火力発電

天然ガス火力発電は、化石燃料の燃焼によるエネルギーを利用した発電方法です。石油・石炭と比べ環境負荷の低い天然ガスや、グループ製油所の石油精製工程で生じる副生ガス・残渣油を燃料とし、天然ガス火力発電所の運転による電力供給を行っています。また、新たな知見の獲得や事業機会の創出を目的として、北米の天然ガス火力発電所にも出資しています。

国内における取り組み

扇島パワーステーション(株式会社扇島パワー)

当社の原油貯蔵施設の跡地を利用した、高効率の大型天然ガス火力発電所です。当社と東京ガス株式会社が共同で設立した、株式会社扇島パワーが運営しています。省エネルギー性に優れたガスタービンコンバインドサイクル※1で電力を供給しています。

  • ガスタービンコンバインドサイクル:通常のガスタービン発電では、ガスタービン駆動による発電後に不要となった高温排ガスを大気中に放出します。コンバインドサイクル発電では、ガスタービン発電に加え、放出される高温排ガスの熱を回収して蒸気タービンを駆動することによる発電を行います。

扇島パワーステーション(株式会社扇島パワー)
運営会社名 株式会社扇島パワー
出資者 東京ガス(株)75%、出光興産(株)25%
所在地 神奈川県横浜市鶴見区扇島
発電規模 1号機 40.7万kW(運転開始:2010年3月)
2号機 40.7万kW(運転開始:2010年7月)
3号機 40.7万kW(運転開始:2016年2月)

水江発電所(東亜石油株式会社)

当社子会社である東亜石油株式会社・京浜製油所の敷地内に立地し、同製油所の石油精製工程で発生する副生ガスおよび残渣油を原料として発電を行っています。同製油所との最適な連携を図りながら、エネルギー効率の高いコージェネレーションシステム※2によって高効率な発電を行い、電力の安定供給に貢献しています。また、一部の電力や蒸気は、同製油所の石油精製にも活用されています。

  • コージェネレーションシステム:発電とともに得られる熱を廃棄せず、回収・利用・供給する仕組み

東亜石油株式会社
運営会社名 東亜石油株式会社
所在地 神奈川県川崎市川崎区水江町
運転開始 2003年6月
発電規模 27.6万kW

海外における取り組み

天然ガス火力発電所への出資(アメリカ)

当社は、発電所運営と市場取引に関する知見の獲得や国内事業への還元を目的に、アメリカの天然ガス火力発電所事業に参画しています。アメリカは日本が電力市場制度改革の参考としているエリアで、当社は現在、2か所の天然ガス火力発電所に出資しています。

クリケットバレー天然ガス火力発電所

クリケット・バレー・エナジー・センター
事業会社名 クリケット・バレー・エナジー・センター
所在地 ニューヨーク州ダッチェス郡
運転開始 2020年4月
最大出力 約110万kW

サウス・フィールド・エナジー天然ガス火力発電所

サウス・フィールド・エナジー
事業会社名 サウス・フィールド・エナジー
所在地 オハイオ州コロンビアナ郡
運転開始 2021年10月
最大出力 約118.2万kW