新規開発への取り組み

かたつむり山発電所(秋田県小安地域)

2011年より秋田県の南東部に位置する小安地域の地熱資源の調査を開始し、2018年には共同出資会社として小安地熱株式会社を設立しました。
「地熱のまち」湯沢の蝸牛山の麓で、新たな地熱発電の実現を目指しています。

この小安地域において、当社・株式会社INPEX地熱開発・東京電力リニューアブルパワー株式会社の3社で出力1万4,990kWの地熱発電所の建設を進めています。2022年から建設工事を開始し、運転開始時期は2027年を予定しています。

また、同発電所は、2023年3月に経済産業大臣より、地熱発電所として初めて重要電源開発地点に指定されました。これからも、地域共生の取り組みなどをより一層進めてまいります。

  • 重要電源開発地点への指定:国として推進することが特に重要な電源開発に係る地点について、地元との合意形成や関係省庁における許認可の円滑化などを図ることを目的とし、経済産業大臣が行うもの

運転開始までの長い道のり

地熱発電には、非常に長い調査期間を要します。小安地域での地熱発電に関しては、調査開始から運転開始予定まで16年。ビジネスを考えるにあたり、長いプロジェクトです。
地熱開発には地下調査(井戸を掘り、安定した操業ができるかどうかを考えること)に時間が必要です。これに加え、特に小安地域においては、積雪が多く冬場の調査・工事ができないことと、自然公園における規制緩和後の初めてのケースであったため、さらなる時間が必要となりました。

近隣住民の方々との対話を大切に

小安地域 調査井の掘削リグ

2012年に秋田県湯沢市が事務局となり、小安地熱株式会社・地元の温泉旅館・自然保護団体・住民代表が意見を交わし、合意形成を図る「湯沢市小安地域地熱資源活用協議会」がスタートしました。以降、毎年1~2回、温泉水に変化がないかのモニタリング結果報告や、噴気試験をはじめとした様々な調査結果、翌年の事業内容を説明する機会を設けています。
自然公園内で地熱開発を行うにあたっては、協議会等を通じて地域の人たちと対話を進めることが重要です。小安地熱株式会社は、一人ひとりに丁寧な説明を行う姿勢を大切に、地域に密着した合意形成を志し、プロジェクトを前進させています。