ウィーンで開催されたOPEC総会は、現行生産枠を日量28百万バレルに据え置き、必要であれば、最大日量2百万バレル迄の増産を実施することを決議して終了した。OPECプライスバンドの価格帯については決議されなかった。
OPECは総会前まで、高騰する原油価格を引き下げるための努力姿勢をアピールすべく、日量0.5百万バレルの生産枠引き上げを検討していた。
しかし、生産枠を日量0.5百万バレル引き上げても、実質増産しなければ消費国の批判から逃れられないとの判断から、よりフレキシブルに対応できる「生産枠据え置きで、必要に応じて増産する」という決議に至ったと思われる。
原油価格は、甚大な被害をもたらしたハリケーン「カトリーナ」への被害対策で、IEAが石油備蓄を放出したため、一時下落傾向にあった。
しかし、「カトリーナ」により被害を受けた石油関連施設が、現在復旧しつつある状況下で、新たな熱帯低気圧「リタ」がメキシコ湾に向かっていることに加えて、OPECが生産枠を据え置くという観測も一部織り込み、原油価格が再び上昇していた。
さらに、続けてハリケーンが来襲したり、寒波の到来や産油国における地政学リスクが高まるような事件が発生すれば、WTI原油価格は史上最高値の1バレル当たり70ドルを再度突破する場面も考えられる。
