2022年5月16日
その他
新発光方式により世界最高レベルの青色有機EL性能を実現 ~「Display Week 2022」最優秀論文に選定~
有機EL材料
出光興産株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:木藤 俊一、以下「当社」)は、蛍光型青色材料を用いた有機EL素子において、新発光方式を開発し、世界最高レベルの発光効率と長寿命化に成功しました。また、本成果はディスプレイ関連の世界最大の学会であるSociety of Information Display主催のシンポジウム 「Display Week 2022」の最優秀論文※1に選定されました。
1.成果の概要
有機ELディスプレイを構成する赤色、緑色、青色の画素に用いられる発光素子のうち、青色発光素子の更なる高性能化、長寿命化が課題となっています。本成果では、二つの青色材料の積層により、蛍光型素子※2の発光過程のうち電荷の再結合※3とTTF※4を起こす領域を分離することで発光ロスを抑え、高効率(EQE※5>14%)かつ長寿命の有機EL素子の開発および実用化に成功しました。
従来技術対比の発光効率向上と長寿命化を同時に実現する本技術は、有機ELディスプレイの更なる省電力化、製品ライフサイクルの向上による環境負荷への低減に寄与します。
【性能概要】
-
方式:発光層積層を用いた青色蛍光有機EL素子
-
LT95※6:400時間以上(電流密度50mA/平方センチメートルの駆動条件の結果)
-
EQE:14% (電流密度10mA/平方センチメートルの駆動条件の結果)
-
色度:(0.14, 0.08)(CIE1931 色度座標)
2.「Display Week 2022」最優秀論文への選定
本成果は5月9日より米国サンノゼで開催された「Display Week 2022」において、有機EL技術部門の最優秀論文に選定されました。
当社は、今後も高性能有機EL材料の開発により、有機EL素子およびディスプレイのさらなる高性能化に貢献します。
ニュースリリースに関する
お問い合わせ先
出光興産株式会社 広報部広報課