SAF(持続可能な航空燃料)
- 一歩先のエネルギー
航空業界の脱炭素手段の一つとして、持続可能な航空燃料「SAF」が注目されています。航空燃料を供給してきた当社としても、SAFの国内供給体制の構築に取り組んでいます。
石油以外の原料から製造される航空燃料の総称で、持続可能な航空燃料(Sustainable Aviation Fuel)の略称。石油由来の航空燃料と比べ、原料製造から製品利用までの製品ライフサイクル全体におけるCO₂排出量を、大幅に抑えることができます。ATJ(Alcohol to Jet:エタノールから SAF を製造する技術)やHEFA(Hydroprocessed Esters and Fatty Acids:使用済み食用油などの油脂を水素化処理し SAF を製造する技術)など、その原料と製造技術は複数あります。
SAFを取り巻く国際状況
日本も加盟しているICAO(国際民間航空機関)は、グローバルなGHG(※1)削減目標の一つとしてCORSIA(※2)を2021年から導入しています。CORSIAは、各航空会社の国際線における2019年のCO₂排出量をベースラインとして、それを上回る量について排出権購入義務が航空会社に課せられるスキームです。導入対象は段階的に拡大され、2027年には全てのICAO加盟国に適用される予定です。これに伴い、航空業界の脱炭素化の手段の一つであるSAFの世界的な市場規模の拡大が予測されています。
日本では、政府および航空業界が、2030 年までに国内航空会社による燃料使用量の 10%(約170万kL)を SAF に置き換えるという目標を掲げています。
※1 Greenhouse Gas:温室効果ガス
※2 Carbon Offsetting and Reduction Scheme for International Aviation:国際民間航空のためのカーボン・オフセット及び削減スキーム
日本では、政府および航空業界が、2030 年までに国内航空会社による燃料使用量の 10%(約170万kL)を SAF に置き換えるという目標を掲げています。
※1 Greenhouse Gas:温室効果ガス
※2 Carbon Offsetting and Reduction Scheme for International Aviation:国際民間航空のためのカーボン・オフセット及び削減スキーム
Idemitsuが挑戦する理由と強み
当社はこの目標達成に貢献するため、2030年50万kL/年の SAF 国内供給体制の構築に取り組んでいます。SAFの製造技術は近年開発・確立されてきたものですが、その一部には、出光興産の石油・石油化学事業における製造プロセスと知見を応用することが可能です。また、輸送・貯蔵・供給においては当社の既存設備・ネットワークが活用可能です。サプライチェーン全体での品質管理・品質保証についても、当社の持つ知見を活用できます。
航空機は、国内だけでなく国際的にも欠かすことのできない移動・輸送手段です。航空機への燃料供給を行ってきた当社だからこそ、SAFの安定的な生産・供給を通じて、航空業界の脱炭素化に貢献する使命があると考えています。
航空機は、国内だけでなく国際的にも欠かすことのできない移動・輸送手段です。航空機への燃料供給を行ってきた当社だからこそ、SAFの安定的な生産・供給を通じて、航空業界の脱炭素化に貢献する使命があると考えています。
今後の展開
SAFの国内供給に向け、グループ製油所・事業所における製造検討を以下の通り進めています。
・千葉事業所
ATJ(Alcohol to Jet:エタノールから SAF を製造する技術)による 製造実証
2028年度供給開始(10万kL/年)
・徳山事業所
HEFA(Hydroprocessed Esters and Fatty Acids:使用済み食用油などの油脂を水素化処理し
SAF を製造する技術)による製造
2028年度供給開始(25万kL/年)
安定的・効率的な原料確保にも着実に取り組んでおり、エタノールは海外におけるサプライヤー開拓と輸送経路の確保を進めています。使用済み食用油については油脂ビジネスを展開するLOPS株式会社と共同で、安定的な調達体制の構築を検討しています。
※2024年11月13日時点
・千葉事業所
ATJ(Alcohol to Jet:エタノールから SAF を製造する技術)による 製造実証
2028年度供給開始(10万kL/年)
・徳山事業所
HEFA(Hydroprocessed Esters and Fatty Acids:使用済み食用油などの油脂を水素化処理し
SAF を製造する技術)による製造
2028年度供給開始(25万kL/年)
安定的・効率的な原料確保にも着実に取り組んでおり、エタノールは海外におけるサプライヤー開拓と輸送経路の確保を進めています。使用済み食用油については油脂ビジネスを展開するLOPS株式会社と共同で、安定的な調達体制の構築を検討しています。
※2024年11月13日時点