バイオマスプラスチックのサプライチェーン構築

バイオマスプラスチックとは

私たちの身の回りにあるプラスチックの多くは、化石燃料から作られています。出光興産では、2050年カーボンニュートラル実現のための施策の1つとして、「バイオマスプラスチック」の製造・供給に取り組んでいます。
バイオマスプラスチックとは、植物などの大気中のCO₂を吸収した有機資源を原材料として製造されたプラスチックです。有機資源を原材料としていることから、石油由来のナフサを原料としたプラスチックと比べて、製造時のCO₂排出量を削減することが可能です。
当社では、植物などから製造された「バイオマスナフサ」を調達し、バイオマススチレンモノマーやバイオマスパラキシレンなど、バイオマス化学品の製造・供給にも取り組んでいます。また、バイオマスナフサやバイオマスエチレンの将来的な自社生産も目指しています。

バイオマスプラスチックとは

ISCC PLUS認証とは

ISCCが展開するISCC PLUS認証とは、バイオマスなどの持続可能な原材料を用いた製品のサプライチェーンを管理・担保する国際的な制度です。特に複雑な生産工程を持つ化学産業のサプライチェーンのバイオマス化を推進させる、マスバランス方式(物質収支方式)の有効な認証制度です。
当社では、千葉事業所、徳山事業所の他、マレーシアのIdemitsu SM(Malaysia)とPetrochemicals(Malaysia)でもISCC PLUS認証を取得しています。

※ISCC:International Sustainability and Carbon Certification

マスバランス方式とは

原材料から製品への加工・流通工程において、ある特性を持った原料(例:バイオマス由来の原料)がそうでない原料(例:石油由来の原料)と混合される場合に、その特性を持った原料の投入量に応じて、製品の一部に対してその特性の割り当てを行う手法です。複数の生産工程を経て製品化に至る化学産業では、サプライチェーンのバイオマス化を推進させる手段として、マスバランス方式が有効とされています。

マスバランス方式のイメージ図

SAF(持続可能な航空燃料)製造との連携

当社は、2030年に年間50万KLのSAF(Sustainable Aviation Fuel:持続可能な航空燃料)の国内生産体制を構築することを目標としています。当社が取り組むSAF製造の方法の1つが、ATJ(Alcohol To Jet)というバイオエタノールを原料とするものです。ATJによるSAF製造の過程で、バイオマスナフサやバイオマスエチレンが副産物として生成されます。これらを原料とした、バイオマスプラスチックの製造を目指しています。

SAF(持続可能な航空燃料)製造との連携