世界水準の掘削技術で挑む高温高圧井掘削
世界水準の掘削技術で挑む高温高圧(HPHT)井掘削
当社は、世界最高レベルの安全要求基準であるNORSOKを有するノルウェー北海において、大水深・高温高圧(High Pressure High Temperature:HPHT)坑井を、日本企業として初めてオペレータの立場で掘削した確かな実績を有しています。過酷な条件下における掘削作業には、高度な設計技術、精密な圧力制御、徹底した安全管理が求められます。当社は、計画立案から実行(Execution)に至る全工程において国際基準に準拠した技術を適用し、計画通りの掘削を完遂しました。
ベトナムにおけるHPHT井掘削とManaged Pressure Drilling(MPD)の適用
当社は、ベトナムにおいても高温高圧試探掘井および生産井をオペレータとして掘削しました。試探掘井では、当時現地ではまだ一般的ではなかったManaged Pressure Drilling(MPD)技術を先駆的に採用し、貴重な運用ノウハウを獲得しています。これらの知見は、その後の生産井掘削においても有効に活用されています。また、生産井掘削では、新型コロナウイルス感染症の影響により世界的にプロジェクトが停滞する中においても、感染防止対策を徹底したうえで、掘削および仕上げ作業を予定通り完了しました。
掘削マネジメントシステム(DMS)による高品質な掘削遂行
これらの実績を支えるのが、ノルウェー北海での掘削遂行に向けて構築した掘削マネージメントシステム(Drilling Management System:DMS)です。
DMSは掘削プロジェクトを、Appraise(評価)、Select(選定)、Define(定義)、Execute(実行)、Review(レビュー)の5つのフェーズに体系化して管理するもので、各段階において目的・活動・成果物・責任を明確化しています。プロジェクトの成熟度に応じて設計、コスト、リスクを段階的に精緻化し、井戸設計から掘削、仕上げに至るまで一貫した管理体制を確立しています。さらに、PIAIサイクル(Plan–Implement–Assess–Improve)を組み込み、掘削後の評価結果を次回プロジェクトに反映させる継続的改善プロセスを実施することで、技術と運営の両面で恒常的な向上を実現しています。
NORSOK D 010に基づく坑井健全性管理とWell Barrier設計
当社は、NORSOK D-010(坑井健全性に関するノルウェー基準)に準拠したWell Barrierの基本理念を採用しています。計画から、掘削、生産、廃坑に至る坑井のライフサイクル全体を通じて多重の安全対策を講じ、貯留層の安全な封じ込めと管理を実現しています。
HPHT掘削技術の地熱掘削事業への展開
当社の高温高圧掘削技術と管理体制は、石油・ガス開発分野にとどまらず、地熱掘削事業にも展開されています。石油・ガス掘削では、作業費が1日当たり1億円規模に達するプロジェクトもあり、そこ培われた管理手法は、地熱掘削においても有効です。地熱井では高温環境下における流体特性や掘削機材の健全性、金属の熱膨張など、特有の課題が存在しますが、当社はHPHT掘削で蓄積した知見と経験を活用し、安全に地熱井を掘削してきた豊富な実績を有しています。