2020年4月1日
その他
2020年度入社式における社長挨拶について
出光興産株式会社(本社:東京都千代田区、トレードネーム:出光昭和シェル、以下当社)は、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、入社式を本日同時に全国4ヵ所にて分散開催いたしました。
代表取締役社長 木藤 俊一による新入社員へのメッセージは以下の通りです。
皆さん、入社おめでとうございます。会社を代表して心よりお祝い申し上げます。
本日は、皆さんが一堂に会する「入社式」を開催する予定にしていましたが、新型コロナウイルスの感染拡大を危惧し、分散開催といたしました。皆さんにお会いすることを大変楽しみにしていましたので非常に残念ですが、新しい仲間となる190名の皆さんの健康を第一に考え、決断しました。
映像を通じてとなりますが、皆さんの入社を心より歓迎し、私から3つの話をします。
まず1つ目です。当社が何よりも大切にしているのは、「事業を通じて社員を育成すること」 を、経営の目的、存在意義にしているということです。一般的に、企業は事業を成功させ、収益を最大化することを目的にし、人の育成はその手段と言われています。
しかし、当社は違います。目的と手段が逆なのです。事業を通じて社員を育て、育った社員が自らの能力を最大限発揮し、それぞれが持つ多彩な力を結集し、皆で一丸となって社会の発展に貢献する。これが当社の目指す姿なのです。「人は、無限のエネルギー。」というスローガンにもこの想いを込めています。
もう1つ大切にしていることは、「エネルギーセキュリティを支え、ライフラインを守る」 という社会的使命です。近年頻発している、地震や台風等の自然災害が発生した際も、被災地域に安定的にエネルギーを届け、ライフラインの要としての役割をしっかりと果たしてきました。今日から皆さんにも、誇りをもってこの使命を担っていただきたいと思います。
ご存知のとおり、昨年4月、出光興産と昭和シェル石油は経営統合しました。両社は、共に明治時代の日本で創業し、いち早く石油製品の販売に取り組み、戦中・戦後の激動の時代を通じ、日本のエネルギーセキュリティを守る、という社会的使命を果たしてきた会社です。この社会的使命を今後も盤石な体制で果たし続けるために経営統合したのです。
両社はともに、人が持つ無限の可能性を信じ、大切にしてきた会社です。この価値観が一致していたからこそ、互いをベストパートナーとして選んだのです。
当社の最大の財産は 「人の力」です。これから先どんな困難な時代がきても、社員がしっかり育っていれば、様々な困難を乗り越え、社会に貢献し続けていけると私は信じています。
社員の育成と社会的使命、この2つを大切にしているということを皆さんの胸にも刻んでおいてください。
2つ目は、次の時代に向けた取り組みです。当社の主力である国内石油事業は、中長期的に需要が減退することが見込まれています。また、地球環境問題への意識の高まりから、化石燃料を扱う企業への風当たりが強くなる等、経営環境は厳しさを増しています。
しかし、私たちはこれらを脅威としてではなく、人が育ち事業が変革するチャンスと捉え、どんな環境変化にも対応できる「レジリエントな企業体」となることを目指しています。
そのためにはまず、基盤事業の構造改革を行い、成長事業の規模・領域の拡大を図っていきます。更に、社会の変化、顧客ニーズの多様化、環境負荷低減等を見据えた新たな事業の創出にも取り組んでいかなければなりません。
例えば、現在当社は、超小型EVを活用する事業の検証を行っています。個人が車を所有するのではなく、サービスステーションを拠点に、地域のための移動・輸送手段として車を活用する仕組みです。EVが増えるとガソリンが売れなくなるのでは、と心配する人がいるかもしれませんが、これはサービスステーションの価値向上に繋がる取り組みなのです。
更に当社では、EVに搭載する電池の素材となるリチウムイオン固体電解質や車体に使われる高機能プラスチックの開発を行っています。その他にも、モーターを円滑に動かすための潤滑油、液晶表示に使用される有機EL、EVの充電に繋がるソーラーパネル事業も行っています。このように、将来へ向けた様々な取り組みを行っています。是非、皆さんも新しいエネルギーを発揮してください。期待しています。
最後に、私から皆さんに、孔子による論語の一説にある「知・好・楽」という言葉を贈ります。この言葉を仕事に当てはめれば、仕事を知っていること即ち知識をもっていることは素晴らしいことだが、好きだと思ってやっている人には勝てない、更に楽しんでいる人にはとてもかなわない、ということになります。仕事が楽しいと思えるようになるまでには、多くのことを学び、様々なことを経験し、それを1つ1つ乗り越えていくことが大切です。それには能力に限界を定めず、自らが持つ無限のエネルギーの全てをつぎ込むだけの情熱が必要です。
この後皆さんは、新入社員教育などを経てそれぞれの職場に配属されます。新入社員である皆さんは、直ぐに自分の希望する仕事が出来るとは限りません。どんな仕事であっても、まずは目の前の仕事に一生懸命取り組むことが大切です。それには、上司や先輩のアドバイスを素直に聴き、楽しく仕事ができるように努めることです。基本を身に着け、課題を達成できた人は、次のステップに進み、更に成長することが出来ます。このような自身の成長を通して社会に貢献することができるようになっていくのです。
昨年、統合新社 初となる中期経営計画を策定した際に、30年後の2050年を想定し、複数のシナリオを描きました。どんなシナリオになったとしても、30年後に会社の中枢として活躍しているのは本日入社された皆さんです。自分たちがこの会社の将来を支えるという気概を持って活躍されることを大いに期待して、私からのお祝いの言葉とします。

会場で木藤社長の祝辞を聴く新入社員
<参考>2020年度新入社員数(単位:名)
大学院・大学等 | 高専・高校等 | 合計 | |
---|---|---|---|
男性 | 90 | 73 | 163 |
女性 | 22 | 5 | 27 |
112 | 78 | 190 |
以上
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