2023年2月3日
多様な省資源・資源循環
豪州 エンシャム石炭鉱山の権益譲渡について
出光興産株式会社（本社：東京都千代田区、代表取締役社長：木藤 俊一、以下 当社）は、当社が100％出資する出光オーストラリア（本社：クイーンズランド州ブリスベン）を通じて権益を保有する豪州エンシャム石炭鉱山（クイーンズランド州）の全権益（85％）を、Sungela Pty Ltd※1（本社：ニューサウスウェールズ州シドニー、出資比率（予定）：Thungela社（75％）Mayfair社（12.5％）Audley社（12.5％））に譲渡することに合意し、本日売買契約を締結しました。今後は譲渡完了へ向け具体的な手続きを進めてまいります。
当社は、エネルギーを安定供給する責務を果たしながらカーボンニュートラル社会の実現に貢献するため、2030年ビジョンとして「責任ある変革者」を掲げています。
また、昨年11月16日に公表した中期経営計画（2023～2025年度）において、2050年ビジョン「変革をカタチに」を新たに設定しました。化石燃料資産の圧縮・既存事業の収益最大化による資本効率化とカーボンニュートラルに資する新規事業の拡大により事業ポートフォリオ転換を進め、サステナブルな成長を目指しています。
上記ビジョン・方針のもと、今般、石炭の代替燃料としての出光グリーンエナジーペレット※2 の事業化推進と同時に石炭事業の構造改革の一環としてエンシャム石炭鉱山を売却することと致しました。
- 石炭事業の構造改革の主な戦略は以下の通りです。
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- ① 競争力の高いボガブライ鉱山の活用による国内需要家を中心とした安定供給の継続と収益の最大化/li>
- ② インドネシア マリナウ鉱山（22年3月売却済）および豪州 エンシャム鉱山の売却
- ③ 既存の事業基盤を活用した新規事業の展開（鉱山跡地を活用した再生可能エネルギー、石炭採掘技術を生かしたレアメタル開発等）
当社が権益を保有する豪州の石炭鉱山は、マッセルブルック鉱山の終掘（22年12月）、エンシャム鉱山の譲渡により、ボガブライ鉱山のみとなります。上記の通り、当該鉱山の操業を通じ、今必要なエネルギーの安定供給の使命を果たしながら、当社が長年豪州で培ってきた経営資源を最大限活用し、将来需要伸長が見込まれる再生可能エネルギー、レアメタル、水素・アンモニアなどの新規事業への移行を推進してまいります。
なお、譲渡価格は譲渡日時点で支払われる一時金340百万豪ドルおよび2023･2024年にエンシャム鉱山から販売される石炭の価格･数量に応じた条件付き事後払いで構成されます。従って、最終的な譲渡価格は変動しますが、本譲渡による当社連結業績への影響は軽微です。
- ■エンシャム鉱山概要
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- 1．場所：豪州クイーンズランド州
- 2．開山年度：1993年出炭
- 3．権益構成（譲渡後）：Sungela Pty Ltd 85％、Bowen Investment（Australia）Pty Ltd 15%
- 4．生産量実績：年産4.3百万トン（2021年度実績、権益100%分）
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本譲渡に伴い設立されたThungela社・Mayfair社・Audley社の３社による共同出資会社。
- Thungela社概要
- 本社は南アフリカ共和国ヨハネスブルグ。英国資源メジャーであるAnglo American社が事業転換の一環として、南アフリカの一般炭資産を新たな持ち株会社に分離独立させるために設立した会社。南アフリカにて7つの一般炭鉱山を操業している。ヨハネスブルグ証券取引所およびロンドン証券取引所上場。https://www.thungela.com/
- Mayfair社概要
- 本社は豪州ブリスベン。金属や天然資源の探鉱プロジェクト等へ投資しており、多様なポートフォリオを有している。
- Audley社概要
- 本社は豪州ブリスベン。鉱業および金属産業の長期的な投資に特化したスイスを拠点とするヘッジファンドAudley Capitalのグループ会社。
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一般に普及している木質ペレットなどを半炭化した、カーボンニュートラルな高カロリー燃料。既存の石炭燃焼設備の改造が不要で、石炭の代替として使用することが可能。
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