



2025.06.10
農業と発電を両立した「営農型太陽光発電」を現地からレポート!
- スマートよろずや

営農型太陽光発電ってなに?
近年、日本の農業と再生可能エネルギーが抱える課題の解決策の一つとして期待されている「営農型太陽光発電」。営農型太陽光発電とは、農地の上に太陽光パネルを設置して、農地で作物を育てながら太陽光発電も並行して行う取り組みです。
農業は収穫量・品質、市場価格などにより収入が安定しにくいことから、後継者不足や農地の放棄などの課題があります。また、太陽光発電については、大規模な発電所を設置できる適地が少なくなってきていることが、日本の再生可能エネルギー拡大に向けての課題の一つになっています。
これらの課題を解決できる可能性があると注目を集めているのが、営農型太陽光発電なのです。
農業は収穫量・品質、市場価格などにより収入が安定しにくいことから、後継者不足や農地の放棄などの課題があります。また、太陽光発電については、大規模な発電所を設置できる適地が少なくなってきていることが、日本の再生可能エネルギー拡大に向けての課題の一つになっています。
これらの課題を解決できる可能性があると注目を集めているのが、営農型太陽光発電なのです。
出光興産は、2023年6月に千葉県木更津市の田んぼで営農型太陽光発電の実証を開始しました。
農業と発電の両立ってどうやるの?

営農型太陽光発電では、農地に支柱を立てて、そのうえに太陽光発電パネルを設置しています。
写真からも分かるように十分な作業空間を確保できており、田植え機に乗った作業も問題なく行えます。
しかし、このままではパネルが太陽光を遮ってしまい、農地に十分な光を供給出来ません。
営農型太陽光発電を行うにあたっては、平均的な単位面積当たりの収穫量と比較して概ね2割以上減収しないことが制度で定められています。つまり、発電を優先して、収穫量を大きく減らしてはいけないのです。
写真からも分かるように十分な作業空間を確保できており、田植え機に乗った作業も問題なく行えます。
しかし、このままではパネルが太陽光を遮ってしまい、農地に十分な光を供給出来ません。
営農型太陽光発電を行うにあたっては、平均的な単位面積当たりの収穫量と比較して概ね2割以上減収しないことが制度で定められています。つまり、発電を優先して、収穫量を大きく減らしてはいけないのです。
このような基準をクリアするために、出光興産が実証実験を進める営農型太陽光発電では、太陽光発電パネルにさまざまな工夫を施しています。
【作物への日射量を最大化する生育モード】

作物を育てる時期は、太陽光の差し込む角度とパネルが常に平行になるように制御し、作物へ太陽光が当たるようにします。また、両面パネルを採用しているため、太陽光だけでなく、田んぼの水面や稲穂からの反射光も余すことなく取り込んで発電できます。
【発電量を最大化する発電モード】

作物を育てていない期間は、太陽光の射し込む角度に対してパネルが垂直になるように制御し、パネルに太陽光が当たるようにします。これにより、発電量を最大化しています。

従来の営農型太陽光発電はパネルの向きが固定されているため、太陽の位置によって作物への日射量が変わり、作物への日射量を制御することができません。
出光興産の営農型太陽光発電は、上記の図の通り、作物を育てる期間は農作物への日射を優先する「生育モード」と作物を育てていない期間はパネルへの日射を優先し発電量を最大化する「発電モード」を切り替えることで、農業と発電を両立する次世代の営農型太陽光発電です。
また、「生育モード」「発電モード」のほかに、強風を感知した際にパネルが飛ばされないように八の字を作る「強風退避モード」もあります。
出光興産の営農型太陽光発電は、上記の図の通り、作物を育てる期間は農作物への日射を優先する「生育モード」と作物を育てていない期間はパネルへの日射を優先し発電量を最大化する「発電モード」を切り替えることで、農業と発電を両立する次世代の営農型太陽光発電です。
また、「生育モード」「発電モード」のほかに、強風を感知した際にパネルが飛ばされないように八の字を作る「強風退避モード」もあります。
※参考:パネル傾きが変わり、農作物に太陽光が当たっている様子(早回ししています)

出光興産は木更津市の実証において、2023年6月からの2年間で、米の収穫量と品質は営農型太陽光発電設備を設置していない田んぼの米と遜色ないことを確認しました。
木更津の約40倍!徳島県小松島市で大規模実証を2026年2月から開始
木更津市の実証では、実証に協力いただいた農家の方から、より良い営農型太陽光発電を実現するためのアドバイスを頂きました。たとえば、支柱の近くには農作機が近づけないため、田植えができないデッドスペースが出来ていました。この課題は使用する農作機の幅に合わせて支柱を立てることで、改善が可能です。
出光興産は木更津市の実証で得られた知見を生かして、大規模な次世代営農型太陽光発電の事業化の可能性を確認するために、徳島県小松島市に国内初の「2MW規模の次世代営農型太陽光発電所」の建設を開始しました(農業と再生可能エネルギー発電の両立に向け国内初2MWの次世代営農型太陽光発電所を徳島県に建設)。2026年2月の完工後、木更津の約40倍の広さでも同様の農業と発電の両立ができるのかを確認します。
出光興産は木更津市の実証で得られた知見を生かして、大規模な次世代営農型太陽光発電の事業化の可能性を確認するために、徳島県小松島市に国内初の「2MW規模の次世代営農型太陽光発電所」の建設を開始しました(農業と再生可能エネルギー発電の両立に向け国内初2MWの次世代営農型太陽光発電所を徳島県に建設)。2026年2月の完工後、木更津の約40倍の広さでも同様の農業と発電の両立ができるのかを確認します。