潤滑油のなりたち

添加剤の役割

潤滑油には、その使用目的によってさまざまな添加剤が配合されています。例として自動車用エンジンオイルを考えてみましょう。

エンジンオイルは、エンジン下部にあるオイルパンからポンプで送られて、エンジン各部を潤滑したり冷却したりして、エンジンの滑らかな運転を助けています。例えば毎分数千回転で回っている軸受や、高速で上下に往復運動しているピストン部、動弁部や歯車部などがエンジンオイルの世話になっています。またエンジンは、寒い冬の朝の始動時から真夏の高速走行時まで、使用される範囲が広く、要求される性能も多岐にわたっています。

このように広い条件下でも十分な性能を発揮させるため、エンジンオイルには次のような添加剤が配合されています。
エンジンオイルに配合される添加剤
清浄分散剤 高温のピストン部で生成したススやスラッジを油中に分散させ、ピストンやエンジン内部をきれいに保つ
粘度指数向上剤・流動点降下剤 低温から高温まで広い温度範囲で潤滑油としての性能を発揮させる
酸化防止剤 潤滑油の劣化変質を防ぎ、長期間安定した性能を維持させる
極圧剤 歯車や動弁部の磨耗や焼け付きを低減させる
摩擦調整剤 エンジン内部の摩擦を低減し、燃費を向上させる
防錆剤 エンジン内部の錆を防ぐ
消泡剤 激しい撹拌(かくはん)によって発生したオイルパンの油面の泡を、すみやかに消す
その他潤滑油には、その使用目的に応じて、油性剤・乳化剤・金属不活性化剤・着色剤などの添加剤が配合されています。
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