化学農薬・生物農薬とは?
食料生産における農薬の役割
世界人口は20世紀後半から増加を続けており、人口増加に伴う食料増産の必要性が高まっています。食料増産のためには、新たな農耕地の開発、既存農耕地の生産性向上が必要となりますが、農耕地開拓は膨大な費用が必要となるほか、生態系保全の観点からも困難な状況にあります。 既存農耕地の食料生産性を向上させる手段の1つとして、病害虫や雑草による収穫量低下を防止する目的で、農薬が使用されています。
化学農薬
化学農薬は、化学合成された有機化合物や無機化合物などを有効成分とする農業用資材です。
近年の化学農薬は高性能化が進んで少量でも優れた効果を示すため、薬剤散布による環境負荷が低減されているほか、農作業の効率化や省力化も進んでいます。
当社グループでは、殺菌剤として「ダコニール」、水稲除草剤として「ベンゾビシクロン」を主力製品としており、水稲・果樹・野菜など様々な農業分野を支えています。ダコニールは昨今問題となっている農薬耐性菌の発生事例が無く、50年以上愛用されているロングセラー商品です。また、ベンゾビシクロンは薬剤耐性雑草や難防除雑草に対する優れた効果が評価されており、国内に加えて海外展開にも継続的に取り組んでいます。この他にも、ゴルフ場の芝生や非農耕地向けの農薬である緑化関連剤や、殺虫殺菌剤など幅広い製品を展開しています。
生物農薬
生物農薬は、微生物や昆虫などを有効成分とする農業用の生物的防除資材です。
微生物を有効成分とする農薬は、対象となる病害虫のみに作用させることが可能で、標的外の生物に対する影響が少ないこと、病害虫の抵抗性が発達しにくいことが特長です。
昆虫を有効成分とする農薬は、対象となる病害虫の天敵である昆虫を生きた状態で製品化したものになります。
当社グループでは生物農薬殺虫剤や生物農薬殺菌剤を扱っており、これまでに培ってきた微生物を効率的に培養・生産する発酵生産技術(バイオものづくり)が生かされています。