地熱発電とは?

地熱発電は再生可能エネルギーの一つ

地熱発電は、再生可能エネルギーの一つです。地下のマグマなどによって熱せられた高温の水や水蒸気の力を利用し、タービンを回すことで発電を行います。同じ再生可能エネルギーである太陽光や風力による発電方式と比べ、天候に左右されず安定した発電量を得ることが可能です。

地熱発電の仕組み

地熱発電所は、地下から蒸気・熱水を取り出す生産井、セパレータ・タービン・発電機などの地上設備、熱水を地下に戻す還元井によって成り立っています。井戸と地熱貯留層を通路とする水の循環によって、半永久的に熱を取り出すことができます。
火山大国である日本には、地下のマグマに由来する未活用の地熱資源が多く眠っているとされており、今後さらなる開発が期待されています。

  • 地熱貯留層:地下のマグマなどによって熱せられた高温の地下水が溜まっている層

地熱発電の仕組み
  • 1.

    地上で降った雨が地中に浸透し、一部の地層に留まり地下水となります。

  • 2.

    マグマ溜まりなどにより地下水が高温になっている場所に生産井を掘り、地下から蒸気と熱水をくみ上げます。

  • 3.

    地下から汲み上げた蒸気と熱水をセパレーターという装置で分離します。

  • 4.

    セパレーターより送られてきた蒸気でタービンを回転させ、発電を行います。熱水は、地下に還元します。

  • 5.

    タービンで使用された蒸気を復水器において冷却水で冷やし、水に凝縮します。

  • 6.

    復水器でできた水をさらに冷却します。冷却された水は、復水器で循環利用されます。冷却塔からは、水から熱を奪った温かい水蒸気が外気に触れることで冷やされ、湯気となって出てきます。

  • 7.

    地下への還元は、生産井から適度な距離を保ち行います。地下へ還元された水は再び地下から汲み上げられるまでに地下で温められます。

地熱資源大国・日本

地熱資源量は、アメリカが3,000万kW相当で世界1位です。日本はインドネシアに次いで世界第3位、2,347万kWの地熱資源量を誇ります。しかしながら、日本において現在の発電設備容量は53万kWにとどまっており、電力需要の約0.3%となっています。導入の拡大には、リードタイムの長さや探鉱リスク、送電線の接続・コストといった課題があります。しかし、東日本大震災以降、地熱発電のより積極的な推進が望まれており、規制緩和や許認可手続きの短縮・ワンストップ化など、制度の見直しが国によって実行・検討されています。