潤滑油のなりたち
よりよい製品への要望を集約
さて、ベースオイルや添加剤を用いた新しい潤滑油は、どのようにして誕生するのでしょうか。おおよその流れは次のとおりです。

まず図-3に、一つの潤滑油が誕生するまでの流れを簡単ににまとめてみました。なにはともあれ、潤滑油づくりは現場でのお客様のご要望からスタートしますが、要望は実に多様でいろいろな種類のものがあります。
- 温度が変わっても潤滑油の粘度変化が少ないものがほしい
- 一度充填したら機械の寿命まで使用できるものであってほしい
といった、新しい商品を開発するときに比較的潤滑油としての性能目標に置き換えやすいご要望から、
- 廃油処理で問題が起こらないものがほしい
- かぶれにくいものであってほしい
など、さまざまです。
これら種々の要望を、潤滑油という切り口で整理し、たくさんの新しい候補油が検討されますが、ここでは過去のデータベースや蓄積されたノウハウが役立てられていきます。
用いられるベースオイルと添加剤、添加剤間の相互作用や最適量の決定などに関しては、実験データがものをいう一方、数多くの経験も必要な世界です。
こうして検討され、調合された試作油は、実験室内でその物性や性能がチェックされます。- 粘度や引火点などの物性値は?
- オイルとしての安定性は?
- 耐磨耗性能は十分か?
などがチェックポイントとなります。
これらのテストで候補油が絞り込まれた後、研究所内の実際の機械や、対象とする機械要素の潤滑状態をシミュレートした実験装置を用いて、実用性能評価テストが行われます。
ここでは、現場でのあらゆる運転条件を想定し、これらをクリアできる厳しい実験条件を設定しながら評価を行うことがポイントです。
さらに、これらのテストに合格した候補油は、お客様と触れ合う現場で、実際の機械を用いてテストされ、ユーザーの目から見た厳しいチェックが行われていきます。
こうして完成された最終試作品については、品質規格会議でさらに討議され、商品としての品質を保っていくために必要な管理項目と基準値が決められています。
製造プラントでは、定められた製品の仕様書に基づいて調合され、すべての品質管理項目に合格していることを確認された製品が、ドラム缶や20ℓ缶に充填されて、商品としてお客様のもとへ届けられていくわけです。
これらのテストで候補油が絞り込まれた後、研究所内の実際の機械や、対象とする機械要素の潤滑状態をシミュレートした実験装置を用いて、実用性能評価テストが行われます。
ここでは、現場でのあらゆる運転条件を想定し、これらをクリアできる厳しい実験条件を設定しながら評価を行うことがポイントです。
さらに、これらのテストに合格した候補油は、お客様と触れ合う現場で、実際の機械を用いてテストされ、ユーザーの目から見た厳しいチェックが行われていきます。
こうして完成された最終試作品については、品質規格会議でさらに討議され、商品としての品質を保っていくために必要な管理項目と基準値が決められています。
製造プラントでは、定められた製品の仕様書に基づいて調合され、すべての品質管理項目に合格していることを確認された製品が、ドラム缶や20ℓ缶に充填されて、商品としてお客様のもとへ届けられていくわけです。
商品誕生は現場が原点

このように、お客様のニーズからスタートして開発・製造されている潤滑油は、現在千種類以上にもおよび、これらの潤滑油はさらに、新しい時代の要望に応えるため、日々改良が進められています。
潤滑油商品の誕生には、お客様のニーズとこれを具体化する商品開発技術に加え、品質管理・製造技術が不可欠で、これらの関係を整理すると図-4のようになります。
私たちは、これからも「ユーザー現場第一主義」を守りながら、これに応えられる開発技術・製造技術の向上に努めます。
潤滑油商品の誕生には、お客様のニーズとこれを具体化する商品開発技術に加え、品質管理・製造技術が不可欠で、これらの関係を整理すると図-4のようになります。
私たちは、これからも「ユーザー現場第一主義」を守りながら、これに応えられる開発技術・製造技術の向上に努めます。