2022年10月27日
その他
「Idemitsu Art Award 2022」グランプリに竹下麻衣氏『せんたくものかごのなかで踊る』を選出 -受賞:8作品・入選:46作品、計54点を決定-
出光興産株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:木藤俊一)は、「Idemitsu Art Award 2022」のグランプリに竹下麻衣氏『せんたくものかごのなかで踊る』を選出、グランプリを含む8点の受賞作品と46点の入選作品を決定しました。受賞・入選作品は、12月14日(水)から国立新美術館で開催する「Idemitsu Art Award展2022」で展示します。
「Idemitsu Art Award(旧「シェル美術賞」※)」は、40歳までの若手作家を対象とする公募制の美術賞です。1956年に「シェル美術賞」として創設し、今年で51回目の開催となります。審査は、木村 絵理子氏(横浜美術館主任学芸員)、正路 佐知子氏(福岡市美術館学芸員)、桝田 倫広氏(東京国立近代美術館主任研究員)、鷲田 めるろ氏(十和田市現代美術館館長)、青木 恵美子氏(画家)の5名が務めました。本年は650名の作家から応募があり、昨年の508名から大幅に増えました。また、860点の作品応募があり、昨年より128点増加しました。
当社は、今後も本美術賞を通じて若手作家の活躍を支援するとともに、作品発表の機会を積極的に提供してまいります。

グランプリ受賞作品 竹下麻衣『せんたくものかごのなかで踊る』
※「Idemitsu Art Award」は、2022年4月に「シェル美術賞」から改称しました。
■「Idemitsu Art Award展2022」概要
本年の受賞・入選作品を展示する「Idemitsu Art Award展 2022」を、12月14日(水)から国立新美術館で開催します。
展覧会場では、過去の受賞・入選作家の中から、今後より一層の活躍が期待される作家を応援する企画、「Idemitsu Art Award アーティスト・セレクション 2022」も開催します。「シェル美術賞2021」の審査員により選出された作家4名の新作・近作を展示します。
- 展覧会名
- 「Idemitsu Art Award展 2022」
- 会期
- 12月14日(水)~12月26日(月) ※20日(火)休館
- 時間
- 10時00分~18時00分(入場は閉館30分前まで)
※最終日26日(月)は、10時00分~16時00分(入場は本美術展の閉会30分前まで) - 会場
- 国立新美術館 1階展示室1B(東京都港区六本木7-22-2)
TEL:03-6812-9921 ※会期中のみ - 入場料
- 一般400円
※学生、70歳以上の方、障がい者手帳をお持ちの方および付添者1名まで無料
※会場にて、Idemitsu Art Award公式ウェブサイトトップページのスマートフォン画像またはプリントアウトしたものをご提示いただくと、入場料が100円引きとなります。
※Idemitsu Art Award公式ウェブサイトはこちら - 展覧内容
- 「Idemitsu Art Award 2022」グランプリおよび受賞・入選作品 計54点
「Idemitsu Art Award アーティスト・セレクション2022」- 倉敷 安耶(シェル美術賞2020 入選)
- 中尾 美園(シェル美術賞2013 入選)
- 永井 里枝(シェル美術賞2016 入選)
- 福田 絵理(シェル美術賞2013、2019 入選)
「Idemitsu Art Award 2022」受賞作家8名の作品情報・プロフィール・コメント
「Idemitsu Art Award 2022」受賞作家8名の作品情報・プロフィール・コメントを紹介します。
※その他、入選作家・作品情報に関しては、Idemitsu Art Award 公式ウェブサイト をご覧ください
■グランプリ 竹下 麻衣
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<プロフィール>
1999年生まれ 京都府在住
2022年 嵯峨美術大学芸術学部造形学科 卒業
<受賞の言葉>
大きな賞をいただけましたことを大変嬉しく思います。支えてくださった方々への感謝の気持ちを忘れずに、これからも真っ直ぐに作品と向き合いながら制作を続けたいと思います。
<受賞作品について>
この作品を描いているとき、どのように着地するのかと悩んだこともありました。ですが最後は楽しく描きあげることができました。自分のなかでしっくりくる色の組み合わせやかたちを合わせることができたり、気持ちよく線をひくことのできた作品になったと思います。
<今後の目標>
これからも絵を描き続けたいです。今現在の目標としては、個展などでさまざまな人に自分の作品をみてもらう機会をつくることです。いろいろなものをみて感じながら自分の表現の幅を広げていきたいです。
■木村絵理子審査員賞 高見 基秀
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<プロフィール>
1986年生まれ 千葉県在住
2010年 富山大学芸術文化学部芸術文化学科造形芸術コース 卒業
2012年 東北芸術工科大学芸術文化専攻洋画領域修士課程 修了
<受賞の言葉>
この度は、木村絵理子先生審査員賞を頂戴し、誠にありがとうございます。
制作を地道に続けてきた結果このような賞につながったことは大変嬉しく思いますし、これまで自分の作品を理解し、支えてくれた両親に感謝を述べたいと思います。
<受賞作品について>
今回の作品ではSNSなどで見られる炎上をテーマに作品を制作しました。歪んだ家のようなモチーフは、まるで欲望が肥大化したかのように醜く歪んだ造形になっています。作品を見る視線は、画面の中の家を対岸の火事として見る視線と重なります。悲壮感や切迫感のない様子は日常的に炎上を見慣れている私たちの無関心な目線そのものかもしれません。
■正路佐知子審査員賞 𠮷田 桃子
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<プロフィール>
1989年生まれ 大阪府在住
2016年 京都市立芸術大学大学院修士課程絵画専攻 修了
<受賞の言葉>
このような光栄な賞をいただき、ありがとうございます。
今まで私の制作の根本にあったのは一貫して、自分の記憶や親しい人からインスピレーションを得たノスタルジーやエモーショナルな感情でしたが、作品の中に鑑賞者が入り込める余地を作るというテーマを元に、この作品ではより視野を広げ、自分が実際に会った事のない人物や、そこから想像する世界観を取り込みました。
新しい挑戦を始めた第一作目の作品を評価していただけたことを、とても嬉しく思います。
<受賞作品について>
私の作品の中に繰り返し描かれる、制作のプロセスの中で具体化される架空の人物は、自身のノスタルジーやエモーショナルな感情の中に鑑賞者が入り込める余地を作るための、重要なモチーフの一つです。この作品では、現代を生きる若者というキャラクターを設定し、「個人主義的で、様々な価値観にフラットであり、何にも属さないような、あるいはあらゆる境界を横断できる」という、私がZ世代以降の若者に対し感じる空気感を、ポジティブな解釈として表現したいと思いました。
■桝田倫広審査員賞 檜垣 春帆
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<プロフィール>
1995年生まれ 山梨県在住
2020年 多摩美術大学大学院美術研究科博士前期課程絵画専攻油画研究領域 修了
<受賞の言葉>
絵を見つけて頂き、ありがとうございます。
<受賞作品について>
今年の3月、初めてグループ展に参加した際に持って行った絵です。今の生活を始めてから描いたもののなかでもとくに納得できるところまで粘った絵でした。
■鷲田めるろ審査員賞 石川 ひかる
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<プロフィール>
1999年生まれ 神奈川県在住
2022年 多摩美術大学美術学部絵画学科油画専攻 卒業
2022年 多摩美術大学大学院美術研究科博士前期課程絵画専攻油画研究領域一年 在籍
<受賞の言葉>
このような賞を頂けて大変嬉しいです。
作品の制作過程では様々な気持ちが自分のなかで生まれ、うまくいくことばかりではありませんでしたが、今回の受賞は制作を続けていてよかったと思える出来事でした。私に関わるすべての方々、この機会を作り上げてくださったすべての関係者の方々に心から感謝申し上げます。
<受賞作品について>
住んでいた家のバスルームを描きました。モチーフは実家のバスルームですがもう何年も実際に見ていないので、ぼんやりした記憶の中で自分によって強調されている部分や、よく覚えていること、人の気配や水の気配を表現しようと制作しました。
■青木恵美子審査員賞 ナカバヤシ アリサ
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<プロフィール>
1992年生まれ 神奈川県在住
2017年 多摩美術大学美術学部絵画学科油画専攻 卒業
<受賞の言葉>
この度は賞に選んでいただき、本当にありがとうございます。
作品制作に関わる日常生活や精神的な支えをしていただいた周りの人へ、感謝の気持ちを伝えたいと思います。また、今回私の作品を観ていただき、さらに評価していただいた審査員の方ならびにIdemitsu Art Awardご関係者の方々にも多大なる感謝を申し上げます。また一歩、自信がつきましたがこれに甘んじる事なく作家として今後ともさらに精進してまいります。
<受賞作品について>
この絵はNY郊外の森を明け方散歩していた時に観た景色になります。その日は陽が高く、緑が濃すぎて私の目には真っ赤に見え、影は長くそこに染み込んだように黒くジワッと刻みこまれていました。日本に帰って来てから、あの時の自然の中の不自然さや感じた違和感を絵にしたいと思い、写真やドローイングをもとに描き始め、跳ねたり飛んだ絵の具の滲みなどコントロールできない部分はそのままに一気に描き上げたこの絵は写真よりもリアルにその時の記憶を現してくれました。
■学生特別賞 魏 嘉
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<プロフィール>
1988年生まれ 東京都在住
2023年 東京藝術大学大学院博士後期課程油画専攻 修了予定
<受賞の言葉>
学生特別賞に選ばれて本当に感謝していますし、作品が認められて嬉しいことであり、達成感と安心感を与えてくれました。これまで自分の創作スタイルに少し不安を抱いていましたが、今回の受賞は肯定とモチベーションをもたらしました。そして、もっと様々な表現形式に試み続けようという意欲も湧いてきます。
<受賞作品について>
この作品では、これまでよりも少しずつ実験的なことをやっているような気がします。期待されていた映像的な結果には至っていませんが、現在の作品の段階を記録として、さらなる表現の可能性を模索していく。この作品を作る過程は、生活を記録する喜びでもあり、この作品を通して、この夏が私にもたらした物事や感情を見ることができるのです。
■学生特別賞 松浦 美桜香
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<プロフィール>
2001年生まれ 東京都在住
2022年 多摩美術大学美術学部絵画学科油画専攻二年 在籍
<受賞の言葉>
この度は、このような賞を頂戴し誠に光栄に思います。昨年に引き続き受賞することができ、信じられず非常に感激しております。今回受賞できたことを自信に、これからも精進して参ります。本当に心から感謝申し上げます。
<受賞作品について>
この作品は実際に制作した人形の作品をコラージュし、油彩で描くという複雑な工程によって生まれた作品です。パンデミックによって外界から閉ざされた時に他者を模索するように制作していた人形達を再構成することで、いま自分が見ている他者という存在の不透明性を改めて考え直すきっかけになった作品だと思います。
以上
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