2023年8月24日

一歩先のエネルギー

出光興産とLOPSによる持続可能な航空燃料の原料調達に関する共同検討について

SAF

出光興産株式会社
LOPS株式会社

出光興産株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:木藤 俊一、以下「出光興産」)と、油脂ビジネスを展開するLOPS株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:斎藤 一樹、以下「LOPS」)は、持続可能な航空燃料(Sustainable Aviation Fuel、以下「SAF」)の原料調達に関する共同検討を実施することに合意し、このたび基本合意書を締結しました。両社は今後、国産SAFの社会実装に向けて、使用済み食用油(以下、「廃食用油」)などのSAF原料を国内各地から安定的に調達する体制を2020年代後半までに構築することを目指します。

航空業界におけるCO₂削減の具体策として、SAFの安定供給の実現に対する社会的な要請が高まっています。SAFは非化石由来の原料から製造されますが、食用作物と競合の少ない原料の確保が課題の一つとなっています。本合意により両社は、出光興産が持つ石油製品の製造技術、LOPSが持つ動植物油脂に関する知見、それぞれのサプライチェーンを活用し、国内における廃食油などのSAF原料の調達、貯蔵・海上輸送・陸上輸送の最適化とコスト削減、安定調達に向けた仕組みづくりに関する検討を行います。

出光興産は、2030年までに本邦エアラインによる燃料使用量の10%をSAFに置き換えるという日本政府および航空業界の目標実現に向け、年間50万KLのSAF国内生産体制の構築に取り組んでいます。そのために、2026年度から供給開始予定の千葉事業所でのATJ※1技術による実証に加え、2020年代後半の供給開始を目指し、HEFA※2技術も対象に2号機以降の展開を検討しています。

LOPSは、2007年に設立された油脂専門商社です。生産者との友好的かつ強固なパートナーシップを背景に様々な用途に油脂原料を供給しており、廃食油の輸出では50%以上のシェアを持っています。油脂の安定供給とマーケットの安定化を図ると共に、常にグローバルな視点に基づき、油脂業界に於けるスタビライザーとして社会に貢献しています。

両社は本合意により、SAF原料確保の課題解決に取り組み、航空燃料の脱炭素化へ貢献します。

今後の協業イメージ
今後の協業イメージ
今後の協業イメージ
  • ATJ:Alcohol to Jet
    エタノールからSAFを製造する技術・プロセスで、SAFの国際規格「ASTM D7566 Annex5」として認証されている。

  • HEFA: Hydroprocessed Esters and Fatty Acids
    廃食用油などを水素化処理するSAF製造方法

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