大城夏紀 滞在レポートVOL.5

Natsuki Oshiro Residency Report vol.5

【2018/12/21 レポートvol.5】

オープンスタジオを終えて

昨日はオープンスタジオでした。

2ヶ月という限られた期間と、パリだからこそ、オープンスタジオだからこそできることを考えながら制作に取り組んだ結果、日本での作品とは異なるアプローチとなり、制作においても様々な発見がありました。

今回の滞在にあたって、ル・ノートルによるフランス庭園をテーマに調査・制作を行いました。
フランス式整形庭園は、一点に集約するような眺望と広大なスケール感、厳密な構成によって王の権威を表現する庭園です。このため、彫刻や噴水の造形を除いた大きな構成に、日本庭園やイギリス風景式庭園のような具体的なモチーフがありません。庭園はむしろ、室内装飾の延長のような美しい「装飾」と、遠近法を使用した厳密な構造が作り出す圧倒的な視覚効果で成立しています。
そこで今回、装飾性の象徴として柄付きの布を使用しつつ、装飾と構造体との組み合わせに焦点を当てることにしました。

作品では、フランス式整形庭園の構造を、言語化することで一度解体し、その後、二次元でのドローイングや三次元で素材を変えることを通して、再構築しています。 オープンスタジオでは、断片的な試みのようなものをいくつかの形式で提示しました。
ひとつの作品は別の作品の展開であり、段階を経て抽象化していったり、逆に他の意味を含んでいったり。そしてそれを全て含めて、名付けることや作品同士のつながりによって、ルールを作ること。
ぱらぱらと出てきた断片たちの中で、今後、どの芽を伸ばしていくか、全ての芽を大切にしていくか、日本に帰ってからじっくり考えたいと思います。

(フランス庭園の構造に焦点を充てる一方で、実際に庭園に足を運んだ体験は、素晴らしいものでした。今回、小部屋にて、庭園での映像を取り入れたささやかなインスタレーションにも挑戦しております)

クリスマスのお休み前ということもあり、19日、20日はたくさんのオープンスタジオが開催されていました。
私のスタジオにも、予想を上回り50名を超える方々にお越しいただき、目まぐるしくも幸せな一夜となりました。

お越しくださった方々、また日本で気にかけていてくださった方々に、心より御礼をお伝えしたい気持ちです。

【オープンスタジオの様子】

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