性別にとらわれずに、個性を発揮して働くことができる職場づくり
出光興産は、DE&I推進の重点施策の一つとして、さまざまな場面での女性活躍を推進。ジェンダーにかかわらず全ての社員が活き活きと働き、さらなる成長・活躍ができる職場づくりに取り組んでいる。
R.IWAO
「出光興産は石油業界ということから、新卒採用時に女性の応募数が少ないのが現状です。そもそも日本国内で理系の女性が少ないこともあり、今は応募者の中で女性の人数を増やすことに注力しています。さらに、理系女性向けの就職セミナーやイベント、説明会などで『当社には女性が活躍する場がある』ということをしっかり伝えています。それでも『女性としてキャリアのイメージが描けない』『女性の先輩の話が聞きたい』という声はまだ耳にしますね。」
T.SUGIUCHI
「女性の活躍を支援する施策の一環として、『メンタリング制度※3』があります。女性の先輩がいないから不安、将来のキャリアをどう描けばいいかわからない、という声を受けて、担当職層の女性社員と部室長クラスの役職者(管理職)による社内メンタリングや、女性役職者と他企業の経営層がペアになる「クロスメンタリング」などを実施しています。「クロスメンタリング」は、メンティである女性役職者だけでなく、メンター自身の成長にも重点を置いたプログラムになっているので、双方から高い評価を得ているのは非常に嬉しく思います。」
Y.NISHIYAMA
「私はメンティ(支援・助言を受ける立場)として2024年のクロスメンタリングに参加しました。出光に入社したばかりで、業務上の明確な悩みはまだ抱いていませんでしたが、考え方や視座を段階的に引き上げていただいて、とてもためになりました。通常は接することができないような他社の上位職の方と密にお話し、アドバイスを受けるという貴重な機会を得ることができました。さらに、他社の女性役職者の方々と横のつながりができたことも大きな収穫です。このネットワークを、自分も含めた女性のキャリアプランづくりに役立てていきたいと考えています。」
クロスメンタリングは、出光興産が他企業と手を結び、女性役職者の自律的キャリア形成やジェンダーギャップの解消を目的として2023年、2024年に開催。企業を横断した取り組みは社外からも注目されている。
- 3. メンター(支援者・助言者)とメンティ(支援・助言を受ける立場)が対話を重ねることでメンティの成長を支援したり、相手に気づきを与えたりする人財育成の手法
あらゆる立場の人たちがより働きやすい企業へ
出光興産では、女性の活躍推進のみならず、すべての社員に対して仕事と生活を両立できる就業環境の整備を進めている。
R.IWAO
「私は、少数派の女性がまず意見を言うことによって、気づかれにくいことに焦点が当たるのではないかと考えています。例えば、身長が低い人は高いところの物を取るための道具が必要だとか、筋力が弱い人は現場で人一倍負荷が掛かってしまうとか。女性というワードを一つのきっかけにすることによって、多数派、少数派を問わず誰もが働きやすい企業にしていくことができるのではないでしょうか。」
Y.NISHIYAMA
「今後は介護に関わる人が増えてくるでしょう。育児に対する理解は浸透してきていると感じますが、介護で休みを取る社員のバックアップや、組織をどう支えていくかは各部門と一緒に考えていくことなのかなと思っています。制度はもちろん必要ですが、周りの意識も変えていかなくてはなりません。介護でベテラン層が抜けた時に、若手や中堅が主体となって組織を支えることになる。ベテランが組織を離れても大丈夫な体制を整えていくことが課題になると思います。」
出光興産は、コアタイムを設けないフレックス勤務制度を導入している。さらに、週あたりの勤務時間の配分を各自で調整できるため、育児や介護、自己研鑽のために「中抜け」をしたり、曜日によって勤務時間に軽重をつけたりすることもできる。あらゆる立場の人が個性を発揮して働ける環境が整っている。