



2024.03.21
CO₂を資源として「使う」、CCUSへの挑戦。日本初の合成炭酸カルシウムを用いたアスファルト
- 省資源・資源循環

CO₂の排出量を減らす取り組みは、よく目にするかもしれません。減らす取り組みに加え、今注目を集めているのがCO₂を「使う」技術。「Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage」の略で、日本語では「二酸化炭素の回収・貯留・有効利用」技術と呼ばれています。出光興産もこのCCUSに取り組んでおり、その一つが「合成炭酸カルシウムを利用したアスファルト舗装」です。
一般的なアスファルトには、天然炭酸カルシウムを細かく砕いたものが使われています。出光が実現したのは、カルシウムを多量に含む産業廃棄物に、排ガスから出たCO₂を炭酸塩として閉じ込めた「合成炭酸カルシウム」を、天然炭酸カルシウムと置き換えてアスファルト舗装の材料として活用するというもの。
日本国内でアスファルト舗装に使われる材料は、年間で約4,000万t。そのうちの約3%にあたる120万tに炭酸カルシウムが使われています。炭酸カルシウムの成分の約40%がCO₂なので、すべてを合成炭酸カルシウムに置き換えることができれば、年間約50万tものCO₂をアスファルト舗装に活用できることになります。
2022年3月、千葉県袖ケ浦市にある石炭・環境研究所にて、合成炭酸カルシウムを用いた試験舗装を日本で初めて実施しました。道路は悪条件下で長い期間使われるものですので、絶対に安全でなくてはなりません。次の目標である実用化に向け、時間の経過に伴う強度と耐久性の検証、公共資材以外での実績の積み上げを継続しています。
2023年6月には、日本コンクリート株式会社と合成炭酸カルシウムの製造・販売事業に関して、両社と協力して進めることで基本合意しました。事業化に向けて、以下の項目について共同で検討・実施します。
合成炭カル製造設備(製造能力700t/年、以下パイロットプラント)の建設と性能確認(日コン100%子会社である、NC西日本パイル製造株式会社滋賀工場内)
製造する合成炭カルの品質評価
製造された合成炭カルを使ってのマーケティング
一般的なアスファルトには、天然炭酸カルシウムを細かく砕いたものが使われています。出光が実現したのは、カルシウムを多量に含む産業廃棄物に、排ガスから出たCO₂を炭酸塩として閉じ込めた「合成炭酸カルシウム」を、天然炭酸カルシウムと置き換えてアスファルト舗装の材料として活用するというもの。
日本国内でアスファルト舗装に使われる材料は、年間で約4,000万t。そのうちの約3%にあたる120万tに炭酸カルシウムが使われています。炭酸カルシウムの成分の約40%がCO₂なので、すべてを合成炭酸カルシウムに置き換えることができれば、年間約50万tものCO₂をアスファルト舗装に活用できることになります。
2022年3月、千葉県袖ケ浦市にある石炭・環境研究所にて、合成炭酸カルシウムを用いた試験舗装を日本で初めて実施しました。道路は悪条件下で長い期間使われるものですので、絶対に安全でなくてはなりません。次の目標である実用化に向け、時間の経過に伴う強度と耐久性の検証、公共資材以外での実績の積み上げを継続しています。
2023年6月には、日本コンクリート株式会社と合成炭酸カルシウムの製造・販売事業に関して、両社と協力して進めることで基本合意しました。事業化に向けて、以下の項目について共同で検討・実施します。