燃料油の低炭素化
出光興産は、エネルギートランジションの実現に向け、多様で地球環境に優しい低炭素エネルギーの安定供給に取り組んでいます。
SAF(持続可能な航空燃料)
気候変動対策としてICAO(国際民間航空機関)が定めた「2021年以降のCO2排出量を、2019年のCO2排出量までに抑える」という目標の達成に向け、国際航空輸送業界において、具体的な対策が検討されています。その手段の一つとしてSAF(Sustainable Aviation Fuel)は導入・活用が強く期待されています。
当社は2030年に年間50万KLの国内供給体制を構築すべく、原料や輸送経路の確保に取り組んでいます。
合成燃料
合成燃料は、CO2フリー水素とCO2を合成することで生成される液体燃料です。原料製造から製品利用までの製品ライフサイクル全体において、CO2排出量が実質ゼロの次世代エネルギーです。当社は合成燃料の海外調達に向けた検討を進めるとともに、2030年までに国内における合成燃料の生産・供給体制を確立することを目指しています。
SAF、合成燃料をはじめとした当社の取り組みはこちら
バイオ混合燃料
使用済み食用油由来のFAME※を燃料油と混合したバイオ混合燃料の実装に向けて、様々な実証を行っています。FAMEを混合したバイオ混合燃料は、化石燃料由来の燃料と比較してCO2排出削減効果が期待できます。
FAMEを混合したバイオ混合燃料には、寒冷地では扱いが難しいという課題があります。そのため、FAMEを混合したバイオ混合燃料の船舶向け実証試験をエンジンメーカー協力のもと実施しています。
出光カーボンオフセットfuel
企業が森林の保護や植林、省エネルギー機器導入などを行うことで生まれたCO2などの削減効果を、権利として発行したものをカーボンクレジットといいます。当社は、脱炭素化への移行期において、お客様が削減困難なCO2排出量に対してはカーボンクレジットなど様々な手法を用いて低炭素化に貢献します。
その一環として、燃料油にボランタリーカーボンクレジット(民間セクター・NGOなどによって発行されるクレジット)を付与した「出光カーボンオフセットfuel」を2023年7月に販売を開始しました。また、2023年12月からは地球温暖化対策の推進に関する法律に基づく、温室効果ガス排出量の算定・報告・公表制度に活用できるJ-クレジット(国が認証するクレジット)を付与した「出光カーボンオフセットfuel
J」の販売を開始しました。工場などで燃料油を使用する需要家の脱炭素への取り組み・企業価値向上を支援します。