人間尊重の事業経営で社会に貢献します
信頼され尊重される人を育てることを最も大切にしています

「社会的責任」に対する当社の考え方は、経営理念である「人間尊重」に包含されています。
「人間尊重」とは、事業はあくまでも人が中心で、事業を通じて社会へ貢献できるように、信頼され尊重される人を企業の中で育てることを意味します。そうすることで結果的に企業もまた社会から信頼され、尊重されることになります。企業の社会的責任(CSR)というのは、本来そういうところにあると私は思っています。
また、最近言われている「社会的責任」には、事業のやり方に社会の持続可能性が配慮されていることや、法律や社会的ルールを遵守することなどが含まれています。当然、これら持続可能性やコンプライアンスについても、当レポートの本文でご報告しているように、真正面から取り組んでいます。コンプライアンスの徹底は事業を進める大前提ですし、持続可能性は「人間尊重」の事業経営の実践の先にあるものだと考えています。
信頼し仕事を任せる考え方は変わりません
昨年の株式公開に際し、社内のいろいろな規程類を再整備しました。それらは業務の見直しや仕事の均質化につながり、上場をきっかけとしたプラス面だと思っています。
しかし、一旦標準化・マニュアル化してしまうと、後から来た人はそれに頼って仕事をして、進歩しなくなる危険性もあります。その弊害が起きないように注意しています。
もともと出光は社員を信頼し仕事を任せるという考え方で、監査や管理で縛るより、むしろ任せられた人が責任をもってやり遂げるべきという文化です。これからも規程類を遵守しつつ、許容される範囲でできるだけ社員に仕事を任せていきたいと考えています。
安定供給と環境保全が最優先です
当社はエネルギー企業として、その安定供給と地球環境問題に最優先で取り組んでいます。
昨今、原油価格が高騰し高止まりしています。その背景には中国などでの石油需要の急激な拡大があり、世界的な資源の獲得競争が展開されています。このような状況の中で、充実した自社の海外ネットワークをフルに活用し、石油の安定供給に努めています。
一方、石油などの化石燃料の大量使用は地球温暖化の要因ともなっています。そこで私どもは製造・物流部門で徹底した省エネルギーを進めるとともに、お客さまに石油製品を効率よく利用していただく製品・サービスの提供に全力を注いでいます。
また、燃料電池、バイオマス、風力、地熱などの技術開発にも積極的に取り組んでいます。
さらに、カナダでウラン鉱山の生産開始に向けた準備を行っています。原子力については賛否両論ありますが、日本のような少資源国でCO2を減らしながらエネルギーを確保するには、原子力は有力な手段になると私は考えています。「放射性廃棄物の処理も含め、日本のような地震国でも原子力が安全に使えます」という技術を確立することは、わが国にとって重要な課題であると思います。
技術立脚型の事業を拡大します
燃料油および基礎化学品が当社の基盤事業です。これら事業では引き続き、出光ブランドの強みを生かしたマーケティング活動による販売強化と、石油と石油化学のインテグレーションのさらなる推進による合理化・効率化などで、競争力強化を図っていきます。
また、これまで基盤事業などで培ってきた技術をさらに発展させ、組み合わせることによって、付加価値の高い独自性のある製品とお客さまのニーズに対応したソリューションを提供してきました。今後も、需要の見込める分野に積極的に経営資源を投入して差別化できる商品を開発・育成・強化し、技術立脚型の事業を現在の基盤事業に並ぶものとして育てていきたいと考えています。そのため電子材料、高機能性材料、アグリバイオなど、技術開発の結果出てきた新しい商材を、新ビジネスの核にすべく事業化を進めており、さらに研究開発も加速しています。
出光興産株式会社代表取締役
