各国で導入・普及に向けた取り組みが加速するSAF。耳にする機会が増えたのではないでしょうか。出光興産では将来にわたってSAFを供給し続ける責任を果たすために、安定的・経済的な原料の確保に取り組んでいます。
原料の一つとして有望視しているのが、なんとマメ科の植物ポンガミア!人間の食用には適しませんが、SAF・リニューアブルディーゼル(再生可能な資源から製造される、軽油の代替燃料)の原料や家畜の飼料、木質ペレット、カーボンクレジット創出など「1粒で何度もおいしい」ポテンシャルを秘めた植物なのです。
原料の一つとして有望視しているのが、なんとマメ科の植物ポンガミア!人間の食用には適しませんが、SAF・リニューアブルディーゼル(再生可能な資源から製造される、軽油の代替燃料)の原料や家畜の飼料、木質ペレット、カーボンクレジット創出など「1粒で何度もおいしい」ポテンシャルを秘めた植物なのです。
ポンガミアは商業規模での生産が行われていない植物で、SAFの原料をはじめとした様々な用途における有用性・実現性を検証することが必要です。そこで出光興産は、ポンガミアの栽培知見と研究成果を持つTerviva(テルビバ)社と、商業栽培への拡大を見据えた実証を2025年1月に開始。豪州の石炭資源会社であるStanmore(スタンモア)社の協力のもと、同社が管理・運営する石炭鉱山周辺用地の灌漑(かんがい)設備の設置を行い、5月からポンガミアの苗木の植え付けを開始しました。また、この植え付けの開始を記念し、在ブリスベン日本国総領事公邸にて記念式典を開催しました。州政府関係者も含め多数の出席者が集い、日本領事館の石川勝利総領事から、プロジェクト成功に向けての励ましと期待のスピーチを頂きました。

石川総領事(左から2番目)と、3社トップ層
「SAFの原料確保に向けた植林プロジェクトは、出光興産にとって新しい領域への挑戦です。開始から荒天に見舞われ、土地の造成が当初の予定より遅れるなどトラブルもありましたが、無事に植林のスタートをきることができました。実際に植えられたポンガミアの木を見るとより一層、本プロジェクトの前進と重要性を実感します。長い実証期間においては、今後も予期せぬ困難に直面するかもしれませんが、パートナー企業と志を一つにし、日豪の脱炭素化に寄与するポンガミア商業植林の実現へと導いていきたいです」と、プロジェクトリーダーの舟木は話します。

3社のプロジェクトメンバーらが集い、記念式典を開催
実証ではエリアを複数の区域に分け、各区域ごとに育成条件を変えながら、成育率や成長速度、土地との相性などをモニタリングしデータ・ノウハウを蓄積していきます。
Terviva社のSenior Director、Carlo Van Dee氏は、実証の構想についてこう話します。
「両社とのコラボレーションを開始できることを非常に嬉しく思います。この取り組みは豪州内外の未利用地へも拡張が可能で、持続可能なポンガミア栽培に向けた重要なステップとなります。Tervivaの優良ポンガミア品種が土地再生、鉱山跡地の脱炭素化、そして長期的なSAF生産にどのように寄与できるかを探求します」
Terviva社のSenior Director、Carlo Van Dee氏は、実証の構想についてこう話します。
「両社とのコラボレーションを開始できることを非常に嬉しく思います。この取り組みは豪州内外の未利用地へも拡張が可能で、持続可能なポンガミア栽培に向けた重要なステップとなります。Tervivaの優良ポンガミア品種が土地再生、鉱山跡地の脱炭素化、そして長期的なSAF生産にどのように寄与できるかを探求します」
「ポンガミアは、鉱山跡地の再生と脱炭素化の推進において、重要な役割を果たす可能性があります。本プロジェクトでは、耕地でない鉱山跡地が生産的かつ気候変動問題の解決に寄与する土地へといかに転換できるかを実証します」土地の活用についてそう強調するのは、Stanmore社のChief Development Officer、Damian Zagel氏です。
本プロジェクトの実証地は、豪州クイーンズランド州中部の郊外の同社が管理するSouth Walker Creekの周辺用地で、過去に一度も耕された記録がない荒れた土地です。しかし、実証を通じてポンガミアが大きく育ち、たくさんの実を付ける結果が出れば、広大な豪州における未利用地などを活用した商業植林の可能性につながります。ポンガミアの植林が鉱山リハビリテーション(自然環境や生物多様性の維持を目的に、鉱山跡地を埋め戻して整地した後に植林すること)を行う際の選択肢となることも期待されています。
本プロジェクトの実証地は、豪州クイーンズランド州中部の郊外の同社が管理するSouth Walker Creekの周辺用地で、過去に一度も耕された記録がない荒れた土地です。しかし、実証を通じてポンガミアが大きく育ち、たくさんの実を付ける結果が出れば、広大な豪州における未利用地などを活用した商業植林の可能性につながります。ポンガミアの植林が鉱山リハビリテーション(自然環境や生物多様性の維持を目的に、鉱山跡地を埋め戻して整地した後に植林すること)を行う際の選択肢となることも期待されています。

広大な用地
ポンガミアが日豪両国の脱炭素化に向けた新たな架け橋となる。そんな未来に向け、本プロジェクトは着実な一歩を踏み出しました。出光興産は将来的な自社栽培や商業規模への拡大、SAF原料を含めた多様な用途展開を見据え、引き続き検証を行っていきます。