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 この度弊社は、電子材料分野の本格事業化を推進するために、4月1日より「電子材料室」を発足させます。「電子材料室」には有機EL材料、電子写真材料、透明電極材料等の営業部門及び開発部隊を統合し、顧客対応の共有化、効率化を図ります。また、中央研究所には「電子材料グループ」を設置し、次世代電子材料に関する研究開発を行います。電子材料全体で、5年後に100億円の売上げを目指します。

1. 背景

(1) これまで中央研究所で開発した商品・技術のうち、出光の現業関連でないものは「新規事業推進室」で事業化を推進してきたが、その中で透明電極材料、電子写真材料等の電子材料分野は売上げも順調に伸長している。
(2) 有機EL材料の事業化は研究開発部が推進してきたが、業界トップレベルの品揃えができた。また、特許を国内外で400件以上出願し、材料だけでなく広範囲の権利確保が進んでいる。
(3) 有機EL業界は各社間の事業提携が活発化しており、この数年内に国内外の市場が急速に立上ることが予想される。

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2. 新体制設置の目的

(1) 上記2部署の電子関連事業を統合することで、顧客対応の共有化、研究開発の効率化を図り、迅速な意思決定、M&A等の身軽な動きが取れる独立した事業体制とする。
(2) 将来的に石油需要の低減が予想されるなか、出光の独自技術を生かせ、収益性が高い分野に資源の集中を行ない、事業の基盤を確立する。
(3) 本事業を継続的に拡大、発展させるため、中央研究所に電子材料グループを新設し、次世代の材料開発を強化、推進する。

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3. 新体制概要

(1) 電子材料室」 
・下記材料の開発・製造・販売事業を行う。
a. ディスプレー関連材料:
有機EL材料、非晶性透明電極材料、ミセル電解法カラーフィルター等
b. 電子写真関連材料:
感光体樹脂、トナーキャリア等
(2) 「中央研究所・電子材料グループ」
・事業の継続的拡大・発展のため、次世代電子材料の研究開発を行う。

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4. 各部門の概要

(1) ディスプレー関連材料
a. 有機EL材料
  • 1985年より研究開始し、1995年に実用レベルの青色発光材料を世界で初めて開発した。現在は国内外の表示機器メーカー数十社に、種々の材料を販売している。
     平成13年度の売上げ見込みは約5億円。
  • 有機ELは自発光なので、見やすい、液晶よりも表示が速い、省エネ型であるなどの点から注目されており、近い将来表示機器分野で大きな市場を形成すると期待されている。
  • 有機ELのフルカラー方式として出光独自の色変換方式(CCM方式)を開発し、現在、大日本印刷(株)と共同開発を実施している。
  • 出光はこれらの有機EL材料の世界トップメーカーとして、青色材料を中心に5年後に40億円の売上げを目指す。
b. 非晶性透明電極材料(商品名:IZO)
  • 出光は触媒調製技術を背景に、独自の非晶性透明電極材料(IZO:インジウムと亜鉛の酸化物)を開発。平成7年より販売を行っている。
  • IZOは非晶性材料なので、従来の透明電極材料と比較して加工性に優れ、加工に強酸を使わなくてもよいので環境負荷が小さいという特徴を持つ。
  • 平成11年より日本、韓国の大手電機メーカーに本格採用され、販売量を拡大している。出光はIZOのデファクト・スタンダード(事実上の業界標準)化を目指している。
  • 出光は日本、韓国、台湾の3国市場を中心に、5年後に30億円の売上げを目指す。
(2) 電子写真関連材料
  • 出光はポリマーの設計・重合技術を背景に、独自の有機感光体用特殊ポリカーボネート樹脂(商品名:タフゼット)とポリエチレン重合被覆トナーキャリア(商品名:出光キャリア)を開発し、平成7年より国内外に販売している。
  • タフゼット、出光キャリアともに優れた耐久性を持ち、コピー機やレーザープリンターの部品交換周期を伸ばすことで、環境負荷低減に寄与している。
  • 今後更に、これら特殊ポリマー製品の用途拡大を目指す。
(3) 中央研究所・電子材料グループ
  • 中央研究所はこれまで有機EL材料や電子写真材料など、特徴ある電子材料を創出してきた。特にデバイスまで踏み込んだ独自の評価技術、高度な精製技術や分析力を背景に、単なる材料販売ではなく、ソリューションビジネスとしての展開を行なうことで電機メーカー各社から高い信頼を得ている。
  • 今後は、電子材料室の将来展開のための、次世代電子材料の研究開発を推進する。

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5. 特許について

  • 出光は電子材料分野でも知的財産の確保に力を入れている。
  • 具体的には、有機ELの国内出願数は約400件、公開数では国内2位(表1)、米国取得特許数でも世界5位(表2)と、材料メーカーとしては世界の中でも突出している。

    表1.有機EL関連の国内特許公開数(平成14年3月1日現在/出光調べ)

    出願人 公開件数
    A社(電子部品メーカー) 279件
    出光興産 267件
    B社(電機・電子メーカー) 179件
    C社(電機・電子メーカー) 165件
    D社(精密機器メーカー) 152件
    E社(化学・素材メーカー) 150件
    F社(電機・電子メーカー) 147件

    表2.有機EL米国特許取得件数(平成14年3月1日現在/出光調べ)

    出願人 取得件数
    G社(化学・素材メーカー) 60件
    A社(電子部品メーカー) 56件
    C社(電機・電子メーカー) 43件
    H社(電子部品メーカー) 36件
    出光興産 35件
    B社(電機・電子メーカー) 35件
    F社(電機・電子メーカー) 30件
  • 透明電極材料(IZO)は国内外約50件の特許を出願しており、材料特許から透明電極付き基板、液晶デバイス等の用途特許まで、幅広い領域をカバーしている。
  • 有機感光体樹脂、トナーキャリア等の電子写真関連材料においては、国内外約150件の特許を出願しており、材料特許から用途特許まで幅広くカバーしている。

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6. 今後の予定

(1) 電子材料室全体で、5年後に100億円の売上げを目指す。
(2) 将来的には当分野の分社化を検討する。
(3) 中央研究所では次世代電子材料の開発を行う。


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