皆さん、本日は入社おめでとうございます。皆さんの入社を心よりお待ちしておりました。
会社には寿命があり、一般的に30〜40年と言われています。社会の価値観・仕組みが変化し、これまでのビジネスモデルが通用しなくなります。外から見れば同じ会社が続いているように見えても、中身は大きく変化して、新しい会社に生まれ変わっているのだと思います。但し、新しい会社に生まれ変わることは生半可なことではなく、生みの苦しみが伴います。長い歴史があると、いろいろな柵や成功体験などが再生へ重荷になります。そんな中、皆さんは、会社の経緯や思考に束縛がないという強み=変える能力を持っています。その強みを大いに発揮し、素朴な疑問を大切にしてもらいたいと期待しております。
しかしながら、何でも変えればよいと申し上げているのでは決してございません。捨てるべきものは捨てる、残さねばならないものは残すということであります。私たちが大切にし、受け継いでいかなければならないことは、創業者の経営理念「人間尊重」という考えを事業を通じて実践し、社会で期待され信頼される企業となることです。すなわち、お互いに信頼し、一致協力することで発揮できる「人の力」の大きな可能性を事業で実践し、お客様との約束を大切にし、何よりも実行を重んじることで信頼に応え、世の中の役に立ちたいということです。いずれ皆さんは、創業者の経営に対する考え方について勉強する機会があると思いますが、何よりも大切なことは、こういう考え方が出光では実践されていて、社外の人が見て納得できる事実があるということです。改革、革新に取り組む一方、受け継いで行くことで、伝統というものができていくということも忘れないでいただきたい。
出光は2006年上場を目指していますが、上場した後の出光の事業について、少し述べたいと思います。
石油需要は既にピークに達しており、これからは少しずつ減少していきます。しかし、一次エネルギーにおける石油の重要性は変わりません。従って、上場後も当面石油が出光の事業の中核となります。しかし、需要が安定している故に利益率は低く、利益率の高い、具体的には、有機EL、燃料電池開発、環境に配慮した石油化学製品、潤滑油といった技術に立脚した事業に上場し得られた資金で投資していき、収益力を高めたいと考えております。
最後に社会人としての心構えを申し上げます。
社会人として、生きていくうえで、何か信念を持って行動して欲しいと思います。そうすることによって、初めて他人から信頼されるようになるのだと思っております。これから社会人として、長い人生を過ごしていく上で、人の信頼を得るということが一番大切なことであり、自分にとって、自分を信頼してくれる人が最大の財産になります。
私は、「出光の社員はみなさん眼がキラキラして活き活きしていますね」と言われるような会社にしたいと思っています。是非そうなるように、共にがんばりましょう。
