審査会の様子

2023年は、617名の作家から831点の作品応募があり、盛況な審査会となりました。
Idemitsu Art Awardは「現物審査」にこだわり、5名の審査員が一次審査から全ての応募作品を実際に観て、審査を行っています。
多様な視点から審査が行われ、グランプリを含む8点の受賞作品と46点の入選作品が選出されました。

Idemitsu Art Award 2023 審査員の紹介(敬称略)

江上 ゆか(Yuka Egami)

江上 ゆか

1969年兵庫県生まれ。1992年京都大学文学部哲学科美学美術史学専攻卒業。同年より兵庫県立近代美術館(現・兵庫県立美術館)学芸員。近年、担当した展覧会に「関西の80年代」(2022年)、「集めた!日本の前衛-山村德太郎の眼 山村コレクション展」(2019年)、「美術の中のかたち—手で見る造形 触りがいのある犬—中ハシ克シゲ」(2018年)、「注目作家紹介プログラム チャンネル7 髙橋耕平—街の仮縫い、個と歩み」(2016年)、「阪神・淡路大震災から20年」(2014-15年)など(共同企画を含む)。

正路 佐知子(Sachiko Shoji)

正路 佐知子

photo: Shintaro Yamanaka
(Qsyum!)

岡山県生まれ。お茶の水女子大学大学院博士後期課程単位取得退学。福岡市美術館学芸員を経て2023年より国立国際美術館主任研究員。福岡市美術館時代に企画した主な展覧会は、「第9回21世紀の作家—福岡 大浦こころ展 やわらかな圧力」(2011)、「想像しなおし」(2014)、「歴史する!Doing history!」(2016)、「インカ・ショニバレCBE:FLOWER POWER」(2019)、「梅田哲也 うたの起源」(2019-20)、「田部光子展『希望を捨てるわけにはいかない』」(2022)、「藤野一友と岡上淑子」(2022-23)。

桝田 倫広 (Tomohiro Masuda)

桝田 倫広 (Tomohiro Masuda)

1982年生まれ。早稲田大学大学院文学研究科美術史学専攻博士後期課程単位取得退学。主な展覧会に「ゲルハルト・リヒター展」(2022年)、「ピーター・ドイグ展」(2020)、「アジアにめざめたら:アートが変わる、世界が変わる 1960–1990年代」(共同キュレーション、東京国立近代美術館、韓国国立現代美術館、ナショナル・ギャラリー・シンガポール、2018–2019)、「No Museum, No Life?—これからの美術館事典 国立美術館コレクションによる展覧会」(共同キュレーション、2015)など。

鷲田 めるろ(Meruro Washida)

鷲田 めるろ

1973年京都市生まれ、十和田市在住。東京大学大学院修士修了。金沢21世紀美術館キュレーターを経て、2020年より十和田市現代美術館館長。第57回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展日本館キュレーター(2017年)。あいちトリエンナーレ2019キュレーター。著書に『キュレーターズノート二〇〇七ー二〇二〇』(美学出版)。東京藝術大学大学院准教授。

竹中 美幸(Miyuki Takenaka)

竹中 美幸

photo:Hiromi Shinada

美術作家 多摩美術大学美術学部絵画学科油画専攻卒業後、同大学大学院美術研究科修了。東京を拠点に活動。主に透明な素材を用いて制作しており、光や影を取り込んだ平面作品やインスタレーションに展開。
近年の個展に「物語はつづく」(2023 スイトピアセンターアートギャラリー/岐阜) 、「陰と陽と」(2022 アートフロントギャラリー/東京)、「都市のさざめき」(2019 新宿パークタワーギャラリー1/東京)など。
主なグループ展に奥能登国際芸術祭2020+(スズ・シアター・ミュージアム/石川)、クインテットⅣ五つ星の作家たち(2018 SOMPO美術館/東京)、シェル美術賞アーティスト・セレクション2017(国立新美術館/東京)、VOCA展-新しい平面の作家たち-(上野の森美術館/東京)など。
主な受賞歴に2020年清流の国ぎふ芸術祭/篠原資明賞、2012年シェル美術賞/島敦彦審査員奨励賞、トーキョーワンダーウォール2010/ワンダーウォール賞など。

審査経過報告

1次審査 831作品 → 201作品

4作品ずつ審査員の前に並べ、審査員1名以上の挙手により審査経過としました。
ただし、最初の3分間で選外になった作品は、公平を期すため、全作品審査終了後、再度、審査を行いました。

2次審査 201作品 → 95作品

2次審査に先立ち、1人の作家で複数点残っている作品について審査を行いました。その後、3作品ずつ審査員の前に並べ、審査員2名以上の挙手により審査経過としました。

3次審査 95作品 → 71作品

4作品ずつ審査員の前に並べ、審査員2名以上の挙手により審査経過としました。

最終審査 71作品 → 54作品

3次審査を通過した71点を全て並べて審査を行いました。

グランプリの決定

審査員がグランプリ候補として各2作品に投票した結果、6作品がグランプリ候補として選出されました。その中の1作品に全審査員の1票(計5票)の投票があり各審査員が投票理由について説明した後、満場一致でグランプリが決定しました。

各審査員賞、入選作品の選出

審査員は審査員賞各1作品と入選各10作品(竹中審査員は6作品)を選出しました。

学生特別賞、追加入選作品の選出

入選作品の中から学生応募の作品を対象に、学生特別賞2作品の選出しました。
その後、学生特別賞に決定した2作品の代わりに、追加で入選2作品を選出しました。