高分子重合、触媒開発など、出光が世界に誇る最先端技術をもとに、エネルギー、石油化学、電子材料、アグリバイオの分野で高付加価値事業を創出しています。
研究開発の推進
先進技術研究所本館
当社グループでは、有機合成、高分子重合、触媒設計およびその評価解析などのコア技術に、事業を通じて蓄積したさまざまな新技術やノウハウを組み合わせ、社会のニーズに応える独自の新しい製品・サービスを創出する研究開発を行っています。これを推進することで、基盤事業の将来にわたる成長と、技術立脚型の高付加価値事業の拡大を図っています。また、研究の初期段階から特許網の構築を図るなど、事業・研究と一体となった知的財産戦略も強化し、確固たる技術優位性を築くことをめざしています。
出光グループの研究開発体制と研究テーマ
(1)石油製品部門
環境に配慮した石油製品、潤滑油製品、および燃料電池の開発を推進しています。
燃料油では、原油の重質化対応、クリーン燃料の安定供給、燃料油製造触媒の機能向上に取り組んでいます。潤滑油事業では、潤滑油による省エネルギー化と、有害化学物質の使用削減に注力。燃料電池では、LPガス・灯油を用いた燃料電池の開発を行っています。
(2)石油化学製品部門

機能化学品事業、機能性樹脂事業、樹脂加工製品事業において、競争力強化に向けた現行技術の改良や新規材料の開発を推進しています。
機能化学品事業では、半導体製造に不可欠なフォトレジスト用材料、電子材料の製造工程で必要な機能性溶剤、新機能を有した粘接着基材および潤滑油・可塑剤原料などを開発しています。
また、機能性樹脂事業では、高強度で透明性に優れるポリカーボネート樹脂、高い寸法精度を持つPPS樹脂、自社技術による新しい高機能素材・SPS樹脂の3種類のエンジニアリングプラスチックを用い、高付加価値商品を開発しています。
さらに、樹脂加工製品事業では、天然素材を独自技術で微粉化した「プロテインパウダー」や新規抗菌・防カビ・防藻剤「コーキンマスター」などをベースにした加工製品の開発を行うとともに、ポリプロピレンなどのポリマーを組み合わせ、特殊な加工を施して種々の機能をもたせた高機能加工製品の開発を行っています。
(3)その他部門
石炭事業ではクリーンで効率のよい石炭燃焼をサポートする石炭評価システムなどの開発を行っています。
また、電子材料事業では、有機EL材料、透明電極材料などの分野で新素材の研究開発を行い、アグリバイオ事業では、微生物活用技術・天然素材活用技術をコア技術として、農業や畜産、ヘルスケアの分野で新製品の開発を行っています。
出光グループの研究開発体制
| 事業セグメント | カテゴリー | 関連する研究所等 | 研究テーマ |
|---|---|---|---|
| 石油製品 | 燃料油 | 燃料油技術課 石油技術センター 先進技術研究所 |
重質原油対応、クリーンな燃料の開発など |
| 潤滑油 | 営業研究所 先進技術研究所 |
環境に配慮した高機能潤滑油の開発 | |
| その他 | 先進技術研究所 | 燃料電池の開発 | |
| 石油化学製品 | 機能化学品 | 機能材料研究所 生産技術研究所 先進技術研究所 |
フォトレジスト材料や有害性の低い溶剤の開発など |
| 機能性樹脂 | 3種のエンジニアリング・プラスチックの高機能グレードの開発 | ||
| 樹脂加工製品 | 出光ユニテック商品開発センター 出光テクノファイン・テクニカルセンター |
樹脂と天然資材との複合や樹脂の特殊加工によるさまざまな機能性製品の開発 | |
| その他 | 石炭 | 石炭・環境研究所 | クリーンで効率性の高い石炭利用技術の開発 |
| 電子材料 | 電子材料開発センター 先進技術研究所 |
高性能有機EL材料の開発 透明電極材料の低コスト化・省資源化・性能向上 |
|
| アグリバイオ | アグリバイオ技術課 先進技術研究所 |
生態系にやさしい農業・畜産資材、ヘルスケア製品の開発 |
|
| 新規テーマ探索、基礎研究 | 先進技術研究所 他 | 新しい機能性材料の開発など |
全固体リチウムイオン二次電池の開発
全固体リチウムイオン
二次電池試作品
リチウムイオン二次電池は、電圧とエネルギー密度が高く軽量に作ることができるので、携帯電話、ノートパソコン用電源として急速に普及しました。一方で、有機溶媒系電解液を使用するため過充電や変形による短絡(ショート)の際に爆発・発火する危険性もあり、最近は有機溶媒の代わりに固体電解質を用いる「全固体リチウムイオン二次電池」の開発が進められています。
当社では、硫黄を含む機能性樹脂(PPS樹脂)の開発で獲得した高純度硫化リチウムの製造技術を活用し、2001年から大阪府立大学大学院工学研究科の辰巳砂教授らと共同で、リチウム固体電解質に関する研究を開始しました。その結果、2004年には有機系電解液と同程度のリチウムイオン伝導性(4×10-3S/cm、室温)を有するうえに、さらに固体電解質では困難とされていた0℃以下の作動が可能な固体電解質の開発に成功しました。
現在は、さらなる性能向上と量産化技術、およびこれを用いた全固体リチウムイオン二次電池の開発を推進しています。
